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税制(庶民増税・徴税), 医療・介護・年金 (消費税, 法人税, 大企業減税, 社会保障・税一体改革)

2012年06月06日 第180回 通常国会 社会保障・税特別委員会 【681】 - 質問

消費税増税 医療崩壊を加速 法案撤回迫る

 2012年6月6日、佐々木憲昭議員は、社会保障・税特別委員会で、医療機関が消費税を自己負担せざるを得ない欠陥を明らかにし、消費税増税は医療崩壊を加速させると指摘。増税法案の撤回を迫りました。

 医療費は消費税非課税となっていますが、医療機器や薬剤の購入などには消費税がかかります。そのため、医療機関が自己負担せざるをえなくなっています。
 佐々木議員は、日本医師会や保険医協会が「多額の損税が発生している」と指摘していることを紹介し、どういう対策をとるのかとただしました。
 小宮山洋子厚生労働大臣は「診療報酬で手当てはしているが、すべてではない」と述べ、日本医師会の試算では損税が2330億円にのぼることを明らかにしました。
 佐々木議員は「医療機関の経営は深刻な実態だ。全額を国が補てんすべきだ」と主張しました。
 小宮山厚生労働大臣は「赤字の医療施設は民間病院の28%、民間診療所の31%」と厳しい経営状況に追い込まれていることを認めながら、「どれだけ診療報酬でカバーできるか検討する」と繰り返すだけでした。
 また、安住淳財務大臣は「設備投資をしなければ(消費税負担は)かからない」などと無責任な答弁。負担した消費税分を還付金として返金するゼロ税率の導入についても「考えてない」と答えました。
 佐々木議員は「消費税を増税して医療機関をつぶして当然だという姿勢は絶対に認められない」と述べ、消費税増税は撤回しかないと強調しました。

 また、佐々木議員は、前回の質問の中で、政府が消費税を社会保障の「目的税」にするといっている問題を取り上げ、国民に増税を押し付けるためのまやかしだと追及しました。
 佐々木議員は、安住淳財務大臣が消費税は「目的税」だと答弁していることを取り上げ、税法で決められているのかと質問。安住財務大臣は、一般会計の予算総則で医療、介護、年金の国負担に充てるが、「税法にはない」と認めました。
 佐々木議員は「税法にも書いていない。『目的税』というのは間違いだ」と迫ると、安住大臣は「目的税化する。4経費(医療、介護、年金、少子化)に充てる。税法上で使い道を特定するから目的税だ」とごまかしました。
 ところが、佐々木議員が「4経費をすべて消費税でまかなうのか」とただすと、安住大臣は「全部を消費税で充当するわけではない」と認めました。
 佐々木議員は、増税分13.5兆円のうち7兆円は社会保障以外に流用することが明らかだと指摘し、「目的税は、特定の目的に財源をすべてそこに充てるという対応関係があるものだ。消費税は目的税ではない」と批判。
 「社会保障目的税といえば国民が受け入れるという考え方が間違っている。こんなやり方で、国民に増税を押し付けるのはやめるべきだ」と批判しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 6月1日の当委員会で、安住大臣は、消費税は目的税だ、こういうふうにおっしゃいました。議事録で確認したんですけれども、目的税ですから、お預かりしたお金は、年金、医療、介護と子育てだけなんです、目的税の意味というものをぜひ御理解いただきたいというふうにお答えになったんですね。
 そこで、改めて確認したいんですが、目的税の定義は何でしょうか。
○安住財務大臣 いわゆる目的税について明確な定義があるわけではございませんが、従来から、特定の経費に充てることを目的として課される税であって、税法上、その使い道、使途が特定されているものを目的税と整理しております。
○佐々木(憲)委員 消費税については、国税分については、一般会計の予算総則で、後期高齢者医療、介護、年金の国庫負担分に充てられる、こういうことが書き込まれているわけです。一般会計予算総則第19条であります。
 しかし、今言われたように、消費税が税法で目的税というふうに決められているのかどうか、ここを確認したいと思います。
○安住財務大臣 今御指摘のように、平成11年だったと思いますが、そこからは予算総則で記載をされておりますけれども、予算総則記載は毎年の予算書に記載をするということであって、目的税ではございません。
○佐々木(憲)委員 そうすると、厳密に目的税という場合に、例えばどんなものがありますか。
○安住財務大臣 現在、国で行っています税の中で、いわゆる目的税に該当するというものは、発電施設の設置、利用の促進や電力供給の円滑化等のために課される電源開発促進税がそれに当てはまります。
 なお、地方税では、いろいろ、都道府県、市町村で目的税というものがあります。
○佐々木(憲)委員 要するに、消費税は目的税としては扱っていないわけでありまして、消費税が目的税だというふうに税法で書いてあるのを見せていただきたいと思っておりましたが、ないわけですね。
 したがって、この前、安住大臣は、消費税は目的税だ、目的税だ、こういうふうに言っていたんですね。これは間違いであるということは認めますね。
○安住財務大臣 いやいや、先生、総則上の今の消費税はそうではなくて、今回5%提案するものに関しては社会目的税化しますということを申し上げたので、そのことでもし誤解があれば、それは。
 今、現時点では、総則と私ははっきり申し上げていると思っておりました。
○佐々木(憲)委員 税法上に消費税は目的税というふうに書かれていない。そうすると、消費税は目的税にこれからなるんですか。
○安住財務大臣 目的税化いたします。
 ですから、今私が定義を申し上げたのは、いわゆる目的税とは何ぞやということを先生にお話をしましたが、これに当てはめれば、消費税というものは四経費に充たるということになりますので、税法上この使い道を特定しておりますから、これは目的税ということになります。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、消費税は四経費に充てるということになるわけですね。
 そうすると、四経費は総額幾らで、これを全部消費税で賄ったら、消費税は何%になりますか。
○安住財務大臣 急なことでございますが、現時点で、たしか、ちょっと後で間違っていたら訂正いたしますが、34兆円ほどですね、4・8かな。これを消費税で充当するといっても、これは全部を全部消費税で充当するということではございません。
○佐々木(憲)委員 要するに、目的税化というのは、特定の目的のために、その財源を全てそこに充てる、そういう対応関係があるのが目的税なんですよ。そうでしょう。ところが、四経費に充てるといっても、全額充てるわけじゃないんだ。結局、四経費に全額を充てますと13%、実際にはそれ以上になると思うんですけれども。こういうやり方というのは、今提案されているのは目的税ではないんですよ。
 目的税というのは、特定の目的の経費を全額ある税金で見る。例えば、先ほども若干紹介がありましたけれども、地方道路税、電源開発促進税、自動車取得税、軽油引取税、こういうものが、対応関係が明確で、そういう形になっているわけであります。
 では、財務省は消費税を福祉目的化と呼んでいますね。目的税にしますというふうには言っていないと思うんですけれども、何で福祉目的化という言い方をしているんですか。
○安住財務大臣 ですから、目的税については明確な定義があるわけではないんです。今、先生が言った話は……(佐々木(憲)委員「最初に定義を言ったじゃないですか」と呼ぶ)だから、私が申し上げているのは、再三繰り返しますけれども、特定の経費に充てることを目的として課される税であって、税法上、その使い道が特定されるものを目的税と整理をしているわけです。税法上にこれを明記するということです。
 ですから、その点でいえば、私ども、何ら、そういう意味では、先生に御指摘されるようなことではないのではないかと思っております。
○佐々木(憲)委員 それは違いますね。目的税というのは、そういうでたらめなものではないはずなんです。特定の目的のために特定の税金が、対応関係が極めて明確で、そういうものをいうわけでありまして、だから、今まで目的税というふうには言わなかったんだ、福祉目的化というような言い方をしていた。
 したがって、目的税、目的税というふうに言うこと自体がおかしい。最初に安住さんが言った厳密な定義からいっても、そうなっていないじゃないですか。しかも、目的税、目的税と言うと、何か消費税は全部社会保障に充てるんだみたいな、実は違うんだけれども、そういう形で国民に対して増税を押しつける、そのための言い方だ。
 私は、こんな国民をだますようなやり方はやめるべきだというふうに思いますよ。
 次に、医療機関と消費税の問題についてお聞きしたい。
 基本的なことを確認したいんですが、医療費に消費税はかかりますか。
○安住財務大臣 いわゆる非課税分野がほとんどでございます。
○佐々木(憲)委員 なぜ非課税なのか、理由を説明してください。
○安住財務大臣 過去の例からいうと、政策的配慮でございます。
○佐々木(憲)委員 どのような政策的配慮ですか。
○小宮山厚生労働大臣 社会保険診療は国民に必要な医療を提供するという高度の公共性を持つことから、社会保険診療報酬の消費税は非課税とされています。
○佐々木(憲)委員 では、医療機関が物品を購入したり設備投資をしたときに消費税を負担しますね。その消費税は誰が負担するんでしょうか。
○小宮山厚生労働大臣 診療報酬で仕入れに要した消費税負担分を措置し、医療機関の負担ができる限り生じないように対応してきています。
○佐々木(憲)委員 診療報酬に上乗せするということなんですけれども、医療機関の負担は、この消費税負担分、全額その分が診療報酬に上乗せされているのか。これは、そうなっていないというのが医療関係者の声ですね。
 中でも、病院の増設とか改築、改装、MRIなどの高度医療機器への設備投資、これはもう当然消費税がかかってくるわけですから。額も大変大きい。これは全て診療報酬で補填されていると言えるんですか。
○小宮山厚生労働大臣 診療報酬で手当てはしていますが、具体的には、消費税の導入、引き上げに伴う平成元年、平成9年の診療報酬改定で、仕入れに係る消費税負担が大きいと考えられる点数を重点的に引き上げました。それ以外の年度でも、物価、賃金の動向や保険財政の状況に加え、医療経済実態調査により消費税を含めた費用の動向を把握して、医療機関の経営状況等も勘案して全体の改定率を決定しています。
 ですから、お尋ねに対しては、全てということにはなっていません。
○佐々木(憲)委員 ですから、消費税が医療機関に大変大きな負担になっているわけであります。
 診療報酬というのは、もともと医療行為に対して対応するものですよね。それもまともに補填されていないということで、今医者の方から大変大きな批判が上がっているわけです。その上に、建物、設備、こういう高額な投資にかかった消費税の負担を手当てする、そういう仕組みにはなっておりません。みずから医療機関が負担せざるを得ない。そのために、日本医師会、保険医協会などの医療関係団体から、多額の損税が発生しているという指摘があると思います。そのとおりですね、大臣。
○小宮山厚生労働大臣 医療関係者からは、仕入れの際の消費税のうち、特に高額な設備投資を行った場合の消費税負担に対する手当てが不十分であり、医療機関の持ち出しになっているとの指摘があることは承知をしています。
○佐々木(憲)委員 だから、これが大変大きな問題なんですよ。
 実際に医療機関がどれくらい消費税を負担しているか、それに対して診療報酬でどれくらい補填しているか、今年度予算の見積もりを示していただきたいと思います。
○小宮山厚生労働大臣 医療機関が医薬品や医療機器等を仕入れる際に支払う消費税分については、満年度ベースで、平成元年には消費税3%の導入に伴うプラス0・84%の改定、平成9年には消費税3%から5%への引き上げに伴うプラス0・77%の改定を行い、仕入れに係る消費税負担が大きいと考えられる点数を重点的に引き上げることにより、保険医療機関での消費税負担ができる限り生じないように措置をしてきました。
 また、それ以外の年度の改定でも、物価、賃金の動向や保険財政の状況に加え、医療経済実態調査により消費税を含めた費用の動向を把握して、医療機関の経営状況も勘案し、全体の改定率を決定してきています。
 ですから、消費税負担のみに着目をした予算の見積もりということは行っていません。
○佐々木(憲)委員 見積もりがないということは、実際にどうなっているのか、消費税についての医療機関の負担、それから、補填がどの程度行われているのか、それを把握していないということなんですけれども、なぜそれをやらないんですか。
○小宮山厚生労働大臣 政府としては、これまで、全部ではございませんが、診療報酬で対応しているため、医療機関全体で見ると損税は発生していないという認識なんですが、中医協の検証の場で、過去の対応についてもこれから検証をすることにしています。
 御指摘の、日本医師会の平成22年度の推計では、医療機関全体の消費税損税が2330億円と試算が示されていますが、その試算方法や前提が明らかにはなっていません。
 いずれにしましても、過去の診療報酬での対応も含めまして、中医協の検証の場などで、実態把握も行いつつ、今後の対応を検討していきたいと考えています。
○佐々木(憲)委員 対応しているはずだというような答弁ですけれども、先ほど答弁がありましたように、診療報酬では十分補填されていないとみずからおっしゃったじゃないですか。
 その場合に、どの程度消費税が現実に医療機関の負担になっていて、診療報酬でそのうちのどの程度を負担しているのか、これを調査するのは当たり前だと思うんですけれども、今後調査していただきたいと思いますが、いかがですか。
○小宮山厚生労働大臣 平成23年6月に実施しました、これは抽出調査なんですけれども、医療経済実態調査で、直近の1年間の医業、介護の収支を見ますと、収支の差額の収入に対する割合は、医療法人の一施設当たりの平均で、一般病院はプラス4・8%、一般診療所はプラス5・8%になっています。
 また、医療経済実態調査は、抽出調査で、全国の全ての医療機関の経営状況を把握するものではありませんが、損益率がマイナス、すなわち赤字であった施設の割合は、国公立を除く一般病院がおよそ28%、医療法人の一般診療所はおよそ31%でした。
○佐々木(憲)委員 ちょっと質問とずれていますね、答弁が。私の次の質問に対する答えが今言われた答弁なんです。
 日本医師会の推計によりますと、全国の医療機関で、実際に消費税の負担は8千億円ぐらいなんですよ。そのうち2千億円程度が損税となっている。先ほど2330億円と言われましたね。これは、実際には、医療費の2・2%に相当する額の消費税を負担しておりまして、診療報酬による手当ては1・53%にすぎない、差額の0・67%が2330億円、こういうことになるわけですね。だから、医療機関の持ち出しは大変大きいわけです。2300億円といういわば持ち出し、自己負担、そういう形になっているわけであります。これは大変大きいんですよ。
 これだけ医療機関が負担すると、現に、今答弁がありましたように、民間の病院の赤字、診療所の赤字というのは大変なものでありまして、民間病院の場合は28%で、診療所が31%の赤字ですね。それだけ赤字経営が広がっている中で、これはもう本当に大変な負担になるわけです。
 日本政策投資銀行の資料によりますと、公的な病院も大変な危機にありまして、自治体病院の経営も厳しい。こういうときに消費税の増税負担がかぶれば病院の経営が成り立たなくなる、こういう悲痛な声が地域の医療機関から上がっております。それが実態じゃありませんか。
○小宮山厚生労働大臣 それは、先ほどもお答えしたように、そういう実態があるという声があることは承知をしています。
○佐々木(憲)委員 だから、消費税の増税なんというのはこういうときにやっちゃいけないんですよ。
 実際に消費税を増税した場合の医療機関の消費税の負担というのはどのぐらいになるんですか。
○小宮山厚生労働大臣 負担がどれくらいになるかということも含めまして、中医協のもとに医療関係者、保険者、有識者などによる検証の場を設置することにしていますので、そこで、その実態も含めて具体的な対応について検証をしていく予定にしています。
○佐々木(憲)委員 どうなるかもわからないようなことで増税だけ先行させるというのは、とんでもない話であります。
 消費税負担について、増税した場合、一体どうするつもりなんですか。
○小宮山厚生労働大臣 それは、今申し上げました検討の場で、過去の消費税導入、改定時の対応とか経緯を検証すること、医療機関等における消費税課税の状況を把握すること、消費税引き上げに対する診療報酬制度などでの対応ということで、診療報酬の制度の中でどうした対応ができるかを含めて、この検証の場で考えていきたいと思っています。
○佐々木(憲)委員 ということは、消費税の増税分、つまり、持ち出し分も含めて全額医療機関には負担をさせない、その面倒を見る、こういうことをやろう、そういうことでよろしいんですね。そういうふうにやるんですね。
○小宮山厚生労働大臣 何度も同じ答えで恐縮ですけれども、皆様に集まっていただいた検証の場でそうしたことを検討させていただいて、どれだけ診療報酬の中でカバーできるかということも含めて検討していきたいというふうに考えています。
○佐々木(憲)委員 どれだけ見られるかわからない。全額見ると何で言わないんですか。
 財務大臣、全額見ると言いなさいよ。財務大臣。
○小宮山厚生労働大臣 今回の一体改革では、これまで行ってきた措置を、今申し上げたように、検証を行います。そして、医療機関などで行う特に高額の投資の消費税負担に関しましては、新たに一定の基準に該当するものに対して区分して手当てを行うことを検討して、医療機関などの仕入れに係る消費税について、診療報酬などの医療保険制度で手当てをすることにしています。
○佐々木(憲)委員 その場合の、一定の基準というのは何なんですか。区分して措置をするというのはどういうことですか。定期的な検討というのはどういうことですか。
○小宮山厚生労働大臣 今回の改正に当たりましては、社会保険診療、これは諸外国でも非課税であることや、課税化した場合の患者の自己負担の問題などを踏まえまして、今回、非課税としているわけです。
 そのときに、医療機関などの行う高額の投資に係る消費税負担に関して、新たに一定の基準に該当するものに対して区分して手当てを行う。
 その一定の基準とか区分等をどうするかということにつきましても、この検討会の中で具体的に検討していくことにしています。
○佐々木(憲)委員 一定の基準の内容もこれから検討する、区分するということもこれから検討する。何もわからないじゃないですか、それでは。しかも、消費税全額を、持ち出し分を補填するとも言わない。これでは、消費税増税をやって、医療機関を潰すようなものですよ、やっていることは。こういうやり方は、私は到底認められない。
 大体、この増税法案を見ますと、わけのわからぬことをいろいろ書いているわけです、今のような。例えば、
 医療機関等における高額の投資に係る消費税の負担に関し、新たに一定の基準に該当するものに対し区分して措置を講ずることを検討し、医療機関等の仕入れに係る消費税については、診療報酬等の医療保険制度において手当をすることとし、医療機関等の消費税の負担について、厚生労働省において定期的に検証を行う場を設けることとするとともに、医療に係る消費税の課税の在り方については、引き続き検討する。
何にもこれは、具体的な中身は入っておりません。
 全額負担すると国は言わない、診療報酬で全額見るとも言わない。それでこんな曖昧なことを書いて、倍に引き上げたら、負担が倍になるじゃありませんか。医療機関はばたばたばたばた潰れていく。そういうことを何でわざわざやらなきゃいけないんですか。消費税増税になると、結局、そういうことになるんじゃありませんか。
○安住財務大臣 私も、こういう指摘を受けてから、例えば国立病院なんかでのMRIとかCT、こういうのは大体どれぐらいで購入しているのかということをちょっと調べてもらっております。
 MRIだと、大体4千万から、いいもので1億数千万、CTだと、3千万から大体6千万ぐらいかかりますと。これが建物代等になってくると、新しく病院を建設したりですね。
 多分、先生の御指摘は、そういうのを入れてクオリティーの高い医療を提供しようとすれば、その分、消費税の負担が大きくなると。一方、設備投資をしなければ、それはかからないわけですよ。(佐々木(憲)委員「いや、違うんだよ。国が消費税を全部見ればいいんだよ」と呼ぶ)いや、国がというのは、ちょっと……(佐々木(憲)委員「診療報酬で全部見れば」と呼ぶ)いやいや、まあ、ちょっと話を聞いていただくと……
○中野委員長 二人だけでそこでやらないでください。
○安住財務大臣 そうですね。
 それで、要するに、厚労省が申し上げているのは、この二回の引き上げの中で、診療報酬でやりますと言ったけれども、今そういう御指摘もあるわけですよ、団体も含めて。大変厳しくて、今の体系の中ではなかなかカバーし切れない部分があると。そういうことだから、厚労省としては、実態調査をもう一回ちゃんとやって、その上で、診療報酬でカバーできるところ等についてもう一回しっかり検討しますということだと私は理解しておりますから、専門家の皆さんの議論にまちたいと思います。
○佐々木(憲)委員 実態調査を今までやってこなかったこと自体が問題なんだよ。
 しかも、これからやると言って、では、やって、これだけの負担が医療機関にかかっておりますということが明確になった、例えば2千億円かかっている、これは損税だと。だって、患者に負担させるわけにいかないんですから、非課税ですから。
 そうすると、その2千億円分を全額診療報酬で穴埋めします、調査の上、そうしますというならまだ話は多少はわかるけれども、全額穴埋めすると言えないんでしょう。ちゃんと言ってください。
○安住財務大臣 ですから、区分をきちっとして手当てを行うことを検討すると先ほどおっしゃったので……(佐々木(憲)委員「検討だけじゃないか」と呼ぶ)でも、検討するために資料が必要ですから。
 ただ、もっと言えば、先生、例えば個人病院なんかもそうですけれども、全体の、もちろん、5%引き上げに対することに関して言えば、先生の御指摘もありますし、例えば5%が経営の御負担になるというふうなこともあるので、今のままでいいということではないわけです。厚労省もちゃんとそこは、専門家を設けて、言ってみれば、どれぐらいの負荷がかかっているかを調査して、診療報酬でどういうふうなサポートをするかということを考えるということですから、これは前向きだと理解していただいていいのではないかと思います。
 一方で、ほかの業界と違って、私がまたこれを言うと、ちょっと医師会の皆さんはむっとくるかもしれませんが、概算経費率なんかでは、所得税や法人税は、全く、ほかの団体なんかと比べて、お医者様に関しては特例措置をしているわけですから、そういうことも総合的に考えていただきたいというのも一つあります。
○佐々木(憲)委員 そういうことを言っても、消費税の増税で持ち出し分が倍になる、それを何とか全部埋めると言えない、それが一番問題なので、何か医者は優遇されているみたいな話を今しようとしたけれども、とんでもない話だ。大体、さっき、病院の赤字がこれだけあると言ったじゃないですか。そういう状況で、さらに負担をふやすような消費税増税なんというのは、私はこれは到底認めることはできません。
 今、医療関係団体は、消費税のゼロ税率化を要望しておりまして、非課税をゼロ税率にすると、負担した消費税分は還付金として戻ってきて、それで帳消しになる。ゼロ税率の導入、これはどういうふうに考えていますか。
○安住財務大臣 導入は考えておりません。
○佐々木(憲)委員 ですから、私は、この答弁で、すっかり今の政府の姿勢がばればれだと。
 消費税増税して、それで医療機関を潰しても当たり前だというような姿勢は、絶対に我々は認められない。医療の崩壊をみずから招くようなことをやろうなんというのは、とんでもないですよ。そんなことを、何か当たり前に、やって当然だみたいな、その姿勢に根本的な問題がある。
 今、消費税を含む一体改革の法案を採決して、やろうなどという話があるけれども、とんでもない。大体、70数%の国民は今すぐ採決には反対だと言っているんですよ。賛成なのは十何%ですよ。
 そういうことで、時間が来たからきょうはこのぐらいで終わりますけれども、この次、またじっくりやります。
 以上で終わります。

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