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税制(庶民増税・徴税) (大企業減税, 証券優遇税制)

2011年06月15日 第177回 通常国会 財務金融委員会 【615】 - 討論

所得税法「改正」案を可決 佐々木議員が反対討論

 2011年6月15日、大企業・大資産家優遇の研究開発減税や証券優遇税制の延長などを盛り込んだ所得税法「改正」案が、財務金融委員会で民主、自民、公明など各党の賛成多数で可決されました。反対したのは日本共産党だけです。
 この法案は、民主、自民、公明の3党が政府案から6月末で期限が切れる租税特別措置などを切り離した新法として提出されたものです。

 反対討論で佐々木憲昭議員は、(1)研究開発減税の延長や産業活力再生法、企業立地促進法などの減税措置が一部大企業に多大な恩恵をもたらす大企業優遇措置となっている、(2)大資産家に恩恵が集中する証券優遇税制を延長しようとしている、(3)税務署の権限を一方的に強め、納税者の権利を侵害する罰則強化が盛り込まれている、と指摘。
 「大震災によって経営に甚大な被害をこうむった中小零細企業や個人にこそ税制の支援を強めるべきだ」「国際的にも例を見ない大資産家優遇の証券優遇税制は廃止すべきだ」と主張しました。

 この日、討論・採決に先立つ質疑で、佐々木議員は、証券優遇税制は廃止すべきだと主張しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党を代表して、現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案に反対の立場で討論を行います。
 反対する第一の理由は、研究開発減税の延長や産業活力再生法、企業立地促進法などに基づく減税措置が、一部大企業に多大な恩恵をもたらす大企業優遇措置となっているからであります。250兆円という空前の内部留保をため込んだ日本の大企業に、税制の支援は必要ありません。リーマン・ショック後の経済危機から立ち直るその間もなく、大震災によって経営に甚大な被害をこうむった中小零細企業や個人にこそ、税制の支援を強めるべきであります。
 第二の理由は、大資産家に恩恵が集中する証券優遇税制をさらに延長しようとしていることです。そもそも民主党政権は、所得税制の改革によって所得再分配の機能や財源調達機能を回復させる、こういう方針を持っていましたが、一体それはどこに行ったんでしょうか。
 所得1億円を超えると所得税の負担率が大きく低下するなど、所得税の累進構造は崩されてきましたが、その主な要因が、株の配当や譲渡益の税率を軽減してきた証券優遇税制にあることは、政府も認めてきたところであります。国際的にも例を見ない大資産家優遇となっている証券優遇税制は、本年12月の期限をもって予定どおり廃止すべきであります。
 第三の理由は、納税者の権利を侵害する罰則の強化が盛り込まれているからであります。故意の申告書不提出あるいは消費税等の不正還付の未遂などが刑罰の対象とされますが、それを認定するのは税務署の側です。極めて恣意的な判断で、納税者が犯罪人にされる懸念があります。このような税務署の権限を一方的に強める罰則強化には反対であります。また、事業設立後の消費税免税業者の要件を厳しくする改悪も、合理的な理由はなく、賛成できません。
 他方、法案には、中小企業に対する法人税率引き下げ措置、漁業、農業で利用するA重油の石油石炭税免税措置、雇用促進税制、NPO税制の拡充など、賛成できる内容も含まれております。
 しかし、以上述べた理由から、本法案には反対をいたします。

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