2012年03月23日 第180回 通常国会 財務金融委員会 【669】 - 討論
保険業法改定案に対して反対討論
2012年3月23日、財務金融委員会で、保険業法改定案が日本共産党以外の各党の賛成で可決しました。
この日の委員会で、佐々木憲昭議員は質問と討論に立ちました。
保険業法改定案は、海外の子会社を買い取ったり、保険契約を自由に分割し、他社に移すこと等を可能にします。
反対討論に立った佐々木議員は、合併・買収や経営合理化のためだと強調し、「消費者や契約者の利便性は向上せず、権利を侵害する」と批判。
保険契約移転は、「保険契約者を強制的に別の保険会社に移転させることになり、認められない」と述べました。
保険契約は保険会社の信頼度や代理店・営業者への信頼で決まるもので「一方的に保険会社がかわることはあってはならない。切り売りを促進する規制緩和には反対だ」と主張しました。
生命保険契約者保護機構への政府補助を延長することについては「保険会社の破綻処理と契約者保護は保険業界の責任を負担で行い、現行法の適用期限で廃止すべきだ」と述べました。
議事録
○佐々木(憲)委員 日本共産党を代表し、保険業法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
反対する第一の理由は、盛り込まれた規制緩和の項目が、MアンドAの促進や保険会社のグループ経営を合理化するためのものであって、消費者や保険契約者には利便性の向上が全くなく、むしろ権利を侵害する内容であるからです。
保険契約の移転に関する単位規制の撤廃が行われれば、保険会社の勝手な経営判断によって、保険契約を分割し、他の保険会社に売ることができるようになります。保険契約者にとっては、契約していた保険会社が強制的に別の保険会社に移されることになり、認められるものではありません。
多くの人々は、保険会社の信頼度、代理店、営業者への信頼で保険契約を決めており、一方的に保険会社がかわることがあってはならないことであります。このような切り売りを促進する規制緩和には反対であります。
その他の規制緩和の内容も、保険契約者の保護を軽視し、保険会社の経営の効率性、収益性ばかりを追求するものとなっており、到底、賛成できるものではありません。
第二の理由は、生命保険契約者保護機構に対する政府補助の延長の問題です。
保険会社の破綻処理と契約者保護は保険業界の責任と負担で行うべきであり、現行法で決められた適用期限で廃止すべきであります。
以上の理由から、本保険業法等の改正案には反対といたします。