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金権・腐敗政治 (政党助成金)

2009年07月03日 第171回 通常国会 倫理選挙特別委員会 【531】 - 質問

「政党助成金は廃止せよ」と倫選特で質問

 2009年7月3日、佐々木憲昭議員は、前日に引き続き、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会で質問。政党助成金制度の問題点について取り上げました。

 佐々木議員は、日本共産党以外の各党が政党助成金を使い残し基金としてためこんでいる問題を指摘。2007年末には本部・支部合計で自民党が31.6億円、民主党が5.5億円、公明党が9.2億円、社民党は4.9億円など合計52億円もためこんでいるとし、「与党は『貴重な国民の税金をムダにしてはならない』というなら、使い残しは国庫に返納すべきではないか」と述べました。
 政党助成法改定案の提出者の葉梨康弘議員(自民)が「法的に認められている」と開き直りの姿勢を示したのに対し、佐々木議員は「国民に痛みを押し付ける一方で、税金を山分けし52億円もためこんでいいのか」と批判しました。

 今回の改定案では、2003年に民主党と合併した自由党の助成金が小沢一郎氏の関連政治団体に引き継がれているのを問題視して、政党が合併等で解散する場合に政治団体に助成金を寄付することができないようにする措置を盛り込んでいます。
 しかし、その一方で旧新進党が解散した後に生まれた6党が助成金を引き継いだことを不問にしていると佐々木議員が指摘。公明党は新進党の助成金80億円のうち新党平和、黎明クラブ、公明などを経て総計約41億円を引き継いでいるとし、認識をただしました。
 公明党の大口善徳議員は「法にのっとっている」と述べただけで、41億円の引き継ぎを認めました。佐々木議員は「これこそ、さかのぼって返すべきだ。政党助成金は廃止せよ」と主張しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 きょうは、政党助成法の改正案についてお聞きをしたいと思います。
 政党助成金というのは、国民1人250円の計算で、毎年320億円が国庫から政党に交付されているわけであります。私は、この制度というのはいわば国民に強制カンパをさせるようなもので、税金を山分けするというようなものだと思っておりまして、この制度は廃止すべきだというのが私どもの基本的考えであります。
 まず、基礎的なことからお聞きをしたいのですが、95年に政党助成制度が導入されてからこれまでに交付された総金額、これは幾らになりますか。
○門山政府参考人(総務省自治行政局選挙部長) お答えいたします。
 平成7年、1995年から平成21年、2009年の4月までの政党交付金の交付総額でございますが、億円未満は省略させていただきますが、約4479億円となっているところでございます。
○佐々木(憲)委員 莫大な金額が交付されているわけです。
 各党は政党助成金に頼る党財政になっていると言われておりまして、私どもはこれを受け取っておりません。日本共産党は、全国に支部が2万2千、40万人を超える党員がおりまして、党の財政は個人献金を募る、これをベースに賄っているわけでございます。
 我が党以外の各党の政党助成金への依存率、これはどのぐらいになっているんでしょうか。
○門山政府参考人 お答えいたします。
 平成19年分でございますが、各政党の本部の収入総額に占めます政党交付金の割合という形でお答えさせていただきたいと存じます。
 自由民主党の場合65・6%、民主党84・2%、公明党18・6%、社会民主党51・2%、国民新党28・7%、新党日本96・5%となっているところでございます。
○佐々木(憲)委員 非常に依存率が高いわけでありまして、いわば国民の税金に依存した形で党の財政が運営されている。
 これは、いわば汗を流さずに自動的にお金が入るというような仕組みでありまして、国民の中にはこういう声があるわけですよ、政党助成金を受け取っている政党は国民の痛みがわからないんじゃないかと。この点について、提案者、自民党、公明党、それぞれどういうふうに受けとめておられますか。
○葉梨議員 政党が行います政治活動の経費ですけれども、やはり個人献金、企業・団体献金、党費、事業収入、そして公的助成、この公的助成が政党交付金ということになるわけですが、これはバランスよく賄われていくものじゃないかなというような形で思っております。
 痛みがわからないということについての御質問ですけれども、基本的に、この政党助成金を分配するのは議員の数、それから得票の数ということで、国民の支持の度合いということで配分されるわけですから、痛みのわからない政党であれば、たくさんの議員さんもいないだろうし、投票も集まらないだろうしということで、やはり痛みがわかるからこそたくさんいただけるんじゃないのかなというようにも思うところでございます。
 いずれにしても、政党に対する公的助成ですけれども、議会制民主主義における政党の役割の重要性にかんがみて行われるものでございます。ですから、国民の血税から支払われるものでありますので、これを常に意識して、それを有効に活用する、そして国民の政治に対する期待にこたえていくべきであるというふうに考えます。
○大口議員 お答えいたします。
 政党がいろいろな政治活動を行う、それには経費がかかるわけであります。そういう点では、個人献金というのも、これは非常に大事な要素であります。ただ、税制上のことはこれから手当てをしていかなきゃいけないなと思うんです。それから、企業・団体献金、党費、事業収入、そして公的助成、こういうものがやはりバランスよくあるということが大事だと私は思うんです。
 そして、公明党の場合は依存率18・6%なんですが、やはり公明新聞をお願いするという場合も、これは中小企業の方あるいは個人の方にお願いをして購読していただいているということでございますが、そういうときに、本当に皆さんの今の生活に対する不安ですとかあるいはさまざまな痛みというものをお伺いしておるわけであります。
 そういう点で、痛みがわからないという御指摘については、私どもは痛みも十分感じつつ、さらに、こういう政党助成金をいただいているということからいっても、やはり政党の役割の重要性ということをしっかり考えて、国民の血税をいただいているということを常に認識して、そして国民の痛みにこたえていくよう努力してまいらなきゃいけない、こう思っておる次第でございます。
○佐々木(憲)委員 痛みがわかるから数が多いんだという葉梨さんの答弁でしたけれども、私が聞いたのは、65%という非常に高い依存率になっているわけで、一体、個人献金を募っていくような、そういう努力というのはあったのかなと。したがって、税金からいわば懐に入るような状態で痛みがわかるのかなということを聞いたわけであります。
 次に、基金の問題ですが、政党助成金というのは毎年毎年交付されて政党活動に使われる。その助成金は、余ったら国に返すのは私は当たり前だと思っているんですが、これは余った場合、ため込んでいるという事例があるようですけれども、それは事実ですか、大臣。
○門山政府参考人 お答えいたします。
 ため込んでいるという表現でございましたが、事実として申し上げますと、政党交付金を基金として積むことはできるわけでございます。
 平成19年末の各政党本部分、それから支部分の基金残高、総額で申しますと、51億9千万円余りということでございます。
 各党別につきましては、お尋ねがあれば御紹介申し上げますが、総額のみ申し上げます。
○佐々木(憲)委員 52億円もため込んでいるんですね。自民党31・6億円、大変な金額をため込んでいる。これは税金をため込んでいるんですよ、簡単に言えば。民主党は5・5億円、公明党9・2億円、社民党4・9億円、こういうものであります。
 私は、こういうものは国に返還すべきではないかと思いますが、提案者、いかがでしょうか。
○葉梨議員 先ほどのはちょっと誤解を呼んだかもわかりません。やはり、痛みを我々もちゃんとわかるように努力をして、たくさんの議席をいただくような努力をしていくということの趣旨で申し上げましたので、誤解のないようにしてください。
 このため込みのことでございます。ため込みというふうに言われますけれども、今選挙部長から答弁がございましたのは、2007年分のそれぞれの基金にある残高ということでございまして、ため込んでということではございませんで、それを翌年に繰り越して政治活動に使っていくものであるだろうというふうに思っております。
 毎年毎年の配分額というのはそれぞれの年で決定されるわけですけれども、そこに残高があったときに、来年にこれを繰り越して政治活動に使ってはいけませんよという合理的な理由は私はないんだろうというふうに実は思います。つまり、政党助成金というのは予算ではございませんで、国の予算でも、例えば毎年3月になりますと無駄なことをやって、それで全部使い切るんだとかいうことがかつて言われて、無駄をしっかり撲滅していこうということの努力をしているわけですけれども、その次の年に繰り越しをして、それを政党としての政治活動に使うということは私は許されることなのではないかなというふうに思っております。
 したがって、基金の残高があるからといってそれを非難するということは必ずしも当たらないんじゃないかというふうに思います。
 ただし、政党が解散をしたときには、その政党に係る政治活動というのはなくなりますから、これはしっかりと返していただかなければならないというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 解散したときの問題は次の質問で行います。
 そこで、事実ですが、大臣、今まで政党助成金を返還した事例というのは一例でもあるんでしょうか。あるいは、返還を大臣は命ずることができるとなっておりますけれども、それはどういう要件があれば返還を命ずることができるんでしょうか。
○佐藤総務大臣 お答え申し上げます。
 返還命令の実績といたしましては、解散のケースのものではございませんけれども、平成15年分の使途等報告書について、平成19年9月に報告書が訂正された結果、支部政党交付金について残余が生じたため、返還命令を行い、約255万円の返還を受けた例がございます。
 そして、現行の政党助成法において、今先生がおっしゃられた政党交付金の返還という観点で申し上げますが、政党がこの法律に違反して政党交付金の交付を受けた場合のほか、各年において政党交付金の残余金が生じた場合、ただし翌年に繰り越すための政党基金に積み立てた場合は残余金に該当しない、及び解散等の際に政党交付金の残余金が生じた場合について、返還命令の対象としております。
○佐々木(憲)委員 過去に、今一例挙げましたけれども、これは玉沢徳一郎元農水大臣が領収書偽造ということで問題になりまして、その偽造分のみ返還した、これは255万円ということであります。
 今言われたように、現行法でも返還命令はできるわけです。ですから、今回法案を出してきた理由というのは、返還命令は今でもできるのに、なぜ新しく法案で出さなければならないのか、その理由を説明してください。
○葉梨議員 返還命令はできるのにというふうに御質問でございますけれども、政党が解散をいたしましたときに、その政党支部はなくなってしまうわけですね。それで、解散前に政党以外の別の団体に対して寄附をするということが禁止されておりませんので、解散前に、解散が決定した後に、それを寄附して移しかえてしまうというようなこと。つまり、政党助成金の使い道で禁止されていることというのは、例えば借入金の返済ですとか貸し付け、ここら辺は禁止されているわけなんですけれども、他の政治団体に寄附をするということが禁止されていないものですから、それが行われてしまうと、その団体に対しては返還命令を行うことはできないということになってしまって、そこはバランスを欠いてしまうのではないかということで、今回法案を提出させていただいたわけでございます。
○佐々木(憲)委員 さて、そこで過去の事例の点ですけれども、昨日の質疑の中で近江屋議員は、過去に解散直前に政党交付金をほかの政治団体に寄附した事例ということで挙げたのが、2003年9月26日の自由党の解党の例でありました。小沢一郎氏が党首であった自由党が、解党当日に約5億6千万円の政党交付金を当時自由党の政治資金団体でありました改革国民会議に寄附した、こういうことが報道され、現在この改革国民会議が小沢一郎氏の関連団体になっている、こう伝えられているわけであります。
 もう一つは、これも報道されているわけですけれども、1997年末に解党した新進党、これが受け取っていた政党交付金の残高は80億7千万円もあったわけです。それが、自由党、新党平和、新党友愛、国民の声、黎明クラブ、改革クラブ、この6党に分配された。そのうち、新党平和、新党友愛、国民の声、黎明クラブの4党は、98年中に解散したんです。つまり、97年末に新進党が解党されて、もう存在していない。その後にこの6つの政党に分配されて、そして、そのうちの四つの党がその年のうちに解散をして他の党に合流をしたわけであります。
 このときの、党を六党に相続したことについて、当時の新聞は、「六党相続に異議あり 「国に返還すべき」」こういう大きな見出しで記事が載っていたわけでございます。
 そこで、例えば新党平和と黎明クラブが公明党に合流をしました。公明党は、新進党の解党の際の政党助成金をどのように引き継いだんでしょうか。
○大口議員 私は、政党助成法の法案の提案者としてここに立たせていただいておりまして、公明党を代表する者でもありませんし、会計の担当でもないものですから、党を代表して答弁するということはできません。ただ、私が存知している範囲内ではお答えをさせていただきたいと思います。
 私は新進党に所属しておりました。そして、先生がおっしゃったように、平成9年12月31日に解散をした。それで、おっしゃるとおり、これは六党が引き継ぎをした。私は新党平和に移りまして、新党平和が平成10年の11月7日に解散して、そして公明党に引き継がれた、こういうことであります。
 そして、政党助成金につきまして、私が所属する経路でお話しいたしますと、これについては、政党が分割や合併によって解散した場合には、解散時に有する政党交付金については総務大臣に届けることによって後継政党に引き継ぐことができると政党助成法の33条の3項に規定があって、それにのっとって、私が移ったのは新党平和でございますけれども、新進党から23億のお金が行っておる。ですから、新進党80億のうちの23億が新党平和に移っているということでございます。
 このときの分配をどういうふうに話し合ったのかとか、そのルールはとかというようなことについても、報道によれば、議員数によって分配をしたということのようでございます。
 平成9年の新進党解党時に、この法律の手続にのっとって、後継政党である新党平和など六党が政党交付金を引き継いでいるということでございます。そして、平成10年の新党平和の解党時も同様に、この法律の手続によって、後継政党である公明党に政党交付金を引き継いでいるということであります。
 それで、これは、新進党が解散して、そして六党に引き継がれたわけでありますが、ある意味では、新進党というものが分かれて分社したというような感じなんでしょうか、そういうふうな印象を受けるわけであります。
○佐々木(憲)委員 何かよくわからない説明ですが、要するに、新進党が解党されたときに、新党平和が23億800万円、黎明クラブが11億2300万円を分配された。新党平和は、98年分の政党助成金15億2800万円の一部を加えて29億7600万円、黎明クラブが11億2300万円。ですから、これは合計しますと40億9900万円。つまり、41億円が公明党に引き継がれたということになるわけですね。これは、非常に巨額の国民の税金が引き継がれた。
 ところが、私、非常に不思議だと思うのは、前の年の12月31日に新進党はもう解散して、次の年、1月1日からは存在しないわけでございます。1月1日の時点で存在していないこの党が、1月4日に6党の名称、所属議員などを確定し、その日のうちに新党平和と黎明クラブが結党大会を行っている。つまり、98年の年頭にはまだ存在していない政党なわけです。つまり、一度解党されて存在していなかったわけですが、1月4日になって結党されたわけですね。これが、黎明クラブは1月18日に公明に合同した。実際に助成金が振り込まれた2月には存在していないわけでございます。
 この新進党の解党の際の処理も、きのう大口議員が答弁された内容は、政党が解散する、すなわちその活動を終える際に残額があれば、これを国庫に返納すべきである、こういうふうにおっしゃっていたわけですから、当然、昨日の答弁のとおり、これは返納すべきものだと私は思うわけです。
 現在、厳しい財政状況に思いをいたすならばと答弁されましたね。税金の使い道を厳格にしろ、無駄遣いを省け、こう言っていました。返納逃れの脱法行為と言わざるを得ないような寄附を過去に受けた者の中には、政治家の良心に基づいて、おくればせながら国庫に返納したい、こういうふうに考える方もいらっしゃると思います、そういう答弁をされているわけですから、わざわざ法案に附則3条を設けて公職選挙法の寄附を禁止する規定を適用しないということにした、どうもこれはおかしなわけであります。この規定を活用し、自主的に国庫への納付をしてくれる良心的な方があらわれることを強く強く期待する、こういうふうに言われているわけですから。
 つまり、過去、解党した新進党、その残金80億円を何で公明党が、莫大な、そのうちの半分ぐらいを引き継ぐようなことをやるんですか。昨日の答弁ですと、非常に力強く、国庫に返納すべきである、こういうふうにおっしゃったわけですから、これは当然返納すべきなんじゃありませんか。
○大口議員 よく法律を、もちろん十分に佐々木委員は御理解の上であえてそういう御質問をされておると思うわけでありますけれども、今回の、新進党が解党する、それによって6党が引き継ぐ、こういう場合は政党助成法でも予定されていて、政党助成法の33条の3項で引き継ぐことになっているわけです。結党日も、平成10年の1月1日付だというふうに私どもは理解しておりますけれども。
 それで、昨日申し上げたのは、まさしく、この政党助成法では規制の対象となっていない、要するに、解散を決定して解散するまでの間に他の政治団体にこれを寄附する、こういうことについて、これは返納逃れではないかということで今回やったわけです。
 そして、附則の3条で、返納していただく場合に、これは寄附に当たるので公選法上の問題があるからそれを削除する、こういうことでありまして、この政党助成法33条の3項で認められているものと、政党助成法上規定されていないので今回規制をするということを、やはり委員十分御理解の上でそういう御質問をされていると思うわけでありますけれども、全く矛盾するところではない、こういうふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 当時も新聞でいろいろ報道されておりまして、分割された政党助成金というのはおかしいじゃないか、こういうふうに報道されているわけです。
 私は、政党助成金そのものが、これはもう制度として廃止すべきだと思っておりますが、国民の税金だから大変貴重なものであるというふうにおっしゃっていながら、解党しても国に返納はしない、こういうやり方というのは極めておかしいと私は思います。
 今度の法案も、合併等による解散のケースで後継政党に引き継ぐといった場合を除くというふうになっているんですね。何のための法律なんですか、これは。全然国に返納しないというようなことになるんじゃないですか。私は、事実上こういう形で政党助成金を受け継ぐような、こういう法律を出してくること自体、理解できません。
 次に、全面公開の問題に行きますが、実は、大口さんと、2007年の秋に、政治資金規正法改正案で、他党の議員と一緒に共同の議論をいたしました。その際に、我が党もそうだったんですが、公明党も自民党も、政党助成金の支出の全面公開、つまり、税金を原資にしているんですから使い道ぐらいは国民に公開しようじゃないかということで集約に当たりまして、そういう方向で改正しようという話がありました。
 ところが、土壇場になりまして、政党交付金の支出については公開の対象にしないということが言われて、何でそういうことをするのかなと。つまり、今まで、5万円以下の部分、1円までしっかり公開しようじゃないか、領収書の保存もちゃんとやろうじゃないか、こういうことでそのときは議論されていた。政党助成金はむしろそっちの方からやるべきだと私どもは思っていたわけです、税金ですから。それが、いまだに5万円以下が、やるべきものがそうなっていないですね。当時は、大口さんもやるべきだとおっしゃっていたんです。何で今回これを載せないんですか。
○大口議員 懐かしいですね。佐々木委員とも連日のように議論させていただいて、1円以上の領収書の保存、原則公開というふうにさせていただいたわけでございます。政治資金規正法を改正したわけです。
 あのときはとにかく、国会の予算委員会でも事務所費の問題で、本当は予算のことをしっかり審議しなきゃいけないのに、国会議員の関係政治団体の事務所費等のことがあって、国民からまた1円以上という非常に強い強い要請があったわけです。ですから、あのときに我々は、共産党さんも賛否はともかくとして協力していただいて、政治資金規正法が改正されたわけです。
 そして、おっしゃるように、そのときに政党助成法につきましても、これは国民の税金であるから、こういう議論もありまして、それも行く行くはやっていかなきゃいけませんねと。ただ、あのときはやはり国会議員の事務所費問題が喫緊の課題でありましたから、ああいう形で合意できるなということで、政治資金規正法の改正をさせていただいたわけであります。
 というのも、政党交付金というのは、政治資金規正法の中でも、これは公認会計士等による厳格な外部監査を義務づけられているとか、そういう事情があることとともに、党が責任を持って使途等報告書も出すということをかなり、政党交付金につきましては党の大きな看板がありますから、適正にやらなきゃいけない、こういうコンプライアンスが働くこともあるということだったので、まずは事務所費、国会議員の関係政治団体の事務所費をやろうということで、政治資金規正法を改正したわけでございます。
 いずれにしましても、政党交付金につきましても、これは今後、各党各会派でこのことも議論していかなきゃいけないな、こういうふうに思っておりまして、民主党さんも含めてこの議論をしてまいりたいと思う次第でございます。
○佐々木(憲)委員 09年度から国会議員の関連政治団体は1件1万円を超える全支出について収支報告書への領収書の添付が必要になり、1円以上の領収書の保存が義務として課せられる、こういう原則になったわけです。ところが、政党助成金は5万円以上のままなんですね。国民の税金を原資にしている政党助成金の方が5万以下は見えないわけです。これはおかしいんです、バランスからいうと。ですから、私は、こういうものこそ当然盛り込むべきだと思っておりました。今回それが載っていないのは非常に残念であります。
 いずれにしましても、この政党助成制度というものが、私は、国民の税金を原資にして各政党に配分するというこの仕掛け自体に大きな問題があると思っております。カンパをするというのは、個人個人の思想、信条の自由に基づいて行われるものであって、個人の自由なわけですが、それを1人250円に割って政党にばらまく、ばらまくという言い方はいいかどうかわかりませんけれども、そういう税金の分け取りというのはいわば強制カンパだ。したがって、こういう制度は憲法の思想、信条の自由に反するものであるというふうに私は考えております。
 この制度を廃止した国として、例えば南米のボリビアがありまして、去年廃止しました。その廃止した金額、これはすべて障害者支援のために使います、こういう法改正をやったわけです。私は、日本でも当然そういうことをやるべきであると思う。政治家が、国民に痛みを伴う改革をやるんだというのであれば、政党助成金を廃止することこそやるべきであるというふうに思うわけでございます。そのことを主張して、質問を終わらせていただきます。

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