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財政(予算・公共事業), 金融(銀行・保険・証券) (政府系金融機関)

2007年05月08日 第166回 通常国会 財務金融委員会 【392】 - 質問

「法案は、政投銀をつぶすものだ」財金委で質問

 2007年5月8日、財務金融委員会が開かれ、佐々木憲昭議員は、政府が提案した政策投資銀行法案について質問しました。
 これは、昨年採択された行革推進法に従って、完全民営化に向けた日本政策投資銀行のあり方を定めたものです。
 法案によると、2008年10月に今の日本政策投資銀行を解散し、新たに株式会社設立。そして、おおむね5年から7年後を目途に、政府保有株式のすべてを処分するとしています。
 この法案は、完全に民営化されるまでの中間の期間をどのようにするかを定めたものです。
 完全に民営化されれば、この法案そのものも廃止されます。

 佐々木議員は、この法案では将来展望がまったく明らかになっていないと指摘し「これでは破綻させるための法案だ」と批判しました。
 日本政策投資銀行は、日本開発銀行などを継承した政府系金融機関です。
 これまで民間銀行が出来ない環境、鉄道整備、エネルギーなどの長期事業にたいして、長期・低利・固定の融資を行ってきました。
 参考人として出席した小村武・政策投資銀行総裁は、これからも必要な長期の資金需要として、二酸化炭素対策、開かずの踏切対策、電線の地中化などをあげました。
 しかし、法案では政府保証など国の支えを取り払い、株式を売却して完全民営化するため、これまでのような投融資ができなくなります。
 佐々木議員は、政策投資銀行の民営化法案には、長期事業資金の「根幹が維持される」とあるが、この法律そのものも民営化後に廃止されると指摘、根幹が維持される保証があるのかとただしました。
 尾身幸次財務大臣は、これまでのような長期・低利・固定の政策金融はなくなるとのべました。
 長期事業資金の提供維持についても、民営化後は「法律上、担保されていない」ことを認め、「政府としては維持を期待している」と述べるだけでした。
 佐々木議員は、法案は“始めに民営化ありき”で閣議決定され、国民の財産を売り払う無責任なものだと批判しました。
 また、「株価が上がる保証もなく、将来の展望もない。これでは経営が行き詰まり、外国資本や大手銀行のもとに入るか、破綻するしかない。法案は、政策投資銀行をつぶすためにつくられたようなものだ」と厳しく批判しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 提案された法案は、昨年採択された行革推進法に従って、完全民営化に向けた日本政策投資銀行のあり方を定めたものであります。法案によりますと、2008年、来年10月に今の日本政策投資銀行を解散して新たに株式会社を設立する、そして、おおむね五年から七年をめどに政府保有株式のすべてを処分するとしております。
 この法案は、完全に民営化されるまでの中間の期間、これをどのようにするかを定めたもので、完全に民営化されればこの法案そのものも廃止される、こういうふうになっていると理解をしておりますが、それでよろしいですか。
○尾身財務大臣 基本的にはそのとおりであると考えております。
○佐々木(憲)委員 そこで、前提として確認をしておきたいのですが、エネルギー関連事業、鉄道整備事業、環境整備事業、これらは将来に向けて資金需要があると見ているのか、それとも需要はだんだんなくなっていくと見ているのか、どちらでしょうか。
○勝政府参考人(財務省大臣官房総括審議官) お答えいたします。
 これまでの日本政策投資銀行は、その前身であります日本開発銀行また北東公庫時代を含めまして、政策金融機関としましては、民間金融機関のみでは対応困難な政策金融の分野において長期資金の供給等を行ってきたところでございます。具体的には、先生おっしゃいましたように、エネルギーとかインフラ分野だと思っています。
 今までと同様、日本政策投資銀行のこうした役割につきましては、我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展、豊かな国民生活の実現並びに地域経済の自立的発展に資するものであったと考えております。
 今後につきましては、行革推進法及び制度設計、またいろいろな附帯決議においても、やはり新会社または完全民営化後の会社についても、今申し上げましたような長期の事業資金を供給するという役割は期待されていると思っております。
○佐々木(憲)委員 質問に全然答えていないですよ。そんなことを聞いているんじゃないんですよ、私は。
 一般的に、エネルギーだとか鉄道とか環境とか、そういう資金需要はこれからふえるのか、減るのかと聞いているんですよ。全然かみ合っていないんですよ、委員長。
○勝政府参考人 今提出いたしております法案の附則におきまして、各省が、エネルギー等を初めインフラの分野において、それぞれの法律のもとで政策的な要請に基づきまして諸措置を講じることになっておりまして、今のこの法律では、それが続くということを前提に、ただし、イコールフッティングを踏まえつつ、名称変更を行っております。
 今後の見通しにつきましては、そういう資金需要に対して政策的に対応すべきかどうかということにつきましては各省庁において検討することになっておりまして、また、イコールフッティングの観点から、具体的には20年度予算等も含めまして、検討することになっております。
○佐々木(憲)委員 答弁になっていない。何でまともに答えないんだ。
○小村政府参考人(日本政策投資銀行総裁) 現場を預かる目から見てまいりますと、エネルギー問題、これは、CO2問題はこれから大変大きな問題としてクローズアップされてまいります。このCO2対策で、エネルギー全体について政策的にどういう対応をすべきか。原子力の問題もあります。あるいは、他のエネルギー源の問題もあります。こういったところにおける資金需要というのはふえてまいります。
 それから、鉄道も、あかずの踏切というのは全国でまだまだあります。こういった問題については、やはり一定の政策誘導がないと、事業者は積極的に投資を行わない場合がございます。そういう意味におきまして、政策誘導の価値がある。
 それから、エネルギーの分野で申し上げますと、もう一つは、電線の地中化とかこういった環境問題、これも電力会社にとってはもうからない仕事でありますが、我々の生活において欠かせない、そういう政策的な必要というものもやはり根強いものがあろうか、こう思っております。
○佐々木(憲)委員 今の答弁で、資金需要はこれからもある、一定の伸びがあり得る、こういう答えだったわけです。先ほどの答弁、全然かみ合っていないじゃないですか。聞いていることにちゃんと答えてください。通告しているんですからね。
 もちろん、我々はこの事業内容を全面的に容認しているわけではありません。例えば、原発建設を最優先させたようなエネルギー政策、これは我々は極めて批判的な立場をとっております。あるいは、採算のとれない巨大開発に大量に資金を投入するというようなこと、こういうことにはさまざまな問題点があるというふうに思っております。しかし、一般的に、エネルギーですとか鉄道ですとか環境、今総裁がお答えになったように、長期的な資金を供給するという役割は今後とも必要である、そしてまた、需要は一定の需要が存在する、こういうことだと思うんですね。
 そこで、聞きたいんですけれども、この分野に対して長期、低利、固定の資金供給、これがこれまで民間銀行が十分できなかった部分、先ほどの答弁では民間が対応困難な分野というふうにおっしゃいました。なぜ民間銀行が対応できないのか、そして政投銀がなぜこれまで対応できたのか、この違いを説明していただけませんか。
○小村政府参考人 例えば、原子力の問題にいたしましても、鉄道の問題にいたしましても、非常に期間が長いものであります。民間金融機関は、そういう長い資金は持ち合わす量が非常に少のうございます。しかも、鉄道ですと、利用者に対して運賃がはね上がっていく、それを防ぐためにできるだけコストを低く抑えなきゃいかぬ、あるいはマーケットの金利もそんなに高いものじゃございませんから、民間金融機関はもうかる分野ではございません。
 したがいまして、そういうところに対する資金というのはなかなか回っていかない。関連の周辺地域の開発とか、そういうところは鉄道会社に対しても民間からの資金調達は可能でありましょうが、あかずの踏切対策とか、そういったところについてはやはり政策金融というものが必要であろう、こう考えております。
 私どもが可能であるのは、財投借入金あるいは政府保証債、あるいはみずから発行する債券そのものも格付が高くて、比較的低利で資金が調達できる、こういうことで可能であったわけであります。
○佐々木(憲)委員 つまり、民間と違って国の支えがあるから、資金調達、低コストで長期のものが可能になる、したがって、そういう長期的な事業に対して融資が安定的に可能になる、それが民間銀行はできなかったから今まで政投銀がそれを担ってきた、こういうことだろうと思うんですね。
 そこで、尾身財務大臣にお聞きをしたいんですが、これまで政投銀が担ってきたこういう機能、長期の事業資金を提供する機能というのは、今後必要だ、これは残すということが政策的に重要だと私は思いますが、尾身大臣はどのようにお考えでしょうか。
○尾身財務大臣 この法案におきましては、新しい会社の目的といたしまして、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持するということを規定されておりまして、引き続き、長期資金の需要があるエネルギーあるいは鉄道等に関する長期の貸し付け等を行うことは可能であると考えております。
 しかしながら、これまで日本政策投資銀行が行ってまいりました柱であります長期、固定、低利の融資を行うということでは必ずしもなく、実際の貸し出し条件の決定に際しましては、これまでのように低利の政策金利ではなく、企業価値の最大化の観点から新会社の収益性を確保していく条件で個別の契約を行っていくことになろうと考えているわけでございます。全体としての官から民への大きな流れの中で、そういう方向に行くのではないかというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 この長期、低利の資金を政投銀を民営化することによって提供できるのかという問題であります。
 確かに、法案では、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が維持されるよう、株式の処分法等について検討し、必要な措置を講ずる、こう規定されていますね。
 長期事業資金の根幹が維持される、根幹ですから、一番真ん中のところですよね。それ以外のところは後退する、こういうことも考えられるわけですが、そういう理解でよろしいですか。
○勝政府参考人 お答えいたします。
 先生が御指摘のとおり、まさに新会社のビジネスモデルの話だと思っております。
 法案等では、長期の事業資金の機能を維持するということを根幹にしますけれども、そのために今後安定的な資金調達をどうするか、また、資金運用につきまして、先ほどおっしゃいましたような長期の事業資金を供給しつつ、しかも、もうかるようにするためにはどういうビジネスモデルが必要なのかということが今後の検討課題であると思っております。
○佐々木(憲)委員 ということは、従来のような長期、低利、固定の資金供給というものは後退する、こういうふうに理解していいですね。
○勝政府参考人 長期、固定、低利ということにつきまして申し上げますと、長期の事業資金の供給の根幹は維持するということでございますけれども、低利かどうかということにつきましては、これは、実際の貸し出し条件の決定に際しましては、やはり企業価値の最大化の観点から、新会社の収益性を確保していくということが重要であると考えておりまして、今後は個別の契約で条件を詰めていくということになると思っています。
○佐々木(憲)委員 後退するんですか。
○勝政府参考人 完全民営化後は、株式会社政策投資銀行、仮称ですけれども、これは政策金融の世界から撤退するということでございます。完全なる民間会社として活動するということでございます。
○佐々木(憲)委員 要するに後退するわけですね。今説明があったように、低利ということは保証されないというわけです。
 完全民営化後は国の支えがなくなる、そして、新たな民間銀行をつくって完全民営化する。そうなりますと、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が維持されると言われても、この法律そのものを廃止されるわけですから、幾ら法律に書いたって、それは縛りはないんです。
 大臣、そうなりますと、結局、根幹が維持される保証はないんじゃありませんか。
○尾身財務大臣 この一連の政策金融改革につきましては、経済財政諮問会議等での議論を踏まえまして、政策金融につきましては、一つは中小零細企業あるいは個人の資金調達、二つ目は国策上重要な海外資源確保、国際競争力確保に不可欠な金融、三つ目が円借款の三つの機能に限定をして、それ以外の業務については撤退するとの方針が、行革の重要方針として、平成17年12月24日の閣議において決定されているところでございます。したがいまして、長期、固定、低利の融資については、政策金融としては行わないという方向になっているところでございます。
○佐々木(憲)委員 要するに、行革方針に基づいて撤退するということですね。
 そうすると、根幹が維持される保証もないんじゃありませんか。
○勝政府参考人 お答えいたします。
 今提出いたしております法案、また行革推進法案附帯決議等に基づきまして、長期の事業資金の供給の根幹を維持するという要請がございます。また、株主の安定構成も図るということも、参議院の附帯決議でそういう要請を受けております。
 したがいまして、そういうことも含めまして、いろいろな今申し上げました要請を踏まえまして、株式の処分のあり方について、今後、専門家、有識者を入れまして検討していくということになっております。それが一つでございます。
 もう一つは、政策投資銀行の長期の事業資金に係る投融資機能を20年10月以降も政策的に活用する場合には、各省におきまして、それぞれ所管する分野におきまして、政策投資銀行またはそれと同じように民間金融機関を政策的に使うべきかどうか、また、そのための所要の措置はどういうものが考えられるかどうか、それも検討することになっております。
○佐々木(憲)委員 要するに今後の検討課題だというだけであって、何の保証もないわけですよ。明確にこういう保証があるという答弁がなかったわけであります。今後のあり方について検討したいとか、株式の処分方法についても、これはこれからの検討課題であると。つまり、根幹が維持される保証もないわけですよ。
 例えば、株式を売却する、株式を売却する相手をいろいろ検討すると言いますけれども、例えばそれが外資の投機的な資本に売却される可能性、これを全く拒否できるのかどうか、それはどうなっているんですか。
○勝政府参考人 お答えいたします。
 株式の処分のあり方につきましては、例えば、株式の処分、すなわち、上場するか非上場にするかどうか、また、その株式の種類、数等、またそのタイミングにつきまして、今後専門家、有識者を入れました検討会で検討することになっております。
○佐々木(憲)委員 要するに何も決まっていないということですよね。どういうふうな処分の仕方をするのかについて、上場するのか非上場でやるのか、まだこれも何も決まっていない、しかし、売却するということだけは決まっていると。だれが買うかというのは、これは全くわからぬわけですよ。ハゲタカファンドが買うかもしれない。これは私は、将来、極めて不明確な展望しかここからは見えてこないですよ。
 国の支えを取り払って完全に民営化する、新たな民間銀行をつくるわけですけれども、その民間銀行というのがどういうものになるかさえまだ明確ではない、ビジネスモデルもそのときの経営者が決めることでありますと。売り出される株式をだれが買うのか、どういう基準でどういうふうに売るのか、これも何も決まっていない。株価が上がる保証はないと私は思います。そんな将来展望がはっきりしない会社の株を売りに出されたからといって、それを買う人はいませんよ。買ってまた暴落するかもしれない。この銀行は一体どうなるかわからない。
 そういうことになるんじゃありませんか、財務大臣、どうですか。
○尾身財務大臣 本法案におきましては、政府が保有する株式のすべてを処分した後は、この法律を廃止するための措置をとる旨を規定しております。したがいまして、完全民営化後は特殊会社ではなくなって、民間株主の意向を踏まえて経営が行われるということになります。
 したがって、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹の維持につきましては、必ずしも法律上担保されているものではありませんが、政府といたしましては、完全民営化後においてもこの機能が引き続き維持されるよう期待をしているわけでございます。
 そのため、この法律におきまして、この銀行の強みであります出資と融資を組み合わせた長期のリスクマネーを引き続き供給できるよう、必要な業務の規定や、あるいは資金調達における政府保証等の激変緩和措置等所要の措置を講ずるとともに、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が維持されるよう、政府保有株式の処分の方法に関する事項について検討の上、必要な措置を講ずることといたしまして、会社の業務や機能等を完全民営化後の新組織に円滑に承継するために必要な措置を講ずることとしたところでございます。
○佐々木(憲)委員 必要な措置をとるとか言いますが、全く何の保証もないんですよ。確定的な答弁が出ないでしょう。法律自体がそうなっているからですよ。
 財投などの国の保証がなくなる、支えがなくなる。資金調達コストは当然、市中から調達しなきゃならぬ、上昇する。しかし、これまでのように長期、低利、固定の資金提供というのは不可能になる。そのままやろうとしたら、それは採算割れになる。金利を上げようとしたら、これは相手との関係で非常にまずい事態になる。では、そういうことで長期資金が提供されていくのかどうかとなりますと、完全民営化後ですから、それは期待するだけです、政府としては期待するだけなんだと。期待は幾らでもして結構ですけれども、何の保証もないじゃないですか。
 エネルギー関連とか鉄道、環境整備というのは、先ほどもお答えになりましたように、将来も需要がある。にもかかわらず、この資金提供の手段を失うことになる。一体、この政投銀の民営化というのは、だれがこんなことを要求しているんでしょうか。だれの利益になるんでしょうか。
 例えば、銀行は、民業圧迫するから民営化せよ、こういうふうに民間銀行が言ってきたのか。どうですか、小村総裁にお聞きしたい。民間銀行から、あなたのところは我々の事業を圧迫している、もうやめなさい、こういう話はありましたか。
○小村政府参考人 私どもの銀行は、民間金融機関とバッティングをする、こういうことは私が総裁になってからはほとんどありません。あれば直ちに撤退をすると民間金融機関の方にも申し上げております。今、私どもの銀行に最も理解のあるのはメガバンクであり地方銀行である、こういうふうに感じております。
○佐々木(憲)委員 そうすると、銀行は全く望んでいないわけです、別に我々は圧迫されているわけではない。政投銀の説明も、これまで中立性を生かし民間金融機関との協調融資や保証行為を通じた連携を強めてきましたと言っているわけですから、何も民間銀行の邪魔になっていないんですよ。
 では、融資を受ける鉄道とか電力、こういう会社は民営化を要求してきたんでしょうか。政投銀じゃだめだ、民営化された銀行になっていただきたい、そうなると我々は有利になりますと、こういう話はありましたか、総裁。
○小村政府参考人 どの企業も私どもから金を借りなきゃいかぬ、そういう義務はございません。私どものビジネス、あるいはその知見を大変尊重してくれております。エネルギー政策にしてもそうですし、鉄道政策にしてもそうです。環境政策においても、環境格付融資というものをやっているのは世界で私どもの銀行だけです。そういう意味で、私どものお客様は大変評価をしていただいている。何も、私どもが他を排除して自分から乗り出していっている、そういうことではございません。
○佐々木(憲)委員 そうすると、資金を供給される側の事業者の側からは何も文句はない。
 では、財界総本山、経団連、これは何を言っているんですか。2005年11月に、政策金融機能のあり方についてという提言で、現状においては、国内における資源エネルギー開発、産業、国民生活基盤の維持強化のための超長期のファイナンス機能などについては、民間金融機関でそのすべてを代替することは難しい、したがって、これらの機能について、維持に配慮するよう求めたい、こう言っているわけです。経団連からも要請されてはいない。
 民間の銀行からも要請されない、需要者である事業者からも要請されない、経団連も要請していない。もちろん国民なんかは要請していませんよ。だれの要請でこんなことをやっているんですか。これは何のための法律なんですか。大臣、だれの利益になるんですか、これは。
○尾身財務大臣 一連の官から民へという流れの中で、政策金融改革につきましては、経済財政諮問会議等での議論を踏まえまして、政策金融は、一つは中小零細企業、個人の資金調達の支援、二つ目は国策上重要な海外資源の確保や国際競争力確保に不可欠な金融、三つ目が円借款、この三つの機能に限定をし、それ以外の業務については撤退するとの方針が平成17年12月24日の閣議で定められたところでございます。したがいまして、長期、固定、低利の融資につきましては、政策金融としては行わないということにされたところでございます。
○佐々木(憲)委員 要するに、閣議で決めただけだ、閣議で決めたからやるんだと。しかし、だれも望んでいないんですよ、だれもこれで利益を受ける人はいませんよ。何でそんなことをやるんですか。官から民へと言いますが、これはあした私は質問したいと思っておりますけれども、資金の流れは、こんなことをやったって官から民へは行きません。民から官に流れる資金の方がふえていきます。これはあした議論したいと思いますけれども。
 ですから、これは全然理屈がないんですよ。何の目的のためにやっているのか、さっぱりわからない。だれも利益を受けない。国民の財産をこういう形で民営化して売り払って、それで事業が行き詰まって、どこかの外国の資本のもとに入るか銀行のもとに入るか、あるいはこの銀行は破綻する。政投銀行を破綻するためにつくった法律じゃないんですかと言わざるを得ないんです。
 時間が来ましたから、またあした続きをやります。

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