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税制(庶民増税・徴税), その他 (消費税, 政府系金融機関, 災害支援)

2011年04月19日 第177回 通常国会 財務金融委員会 【601】 - 質問

原発輸出促進法案に厳しく反対 消費税増税で復興財源をまかなうのはやめよと追及

 2011年4月19日、民間企業の原発輸出を資金面で後押しする国際協力銀行法案が、財務金融委員会で、民主、自民、公明各党の賛成で可決されました。

 佐々木憲昭議員は、採決に先立つ質疑で「原発事故発生前の発想を切り替えよ」と厳しく批判しました。
 この法案は、日本政策金融公庫に統合されている国際協力銀行を分離・独立させるとともに、原則途上国向けに限られていた輸出金融の対象を広げ、大企業による原発などのインフラの海外輸出を資金面で後押しする仕組みになっています。
 佐々木議員は、原発問題では菅直人総理大臣が「従来の先入観を白紙に戻して事故を検証する」と述べ、枝野幸男官房長官が「検証の結果にもとづいて今後の原子力政策は一から議論する」と表明していることを指摘しました。
 そのうえで「政府も白紙で見直すという原発をそのまま外国に売り込む体制をつくるのはつじつまが合わない」とただしました。
 野田佳彦財務大臣は「原発(輸出)交渉は事実上凍結状態になるかもしれないが、制度は担保しておく」などと答弁しました。
 米国でも東芝が受注した原発の建設計画が一部中断していることを示し、佐々木議員は「少なくとも検証の結論が出るまでは輸出促進を中止すべきだ」と迫ると、野田大臣は「(各国の判断を)注視したい」などと答えました。
 佐々木議員は「福島原発の事故の重大性を受け止めていない」と厳しく批判しました。



 質疑の冒頭、佐々木議員は、「政府 消費税3%上げ検討」(「読売」19日付)と報道されている問題をとりあげ、庶民に負担増を押し付けるのはやめて、予算のムダや大企業・大資産家優遇にこそメスをいれるべきだと主張しました。
 この記事では、「(政府が)東日本大震災の復興財源を確保するため、消費税を早ければ2012年度から3年間限定で3%引き上げ、8%とする方向で検討に入った」と具体的に記されています。
 野田佳彦財務大臣は「どの税金を何%上げると確定的に決めていることはまったくない」と答弁しました。
 佐々木議員は「消費税引き上げを復興財源にというやり方には反対だ」とクギを刺し、財源というなら、法人税減税や証券優遇税制の見直し、所得税の最高税率の引き上げ、「思いやり予算」や政党助成金の廃止こそやるべきだと指摘。「財源といったら消費税しかないという単純な発想はやめるべきだ」と強調しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず、野田大臣に確認をしておきたいと思いますが、大臣は、この委員会でたびたび、大震災の後は、震災の前までの発想をそのまま引き継ぐのではなくて、発想を大胆に切りかえなければならない、こういう発言をされておられます。その意味をまず確認しておきたいと思います。
○野田財務大臣 特に私の場合は財政を担当しておりますので、震災前に持っていた発想のもとで予算や税制の措置をとってまいりました。
 でも、この未曾有の大震災を受けまして、この復旧復興が日本にとっては最優先である、最優先は復旧復興だ、そういう優先順位の中で後の政策を考えていくという意味で、変わったというふうに申し上げております。
○佐々木(憲)委員 そこで、法案の審議に入るわけですが、提案されております法案は、現在、日本政策金融公庫に統合されている国際協力銀行、JBICを分離独立させて投融資機能を強化する、こういうものであります。
 改正の最大のねらいとして、インフラの海外輸出を資金面で後押しするということで、その場合に、パッケージ型インフラ海外展開支援、こういう言葉で言われていますが、その分野はどういう分野を想定しているか、御紹介をいただきたい。
○中尾政府参考人(財務省国際局長) お答え申し上げます。
 成長戦略等の関係で、パッケージ型インフラの海外展開を促進していこうということでございますけれども、これまで、特にパッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合というものも持っておりまして、この中で議論されてきた内容は、原子力発電、鉄道、水事業、高効率石炭火力発電、石炭でございますが、等について議論を行ってきておるところでございます。
 実際、JBICの先進国向けの投資金融というのは、先進国向けは政令で定めたものしか行われないことになっておりますけれども、新成長戦略というのを踏まえて、巨額、長期のインフラ分野であって国際協力の観点から特に支援しなきゃいけないということで、原子力発電、鉄道、水事業、再生可能エネルギー、それから火力発電等、今まで十の項目について、投資金融については指定してきておるところでございます。
○佐々木(憲)委員 今、事例として真っ先に挙げられたのが原子力発電所というものでございますが、従来は原則途上国向けに限定ということでありましたが、今回はこの輸出金融を先進国も対象にするということで、対象地域を広げるということですね。それから、原発をそれに含めまして先進国向け輸出金融を解禁するということになると思うんですが、なぜ原発をそこに重要分野として含めて解禁するのか、この理由を説明していただきたいと思います。
○中尾政府参考人 今まで投資金融ということで、現地に企業がつくられたところに資金支援をしていくということで、先進国向け、政令で十の分野を指定してまいりましたが、今先生おっしゃいましたように、先進国向けの輸出金融に関しましては、今まではマッチングという、競争相手が特に条件を出してきたときにそれに合わせて出すという非常に例外的な、今まで余り使っていないわけですけれども、それを除いて、法律上一切禁止されていたわけですね。それを船舶やさまざまなパッケージ型インフラ関係の輸出に関して今後支援できるようにしようというのが、法律改正の眼目でございます。
 どのような分野にそれを認めていくかということは政令で決めることになっておりますけれども、その中身については、先ほど申し上げたのは投資金融で、原子力も入ってございますけれども、輸出金融の方については、投資金融の例も踏まえながら、あるいは船舶なんかはパッケージ型インフラではありませんけれども、やらなきゃいけないということで、これから議論していくことになろうかと思います。
○佐々木(憲)委員 そこで、今度は大臣に確認をしたいんです。原発についてなんですけれども、今回の大震災で東京電力福島第一原発が重大な事故を起こして、それがまだ収束もしておりません。
 昨日、参議院の予算委員会がありまして、菅総理大臣の答弁を聞いておりますと、安全性を大事にしながら原発を肯定してきたが、従来の先入観を白紙に戻して事故を検証する必要がある、それから、何か決まっているからそのままやるんだということにはならない、こういうふうに答弁をされたわけですね。
 隣に座っておられたと思うんですが、野田大臣もお聞きをしていると思いますけれども、これは間違いないか、それから、野田大臣も同じ考え方なのか、これを確認しておきたい。
○野田財務大臣 佐々木委員御指摘のとおりの答弁を総理がされていましたことを、総理の後ろで聞いておりました。
 この趣旨は、福島第一原発の事故対策について、事態の収束に全力を挙げなければいけないという御認識と、そして、事故の原因については徹底して検証を行う必要があるという趣旨でありまして、その趣旨については、私も基本的には同じ考えでございます。
○佐々木(憲)委員 4月15日の枝野官房長官の記者会見でも、今回の事態を受けて、事態がある程度収束した段階でしっかりとゼロベースで検証を行う、その検証の結果に基づいて今後の原子力政策、エネルギー政策については一から議論すべきだと思っていると。同じ趣旨だと思います。そういうふうにお話をされているようでございます。
 そうしますと、震災の後は、やはり従来、原子力発電を外国に売り込む、そういう発想を前提として、この法案も実は震災前につくられた法案であります。それを見直さずに、そのまま提案をされているわけです。
 昨日、参議院の予算委員会で東電の清水社長のお話を聞きますと、原発輸出はどうかと問われまして、原発輸出はやらない、今は国内に力を集中しなきゃならぬ、そういうような発言もされていたわけですね。
 要するに、政府は、従来の原発のあり方については、政策について白紙でもう一度見直す、そういう状況なわけですから、国内で白紙に戻して検証するという対象を、そのまま外国に今までどおり売るんだということを前提として、それを促進する体制をつくる、これはつじつまが合わないと私は思うんです。どのようにお考えでしょうか。
○野田財務大臣 総理の御発言とか官房長官の御発言というのは、今回のこういう原発事故、この事態の収拾に全力を尽くすということと、なぜこんなことが起こったのか、想定外という話がずっと出てまいりましたけれども、過去のいろいろな議論も踏まえて徹底した検証を行って、その後に今後の日本のエネルギー政策を考えておこうということが趣旨でございます。
 当然、この我々の動きについては世界各国も注目をしていますし、各国の原子力政策がどうなるかということにもいろいろな影響があると思います。その動向も見守っていかなければいけないというふうに思います。
 ただ、それは基本的には、エネルギー政策についてはそうでありますけれども、一方で、パッケージ型のインフラ輸出を推進するという、この制度改正は大事であって、その中で、原発の関連でも交渉過程のところがいろいろあります。それをすべてストップしてもとに戻すという話ではなくて、現時点では、ほかの分野はどんどん推進をするけれども、原発については、今の東電のお話もありましたとおり、事実上は凍結状態になるかもしれませんが、制度としては一応担保しておく、そういうことで、決して矛盾する話ではないというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 私は、原発を入れてパッケージというふうに言うこと自体に問題があると思っておりまして、交渉の過程にあるものもあるとおっしゃいましたが、ちょっと確認をしておきたいと思います。
 例えば、財務省から出された資料によりますと、JBICが関与しているプロジェクトとして、トルコ、米国、ベトナム、ヨルダン、この四カ国が挙げられております。その一つに、アメリカ・テキサス州にあるサウス・テキサス・プロジェクトという原発があります。東芝が受注して東電が出資する140万キロワット級の改良型沸騰水型の炉でありますが、これを二基増設するという計画です。
 福島第一原発の事故を受けまして、事業認可関連の手続を除く作業を停止して、原発増設そのものが凍結される可能性も出ている、こういうふうに報道されていますが、これは事実でしょうか。
○中尾政府参考人 お答え申し上げます。
 確かに、この事業実施主体、テキサスの東南部で原発プロジェクトを行っております主体がNINAというところでございます。ニュークリア・イノベーション・ノースアメリカというところですが、ここは、NRGエナジーというアメリカの独立の発電会社が88%、あと東芝が12%出しておるところです。
 ここが一緒につくりましたこのNINAが発表したプレスリリースによりますと、米国原子力規制委員会等が日本の原発事故の教訓を評価する時間を確保できるよう、当面、連邦債務保証の申請と事業認可の取得に限って作業を進めていく。報道によれば、設計や部品調達等は当面ストップしているということでございます。
 他方で、このプレスリリースによれば、プロジェクト全体のスケジュールは変更していないというふうに承知しております。
○佐々木(憲)委員 このアメリカの原子力規制委員会による原子力発電所の安全性に関する包括的検証次第では、運転開始がおくれるという可能性も出てきているということでございます。トルコの場合も、改良型沸騰水型炉、プラントを建設予定です。これは福島原発と同じなんですけれども、原発事故を受けまして、交渉期限を延長しているというふうに聞いております。
 今回のこの大変深刻な原発の重大事故、これを受けまして、やはり、今までの原発推進政策というものが根本的に見直されようとしている時期ですね。国内的にも、ゼロベースから従来の政策を見直そうと。国際的にも、これを受けまして、計画そのものをもう一度検証してみたい、こういう動きになっている。そういうときに、従来の原発肯定の発想のもとで予定していたそういう原発促進政策、これを後押しするというようなことは、やはり今の状況では矛盾を来していると私は思います。
 従来の発想を震災後は根本的に見直すということをおっしゃっているわけですから、したがって、原発そのものについても、やはりこの際、重点政策から一度、政府自身が白紙から見直すというわけですから、少なくともその結論が出るまでは輸出促進政策を中止する、こういう立場に立つのが当然だと思うんです。いかがでしょう。
○野田財務大臣 注視する、ストップじゃなくて、注目して見る、注視するという形で臨んでいきたいというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 同音異義で、私が言っている言葉と全く違う内容のお話をされました。
 私は、この原発事故の重大性を十分に受けとめていないんじゃないか、そういう言い方をされるということは。これはやはり、今、これだけ被災者がいて、原発の不安が広がり、そういう中で、日本の政策を見直そうという政府の見解がある中で、輸出だけはどんどんやりますよというのでは、これはつじつまが合わないということを指摘しておきたいと思います。
 私は、根本的に政策そのものを見直すというわけですから、原発からの脱却、自然エネルギーを中心とした再生エネルギーに対してもっと積極的に取り組み、原発を自然エネルギーに置きかえていくという計画的な原発からの脱却の方向を示すというのが本来の姿であり、検証して、結論も出ないのに、外国にどんどん売り込む体制だけはつくる、これはもう反対であります。今回の法案については、私は、そういう意味では認めるわけにはいかないというふうに思っております。
 何かありますか。
○野田財務大臣 どんどん売り込むというよりも、大事なことは、我が国が、まだこれは憂慮すべき事態が進行中でありますけれども、この情報を的確に、正確に、迅速に各国にお伝えをしながら、それぞれの各国が御判断をいただくということが大事だと思って、情報の共有をしていくということが何よりも大事で、売り込むというよりも、我が国で今何が起こっているかということを含めて、各国がどう判断されるかということを注視していくという意味でございます。
○佐々木(憲)委員 最後に、通告していないんですけれども、ちょっと気になる記事がありましたので、財務大臣に確認しておきたいと思います。
 きょうの読売新聞ですが、一面トップで、消費税3%引き上げ検討というのが出ておりました。記事は、こういうふうに書いているんです。「政府は18日、東日本大震災の復興財源を確保するため、消費税を早ければ2012年度から3年間限定で3%引き上げ、8%とする方向で検討に入った。国民に幅広く負担を求め、復興を推進するのが狙いだ。」こういうふうに書かれておりまして、3%引き上げで約7・5兆円を確保できる、3年間で復興に必要な支出の大半を賄えることになると。
 これは私はびっくりいたしまして、消費税3%という数字まで出ておりますし、しかも、御丁寧に、税率引き上げで被災地の住民が困るんじゃないかというようなことを念頭に置いてか、「被災地の住民については負担増を避けるため、税率引き上げ分の納税額を後から還付する仕組みを整える方向だ。」こういう説明までされまして、還付というのは、前の参議院選挙のときに、菅総理が盛んに還付という話をされていたのを思い起こしましたけれども、こんなことを具体的に検討しているんでしょうか。
○野田財務大臣 今は、第一次補正予算、復旧の予算づくりに専念をしています。第二次以降のその財源のあり方は、これは与野党の真摯な議論を踏まえて対応していこうと思います。
 したがって、どの税金を何%上げるということを確定的に決めていることは全くありません。きょう出ているその数字等々、政府で特に税金の部分、財政の部分を預かるのは私でありますが、全くそういう発想はしていません。
○佐々木(憲)委員 私は、消費税の引き上げを財源にするという発想には反対です。
 というのは、財源のつくり方というのはいろいろあるわけでありまして、例えば、先ほども竹本議員の質問にもありましたが、法人税の応分の負担の問題もありますし、証券優遇税制はどうするのか、それから、所得税の最高税率の引き上げというのは一体どう考えたらいいのか、そういう問題もあります。
 それから、歳出の面でいいますと、例えば思いやり予算なんて、あれは言葉が大体おかしいし、米軍にああいう形でお金を使うなら、それはもうやめて被災地に回しなさい、5年間1兆円もそんなものに使う必要はないというふうに我々は思っています。
 政党助成金だってそうですよ。身を削るというなら政党助成金を、毎年320億円あるんですから、それをやめて、返上して、復興財源に回す、そういうぐらいの覚悟を決めてやったらどうか。
 それから、ほかにもいろいろなことがあります。全部は言いませんけれども、何か財源といったら消費税しかないという単純発想、これはもうやめてもらいたいということを最後に言いまして、時間が来ましたので、質問を終わります。

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