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税制(庶民増税・徴税), 財政(予算・公共事業) (消費税, 強行採決, 社会保障・税一体改革)

2012年08月24日 第180回 通常国会 財務金融委員会≪総理出席≫ 【693】 - 質問

民主党が赤字国債発行法案の採決を委員会で強行

 2012年8月24日、今年度予算で赤字国債を発行するための公債特例法案が財務金融委員会で、与党・民主党の賛成多数で可決されました。
 日本共産党は反対、国民の生活が第一、公明党も反対しました。自民と改革無所属の会は欠席。

 佐々木議員は、質疑の中で、年金国庫負担引き上げ財源に消費税増税を充てることを批判しました。
 安住財務大臣が「安定財源が必要」と正当化したのに対して、佐々木議員は、3党合意で所得税の最高税率引き上げなどを削除し、低所得者対策も示せていないことをあげ、「3党合意は破たんしている。消費税増税に頼らず、別の道に切り替えるべきだ」と強調しました。

 質疑の後、佐々木議員は、反対討論を行いました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず初めに、与野党の合意のないままに、民主党が一方的に公債特例法案の審議日程を決めて採決まで強行しようとしていることに強く抗議をするものであります。
 同時に、私は自民党にも一言言っておきたいんですが、民自公三党で消費税大増税の法案を強行したと思ったら、突然態度を豹変させて、今度は欠席だ、不信任案だと。どう考えても、これは茶番としか思えない。そういうのであれば、我々七党が提案した内閣不信任案になぜ欠席したのかと言わざるを得ない。
 野田総理にお伺いしますけれども、きょう仮にこの委員会で採決して、衆議院の本会議で可決させて参議院に送ったとしても、野党はこぞって反対になっているわけです、なるわけです、このまま強行すると。そうすると、参議院では与党は過半数割れしておりますから、否決されるか廃案か、どちらかであります。それを知っていながら、なぜ今強行するんでしょうか。
○野田内閣総理大臣 きょう採決するかどうか等々含めて、国会の運営について私がどうこうということは控えたいと思いますし、それが強行なのかどうかというのも、これも解釈がいろいろあるだろうというふうに思います。時期が来て、そして、これまでの議論が熟してきたからという判断のもとで結論を出すということをお考えの上での今の国会の運びなのではないかというふうに思います。
 その上で、衆議院で一定の結論が出るならば、会期は限られておりますので、参議院でしっかりとこの法案の意義を御説明しながら、御賛同をできるだけいただくように努力をしていきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 なのではないかという、何か人ごとのような発言ですけれども、総理は、きょう採決するということは、あるいは、きょう審議をして終局をする、参議院に採決をして送る、こういう手順については了解をしているということでよろしいですか。
○野田内閣総理大臣 了解というか、これは、だから、この理事会の中でやり方をお決めになっているのだろうと承知をしております。
○佐々木(憲)委員 いや、総理は民主党の党首ですから、この日程について当然報告を受けているわけですよね。政府・民主三役会議、そういうところで了解をしたという報道もある。これは事実ですね。
○野田内閣総理大臣 個別の日程とかその審議のあり方とか採決の日だとかということまでは決めておりませんけれども、特例公債等々、この会期内で結論を出さなければいけないという共通の認識は、政府・民主三役会議の中で確認はさせていただいております。
○佐々木(憲)委員 それでは、こういうやり方について、これは結局は野党を硬化させて参議院で否決あるいは廃案になるかもしれない、そういう強硬路線はやめなさいと、党首である総理自身がそのことを指示すべきじゃありませんか。
○野田内閣総理大臣 特例公債がなかなか決まらない、成立しない中で、これからの予算執行は大変厳しくなるというぎりぎりの状況でありますので、そのぎりぎりの状況の中で各党にもどうぞ御判断いただかなければいけない、そういう時期が来たと思っておりますので、これは当然、丁寧にこれまでもやってきたつもりですし、これからも理を尽くして御説明をして、御賛同をいただけるように努力したいと思います。
○佐々木(憲)委員 結局、総理はこういう強硬路線について了解をして、それで実際に進んでいるということだと思います。非常に無責任で、ある人に言わせると、これは自爆テロと同じだ、こうまで言われているわけですね。私は、そういうやり方は到底納得できない。
 密室で行われた民主、自民、公明の三党談合で強行されたこの消費税増税、この法案は公債特例法案と密接に関連をしております。三党合意によって得られた公債特例の修正案は、本年度分の基礎年金国庫負担を二分の一に引き上げるための財源を交付国債からつなぎ国債に変えるというものであります。結局は、償還財源に消費税増税分を充てる、こういう方針であるということに変わりないんじゃありませんか。
○安住財務大臣 基本的にはそうです。
 ですから、二分の一の年金の部分をやはり恒久的に安定化させるためには安定財源が必要ですから、そういう意味では、自民党、公明党の皆さんと私どもの考えは一致しておりますので、引き上げ分の1%分については消費税を充てさせていただく。ただし、引き上げるまでの間については、これは財源が不足いたしますので、今先生から御指摘ありましたけれども、つなぎ国債でこの部分は対応していく、こういう考えでございます。
○佐々木(憲)委員 我々は、消費税増税に反対でありますし、この償還財源に増税分を当て込むという考え方には到底賛成できません。
 それともう一つは、三党合意は既に破綻しているんじゃありませんか。先ほどの議論を聞いていましても、到底、この三党で何かこれから一致してやろうなんという感じには受け取れない。
 一つは、社会保障制度改革推進法で定められた国民会議、これをどうするかという問題です。
 三党の間で一致しなかった課題を今後協議していく場として位置づけられておりますけれども、これはいつからいつまでの間に設置されるんですか。
○安住財務大臣 この法律の公布後1年以内でございますので、公布は今月の22日でございますから、そこから1年というふうに、その間に結論を得るということになると思います。
○佐々木(憲)委員 8月22日の法施行の日から1年以内。そうしますと、設置がおくれると、それだけ議論できる時間が短くなるということであります。
 報道によりますと、自民党は、この国会ではやらない、つくらない、こう言っているようですね。解散・総選挙の後だという発言が報道されております。新しい内閣が責任を持って決めるのが美しい姿だ、こういう発言もしているというんですね。
 そうなると、総理は、この国会中に設置できるというふうに思っておられるのかどうか。到底無理だと思うんですけれども、どうですか。
○野田内閣総理大臣 8月22日に法律の公布になりましたから、これは、国民会議、その1年以内、まさにカウントダウンが始まった、ストップウオッチはもう押された状況です。
 したがって、いつまでも設置しないと、まさにこれからの年金、医療、介護、子育て等々の大事な社会保障のあり方の議論ができないわけですので、これは私は国民にとっては大変迷惑な話だと思います。
 したがって、今国会中に設置できるように最大限の努力をしてきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 それは多分無理だろうと思うんですね。結局、そうなると、消費税の大増税が先行して、ほかのものは棚上げ状態、これが続くということになります。
 もう一つは、もともとの法案にありました富裕層に対する増税問題、これは、三党合意でこの部分は削除されたわけです。所得税についても、最高税率は、その部分が削除されました。それから、相続税についても削除されました。これは一体どうなるのか。
 積み残された部分はほかにも幾つかあるわけですけれども、これも実際上、三党間で合意しないと実行しない、こういうことになるんですか。
○安住財務大臣 これは、方向性は合意をしております。
 ですから、所得税と資産課税については年度改正によって対応いたしますので、私どもとしては、それぞれの党で考えをおまとめいただければ、秋の政府税調を含めて、具体案というものを出していきたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 方向性が合意されているといっても、それだったらなぜやらないんですか。法案から削除したのは、自民党が反対したから削除したんでしょう。自民党の姿勢は変わったんですか。変わっていないですね。
 結局は、肝心かなめの、お金持ちからちゃんと税金を払ってもらいましょうという考え方が全く実行されないまま、ずるずるといっている。それから、低所得者対策についても、これは、やります、やりますと言うだけで具体策は何も出てこない。こういうことで、消費税増税はやる。これでは国民は納得できないし、増税そのものに我々は反対であります。そして、消費税に頼らない別な道がある、このことを我々はこれからも訴えていきたい、このことを発言して、質問を終わりたいと思います。

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