金権・腐敗政治, その他 (閣僚等の疑惑, 関税・EPA(経済連携協定)・TPP, 農林漁業・食の安全)
2006年11月08日 第165回 臨時国会 財務金融委員会 【365】 - 質問
渡辺経産副大臣が身内企業から優先“返済”の疑惑/日本フィリピンEPAの関税法改定「工業製品の大手メーカーは利益、農家は被害を受け救済されない」
2006年11月8日、佐々木憲昭議員は、財務金融委員会において、経済産業省の渡辺博道副大臣の身内企業をめぐる資金疑惑が報道されたことを受け、事実関係をただしました。
渡辺経済産業副大臣が社長を務めていた千葉県松戸市のタクシー会社「渡辺交通」は、今年7月に、民事再生法の適用を申請しました。
同社は、この4年間、赤字経営が続いていたにもかかわらず、渡辺副大臣やその家族らに対し、「借入金の返済」などの名目で、約2億円を支出していたと報道されています。
佐々木議員は、「民事再生法に触れる可能性もある。副大臣としての適格性にかかわる問題だ」として、事実関係をただしました。
渡辺副大臣は、自分の後援会が会社と同じ住所にあることや、2001年まで同社の社長を務めていたことを認めました。
しかし、資金の貸し借りについて質問すると、「私の言動が裁判所での手続きに影響する恐れがある」として、答弁を拒否しました。そのため、委員会はたびたび中断しました。
次に、佐々木議員は、フィリピンとの経済連携協定を、実施に移す目的で提案されている関税法改定法案について質問しました。
この改定では、フィリピンから輸入するパイナップルや鶏肉などについて、一定数量まで無税か低税率を適用する関税暫定措置法改正案は、国内農家に被害を広げることになります。
財務省は、法案が成立すると「現状では輸入品の6割が無税だが、9割台が無税となる」と答えました。
佐々木議員は、フィリピンからの輸入の15%を占める農林水産品の一部が無税になるとすれば、国内農家は当然被害を受けることになる、と批判しました。
特に、いまでも低迷している沖縄のパイナップル農家の経営が大きな影響を受けることになります。
佐々木議員は、「新たな支援措置は考えているのか」と聞きました。これに対し、農水省の答弁は「従来と同様」とのべるにとどまり、新たな支援措置は考えていないことを明らかにしました。
佐々木議員は、「工業製品の関税率低下で、国内の大手メーカーは利益を得ることだけは明確なのに、他方で農家は被害を受け救済されることもない。こんな法案を認めるわけにはいかない」と反対を表明しました。
議事録
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
提案されました関税暫定措置法の一部を改正する法律案、これは、日本・フィリピン間の経済連携協定を実施するためのものであるということでございます。そこで、前提となります日本とフィリピンの間の通商関係を確認するため、きょうは渡辺博道経済産業副大臣に来ていただいております。
まず、質問に入る前に、渡辺副大臣に確かめておきたいことがあります。
昨日、私が質疑の答弁者として経産省に副大臣の出席を要請しましたら、渡辺副大臣は政務のため財務金融委員会に出席できない、こういうふうに言われまして、私は、国会に出て答弁するより重要な政務というのは一体何なんだろうということでお聞きをしたんですが、経産省は、それは答えられません、こういう話でありました。きょうは、その政務の間を縫っておいでいただいたということでございます。
それで、この重要な政務というのは、一体何のことなんでしょうか。
○渡辺(博)経済産業副大臣 お答えいたします。
きょうはきちんと出席しておりますので、それは、政務といっても、私は、その具体的な内容については、答えておりませんものですから、わかりません。
きょう出席していることを御理解いただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 よくわからぬ話ですが。
出席できないと最初言われたもので、何でだと言ったら、いや、政務があるからと。では、何の政務なのかと言ったら、わかりませんという話じゃ、きょう出席されていますから、その点はいいとして。
それでは、どうも私は、副大臣が、報道されている会社のトラブルで忙しかったんじゃないかという危惧を持ったんですが、渡辺副大臣が関係していた渡辺交通という会社ですね、ことし7月、24億円の負債を抱えて民事再生法の適用を東京地裁に申請したと報道されているんですが、これは事実ですか。
○渡辺(博)経済産業副大臣 事実です。
○佐々木(憲)委員 副大臣、この渡辺交通のどんな役員をいつからされておられましたか。
○渡辺(博)経済産業副大臣 1980……。ちょっと記憶があいまいで申しわけございません、突然の御質問でございますので。それをお許しいただきたいと思うんですが、1985年ぐらいだと思います。そして、2001年に取締役をやめておりまして、一切その後は交通との関係がございません。
○佐々木(憲)委員 社長を1985年からなさって、2001年までされている。その後、役員はされていませんか。
○渡辺(博)経済産業副大臣 私は、役員は2001年でやめております。
○佐々木(憲)委員 報道によりますと、この渡辺交通は、1990年から95年度に、渡辺副大臣から計6350万円を借り入れたと言われております。なぜ、その会社にそういう貸し付けをされたんですか。貸し付けの目的は何ですか。
○渡辺(博)経済産業副大臣 きょうは、そんなお話をするために私は来たわけじゃないんです。
これはどういうことなんでしょうか。私は、経済産業副大臣としてきょうは答弁に来たわけでありまして、個人的な問題になぜ私はこのような形で答えなくちゃいけないんでしょうか。少なくともこれは民事再生の事案でありまして、これは今審理しているところですよ、裁判所で。それをなぜここで答えなければいけないんですか。
○佐々木(憲)委員 それは、報道でいろいろ疑惑が指摘されているからであります。副大臣として適格性があるのかどうか、そこを確かめているわけなんです。
それで、貸し付けをされたということですが、貸し付けされたんですか。そのことを聞いているんです。
○渡辺(博)経済産業副大臣 この問題についてもお答えできません。
○佐々木(憲)委員 私が聞いているのは、この渡辺交通に副大臣自身が5年間で6000万円以上も貸したということなんですね。なぜそういう貸し付けをしなければならないのかということを聞いているわけです。それは当然御承知のことだと思うんですが。
○渡辺(博)経済産業副大臣 ぜひとも御理解をいただきたいんですが、現在、民事再生の最中であるということをひとつ御理解いただきたいと思います。
今、裁判所の中でその実態を審理している段階なんです。私が今申し上げることが裁判にも、裁判というか、いわゆる審理の段階でも影響するということを御理解いただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 国会は裁判所ではございませんで、政治的、道義的な問題を議論するのは当たり前のことであります。
その報道によると、貸付金を2004年度中に全額返してもらったと言われているわけです。つまり、過去に貸したお金が一昨年に全額戻ってきたと。この渡辺交通というのは、4年間連続赤字だった、だから今民事再生法を申請しているということなんですが。
この渡辺交通と同じ住所に渡辺博道事務所というのがあるんじゃありませんか。建物は同じですよね。
○渡辺(博)経済産業副大臣 はい、そのとおりです。
○佐々木(憲)委員 私が質問したことに答えていただきたいんですが、貸したお金を返してもらった、こういう関係はありましたね。
○渡辺(博)経済産業副大臣 私が何度も申し上げているとおり、現在、民事再生の手続の最中です。ここで答えた結果がいろいろな形で影響することはもう御理解いただけると思うんですよ。どうぞよろしくお願いいたします。
○佐々木(憲)委員 大体、私は、この民事再生法の問題でも極めて重大な問題があるのではないか。つまり、赤字の会社から以前に貸していたお金を返してもらったと。結構大きなお金ですよね。それから、2004年4月からことし7月の間に、渡辺副大臣の実父への死亡退職金、妻や長男、長女への役員報酬、妻が社長を務める別の親族会社への地代など、約1億2390万円が支出されている、これも事実ですね。
○渡辺(博)経済産業副大臣 この問題も、同じくお答えできません。
○竹本委員長代理 ちょっと速記をとめてください。
〔速記中止〕
○伊藤委員長 速記を起こしてください。
佐々木君。
○佐々木(憲)委員 先ほど、今民事再生法の申請をしている、それに影響するから答えたくないとおっしゃいました。どういうふうに影響するんですか。つまり、渡辺副大臣が赤字経営と知りつつここから返却を受けた。そうしますと、民事再生法を申請する以前に自分の財産だけは確保した、こう見られても仕方がないわけです。それは民事再生法255条に抵触する可能性がある。そのことを認めた形になっているんですよ、これは事実上。つまり、返却を受けたということ自体が今政治家として、副大臣としての適格性が問われているわけです。
それからもう一つは、支部に対しても、自民党の第6支部、千葉県第6支部ですね、そこに献金もあったと。これは何か、報道によると返却したというふうに言われていますけれども、それは別として、先ほど私が指摘したこの点について、事実関係だけを私は聞いているわけで、いい悪いということではなくて、そのことを確認しているわけです。
しかも、これは昨日、政務があるからと言われたので、何だろうなと思って考えてみるとそういう報道があったということなんで、この法案審議の前にちょっと確認をしておきたいということで聞いているだけなんです。
○渡辺(博)経済産業副大臣 まず一点、政務がある云々ということは私自身は言っておりませんし、そしてまた、きょうは大事な委員会でありますのでそれは出席させていただきますということで、まず出席させていただきました。
そして、第二点でありますが、今の質問については一切、先生からの事前の通告がありませんでした。(佐々木(憲)委員「義務はないんだよ、通告の」と呼ぶ)それはありませんでした。しかも、現在、民事再生の審理をしている最中であるということで、私の言動がやはり裁判とかそういったところに影響していくんではないかというふうに危惧されますので、お答えできませんというふうに言っておるわけでございます。
○佐々木(憲)委員 通告がないと言いますが、通告義務はありません、別にそういうことは。自分自身の問題ですからそれはわかるはずなんで、それは答えて当然なんじゃありませんか。
○渡辺(博)経済産業副大臣 大変申しわけございませんけれども、現在、民事再生の手続中であるということを御理解いただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 だめだよ、そんなの。それはだめだよ。事実かどうかを確認しているだけなんだから。何で影響するんだ、それが。
○伊藤委員長 佐々木君、質問を続けてください。
○佐々木(憲)委員 答えをちゃんと出してもらわないと困りますよ。答弁してください。
○伊藤委員長 佐々木君、質問を続けてください。
佐々木君。――速記をとめてください。
〔速記中止〕
○伊藤委員長 速記を起こしてください。
佐々木君。
○佐々木(憲)委員 今係争中ということで答えられないと。これは、みずからの立場が不利になるから答えられないということだろうと思うんですね、有利なら答えるのは当たり前だとだれだって思うわけですから。いずれにしましても、係争中だから答えられないということで答えないということですが、これは引き続き別の機会でも追及をさせていただきます。
ただ、問題は、通告がないから答えられないというのは理由になりませんよ。通告というのは義務はありませんからね。何も、通告がないから答えられないというのは撤回していただけますか。
○渡辺(博)経済産業副大臣 通告の有無にかかわらず答弁する義務はあると思いますので、撤回させていただきます。
○佐々木(憲)委員 では、本論に入ります。ちょっと遅くなりましたが、済みません。
まず、日本からフィリピンへの輸出の構成、それから輸入の構成、これは、輸出の場合はほとんどが工業製品だと思いますし、輸入の場合は、農産物は14%、それ以外はほとんどが工業製品だというふうに思います。
ここで、これまで関税の適用、輸出の場合、現状何%が関税の適用になっているのか、輸入の場合幾らか、それが、この新しく提案された関税の改正案が適用されたら何%が無税になるのか、そこの数字をお聞かせいただきたいと思います。
○青山政府参考人(財務省関税局長) お答え申し上げます。
まず、数字の話でございますが、私どもの貿易統計によりますと、フィリピンから日本への輸入額のうち85%が鉱工業品でございます。残りの15%が農水産品ということになってございます。日本からフィリピンということでございますが、これは99.7が鉱工業品でございまして、残りの約0.3が農林水産品ということになってございます。とりあえず……(佐々木(憲)委員「関税の適用は」と呼ぶ)関税の適用でございますが、無税という議論で言いますと、今は大体トータルで60ぐらいでございますが、これが92と97といいますか、そういう形になるということでございます。
○佐々木(憲)委員 ほとんどが工業製品で、現在無税になっている60%程度のものが、輸出のうち97%、輸入の92%が無税になる、こういうことが今度の法案の内容だということですね。
そこで、渡辺副大臣にも聞きますが、日本の製造業、メーカーにとっては当然利益になる、プラスになる、今まで課されていた関税がどんどんなくなっていくわけですから。そのことは事実ですね。
○渡辺(博)経済産業副大臣 お答えいたします。
今回のフィリピンとのEPAにつきましては、自動車部品や電子機器を初めとする、ほぼすべての鉱工業製品の関税が撤廃されることになります。あわせて、投資、サービスについてもルールの透明性や安定性の向上などが実現されることになります。
これによって、日本国内でこれらの鉱工業製品を製造する企業においては、輸出に係る負担が大幅に軽減されることになります。また、我が国企業がフィリピンに進出しやすくなることも当然でありますし、自動車や電気製品などを現地で生産する企業につきましても、我が国からの部品調達のコストが下がるといったメリットがあります。
このように、日本とフィリピンのEPAの締結によりまして、両国は、我が国の製造企業を含めてより高度な生産ネットワークを構築することができまして、両国経済全体のさらなる発展につながるものと考えております。
○佐々木(憲)委員 大手メーカーも含めて、当然利益が出てくる、プラスになる、こういうことですね。
では、日本の農業、農家にとっては一体どういう状況になるのかというのが問題でありまして、フィリピンからの輸入の15%が農林水産品、その関税は一体どうなるのか。それから、日本の農家にとってはプラスになるのかどうなのか、その点、山本農水副大臣にお聞きしたいと思います。
○山本(拓)農林水産副大臣 御案内のとおり、日本は7兆円を超える農水産物を毎年輸入しているところでございまして、それに対して、輸出しているのが3300億でございます。明らかに農水産分野におきましては、日本は世界で一番のグローバル化をしている国でございます。
我々としては、全体の交渉は今やっておりますけれども、精いっぱい、国民の胃袋というか、守る役所として、また、そういう生産者に対して、全体の流れの中でしっかりと守っていけるような施策を今準備いたしているところでございますので、よろしく御理解いただきますようにお願いいたします。
○佐々木(憲)委員 農産物が輸入されて、その影響が出ると、これはマイナスということになりますよね。
○山本(拓)農林水産副大臣 単純にマイナスの面もありますが、ただ、今我々として考えていますのは、輸入するばかりではなしに、輸出という点で、日本のみならず世界じゅうが格差社会になっておりまして、世界じゅうで今、60億の人口のうち約1割、6億近い人口が日本と同じような所得を有する市場がはっきりしてきているところでありまして、我々としては、それに対してしっかりと、国内生産を守るために、生産者を守るために、そういう人たちのニーズにこたえたものを逆に輸出することによって生産基盤を整備していきたいという考え方も今構築中でございます。
○佐々木(憲)委員 輸出の面を聞いているんじゃなくて、輸入における国内の影響を聞いているわけです。それは、新しく関税が無税になっている部分が枠が広がって入ってくるわけですから、関連農家はマイナスの影響を受けるのはこれは当然のことであります。だから、先ほど言われたように、何とかこれを守りたいということをおっしゃったわけでしょう。
それでは、具体的に聞きたいんですが、例えば沖縄のパイナップル、今回大変大きな影響があるというふうにお聞きしております。現状は一体どういう栽培面積、収穫量になっているのか。例えば平成2年以降どういう推移か、簡単に示していただきたいと思います。
○佐久間政府参考人(農林水産省大臣官房審議官) 沖縄県のパイナップルの生産の状況でございますが、平成の初めのころで、元年に3万6000トン、2年で3万1900トンということでございましたが、平成10年にかけまして減少が続き、背景としては農家の高齢化等によるものでございます。その後につきましては1万トンをやや上回る水準で推移しておりまして、直近の平成17年におきましては1万4000トンということになってございます。
○佐々木(憲)委員 大変大きな低迷状況が生まれておりまして、この数年、非常に低いところで低迷しているわけですね。
沖縄振興策の中でパイナップルに対しても一定の支援策があると聞いておりますが、そういう中であっても、今言われたように経営は非常に困難でありまして、ぎりぎりのところでやっている。その上に新たな関税措置が実施されますと非常に大きな打撃になる。現地の農家の方々も、今後さらに熱帯果実が自由化されて輸入がふえれば農業を続けるのが厳しくなります、こういう話があります。今まででさえ農業をやっていく環境が厳しいところに、輸入がさらにふえるとますますやりにくくなる、こういう声がたくさん聞かれるわけです。
そこで、今回のEPAによって被害を受ける農家に対して何らかの新しい措置が、支援措置があるのかどうか、それを確認したいと思います。
○佐久間政府参考人(農林水産省大臣官房審議官) 今回、パイナップルに関します合意内容につきましては、パイナップルの缶詰につきましては、現行の関税割り当て制度及び関税率を維持して、再協議といたしましたほか、生鮮につきましては、900グラム未満の重量の小さいパイナップルに限りまして、1年目1000トン、5年目で1800トンの無税枠を設定したということでございます。
このように、缶詰用につきましては何も変更がございませんし、また生鮮の小さいパイナップルにつきましては、その需要先が、輸入需要が限定されるということで、沖縄のパイナップルの生産への影響につきましてはほとんどないもの、このように考えてございます。
今後とも引き続き、生産コストの低減でございますとか品質の向上等、生産体制の強化を図るための各般の施策を推進してまいりたい、このように考えております。
○佐々木(憲)委員 影響はないと言いますけれども、現実には大変な被害が及ぶという指摘を現地の農家自身がしておりますし、現に、例えばメキシコとの協定の間でいろいろな農産物が日本に入って、それが非常に急増している、たった1年ですけれども。そういう中で、農家が経営難に陥るという事態もふえているわけです。
今何かほとんど影響がないかのようなことを言う。私が聞いたのは、影響が想定されるわけですから、当然新たな支援措置というのは必要だと思うんですが、そういう措置はあるのかないのかと聞いたんですよ。あるのかないのかどっちなんですか。
○佐久間政府参考人(農林水産省大臣官房審議官) これまでも続けてまいった施策を推進してまいりたいということで、生産体制の強化を図ってまいりたいということでございますので、従来と同様でございます。
○佐々木(憲)委員 結局、今回のこういう協定に伴って被害を受けると予想される分野についての新しい措置というのは何もないんですよ。
以前は、例えば牛肉・オレンジの輸入自由化のときには、12品目について新しい支援措置というのが当時決められました。今回は、新しい影響があるにもかかわらず、それに対する措置は一切ない、いわばつぶれても結構だというような態度ですね。
私は、こういうやり方はおかしいと思うんですよ。一方では、メーカー側、産業側は、先ほどお認めになったように、大変大きな利益を得る可能性が出てきている。ところが、その犠牲で農家の方は大変な被害が予想されるにもかかわらず、とりわけパイナップルについては、沖縄の農民が米軍の支配のもとで細々と何とかこれはやってきた。それがもう立ち行かなくなるんじゃないかという、そういうときに何の新しい支援もない。これでは全く一方的なものであるというふうに思います。
そういう意味で、私は、今回のこの協定に基づく関税の新しい法案というものは国内被害を救済する措置が一切ない、被害だけが広がるということが明らかでありますので、この法案については反対であるという態度を最後に表明して、質問を終わらせていただきます。