金権・腐敗政治 (日本経団連の「政策買収」, 政治資金収支報告書の虚偽記載, 閣僚等の疑惑)
2009年07月02日 第171回 通常国会 倫理選挙特別委員会 【530】 - 質問
「企業・団体献金は国民の権利を侵害する、即刻禁止せよ」と倫選特で主張
2009年7月2日、佐々木憲昭議員は、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会で、企業・団体献金が財界による「政治買収」の手段である実態を示し、企業・団体献金の即時禁止を求めました。
佐々木議員は、日本経団連の政党への“通信簿”ともいうべき「政策評価」の点の高さに比例して自民、民主両党への献金額が急増したと指摘。財界側が一時“自粛”していた献金を再開したのに呼応するかのように、政府・与党が法人税率引き下げなど財界優先政策を次々と実現する一方、そのツケは消費税増税で結局国民に回しており、「政治の丸ごと買収、政策買収だ」と批判しました。
佐々木議員が、財界の献金を通じた「政治買収」の仕組みを認識しているかとただしたのに対し、自民党の政党助成法改定案などの法案提出者は「知らない」(葉梨康弘氏)「私も知らない」(村田吉隆氏)などと無責任な答弁に終始。佐藤勉総務大臣も、財界側が政党に求めているのは「企業としての当たり前の政策だ」と開き直りました。
佐々木議員は、「企業・団体がカネの力で政治に影響を与えることは、主権者である国民の基本的権利を侵害することにつながる。企業・団体献金は、国民主権とは相いれない存在だ」と批判しました。
また、佐々木議員の質問では、建設工事の談合で公正取引委員会からの排除勧告を受けた企業から選挙区支部が献金を受けた佐藤勉総務大臣が「返金する」と約束しておきながら、いまだに返金していないことも判明。麻生政権の「政治とカネ」の問題への無責任さも浮き彫りになりました。
議事録
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
見たところ、定足数に達していないんじゃないですか。委員長、確認してください。
○河本委員長 速記をとめて。
〔速記中止〕
○河本委員長 速記を起こして。
佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 きょうは、与党側がこの質疑を強力にやってくれということで、いわば本会議の趣旨説明をせず、議運でこの委員会にきょう付託をした。しかも、議決をして付託しているわけです。その上で、質疑をしたら定足数に達しない。もちろん、民主党の態度に問題があると私は思うけれども、しかし、それでもやるというんだったら、ちゃんとそろえないと質疑にならぬじゃないですか。やる気があるのかどうかという問題も問われるわけですよ。私は、この点、与党の姿勢は非常に疑わしいと思う。
そこで、佐藤総務大臣にまずお聞きをしたいと思いますが、6月25日の参議院の総務委員会で日本共産党の山下参議院議員が指摘をした、建設工事で談合して排除勧告を受けた企業からの献金問題、この点についてお聞きしたいと思います。
佐藤大臣は、談合事件で排除勧告を受けた企業から、大臣が支部長を務める自民党栃木県第四選挙区支部への献金、あるいはパーティー券の購入があったということで、談合中に6社、排除勧告や指名停止処分を受けた2社から献金を受けておりますが、この指摘を受けまして、大臣は調査すると答えたようですが、その後どうされたでしょうか。
○佐藤総務大臣 御指摘の自由民主党栃木県第四選挙区支部について調べましたところ、談合事件で公正取引委員会から排除勧告を受けた企業からの献金があったことが確認をされました。政治献金については政治資金規正法にのっとって適切に処理してきたところでもございまして、今回の献金も違法なものではないと認識をしております。
しかしながら、公正取引委員会から排除勧告を受けたということを重く受けとめまして、勧告以降の関係企業からの献金について返還するように支部に指示をいたしました。
○佐々木(憲)委員 それはいつ返したんですか。返した企業は何社で、幾らなんですか。
○佐藤総務大臣 指示をしておりまして、精査をしてからということになっておりますので、今、整理中でございます。
○佐々木(憲)委員 まだ返していないということですね。
○佐藤総務大臣 そういうことでございます。
○佐々木(憲)委員 返すと言いながら、精査をしてからと。違法ではないと先ほど言いましたけれども、しかし、こういう企業から献金を受けること自体非常に重大な問題でありまして、これまでも大臣が今まで何人も、こういうたぐいの献金を返還しているわけであります。
ところが、まだ返していないというわけですけれども、一体なぜ、どこが悪かったから返すというつもりになったんでしょうか。何が悪かったと思っているんですか。
○佐藤総務大臣 道義的責任を感じたということでございます。
○佐々木(憲)委員 国民から誤解を招かないようにというようなことで答弁をされていたようですけれども、政治資金規正法を所管する総務大臣が、こういう形で献金を受けて、しかも返さざるを得ない、こういう状況は非常に私は問題だと思いますね。これは、大臣としての資格も問われかねないと思うわけです。
大臣、企業・団体献金はもう受け取らないというふうに言ったらどうですか。
○佐藤総務大臣 したがいまして、不正のないようにこれから気をつけてまいりたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 受け取るんですか、受け取らないんですか。
○佐藤総務大臣 正当な献金については決して法に違反するものではないというふうに思いますので、受け取らせていただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 では、こういう事件に関連をした企業をどのようにチェックされるのか、その体制というのは大臣はどのようにとられているんですか。
○佐藤総務大臣 目の届くという面では、先生おっしゃるように非常に難しい面もございますが、しっかりとこれから目を通して、こういうことのないように気をつけてまいりたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 私は、企業・団体献金そのものに問題があると思っているわけです。これは後でも具体的に申しますけれども、企業・団体献金をめぐりまして、さまざまな不祥事件が発生してまいりました。佐藤大臣以外にも閣僚の間で、指名停止になった企業から献金を受けて返却したという過去の事例があります。
今回の西松建設からの献金問題、これは民主党の小沢前代表に限らず、二階経済産業大臣への違法献金事件あるいは与謝野馨財務・金融担当大臣にかかわる商品先物取引会社からの迂回献金疑惑、しかも今回の鳩山由紀夫民主党代表にかかわる個人献金疑惑と、次々と大きな問題が今国会でも噴出してきているわけであります。
私は、いずれにしても、これはすべて解明されたというふうには思いません。全部説明責任が果たされていないというふうに思うわけです。
この政治資金規正法を所管している佐藤大臣、それから自民党の提案者、公明党の提案者、それぞれ認識をお聞きしたいと思います。
○佐藤総務大臣 総務大臣としてでございますけれども、個別の事案について具体的事実関係を承知する立場におらないので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○葉梨議員 今回の公選法の改正それから政党助成法の改正、この問題については、小沢さんの問題、二階さんの問題、それから鳩山さんの問題、与謝野さんの問題、これとは直にかかわらないものですから、改正案の答弁ということではちょっと有権的な答弁を行うことはできません。
ただ、非常に役者不足ではございますけれども、個人的な見解として、党の見解ではない、個人的な見解として申し上げさせていただきますと、説明責任というのは大変難しい言葉でございまして、どこまで説明すれば足りるんだというのは、人によっていろいろな考え方はあり得る話だと思います。しかしながら、それを説明するときに、内輪だけでやっている、内輪だけでその説明を聞いて満足するというのは余りよろしくないのかなという感じもいたします。
与謝野大臣にしても、それから二階大臣にしても、財務行政あるいは経済産業行政と全然違うことについて聞かれても、民主党あるいは共産党それから社民党の方々からの鋭い質問を受けても、その場でやはり真摯に答弁するように、説明する努力はしっかり尽くされてきたんだというふうに私は思います。
ところが、小沢前代表ですとか鳩山代表については、反対派といいますか、考え方を異にする方々の前でしっかりと言葉を尽くして説明する努力をやはり尽くしていただきたいというような思いから、先ほどの提案理由の説明において、民主党の幹部の方々には説明責任を果たしていただきたい、ぜひとも、この国会で私どもからの質問にも答えていただけるような、そういう努力を尽くしていただきたいというふうに思っております。
○大口議員 この政治と金の問題につきましては、これも私の個人的な見解でございますけれども、やはり大臣の場合は、委員会等で答弁席に立って、そして皆さんからいろいろな質問を受ける、それに対して国民に向けてきちっと説明をするという努力をしていかなきゃいけないと思いますし、それはそれぞれの政治家がもっと努力をしていくべきだと思います。
ただ、小沢前代表、今の代行にしましても、鳩山代表にしましても、一方的な記者会見で終わっている。また、第三者委員会を西松建設の場合はつくられたようでありますが、非常に内輪の第三者委員会になっている、こういう感じがいたします。そういう点で、やはりさらに説明責任を果たしていただきたい、こう思っております。
○佐々木(憲)委員 内輪のと言いますけれども、裁判で検察側の冒頭陳述というのがありまして、そこでも具体的な指摘があるわけです。しかも、何か大臣と民主党側が違うかのように言いますけれども、何が違うんですか。小沢代表の場合も二階大臣の場合も、政治団体、これを通じて、いわばダミーですよね、その決定権は西松建設がやっているということを西松側がみずから調査をして発表しているわけです。
ですから、どの政治家に幾ら献金するか、これは企業が決めて相手と相談をしてやっていた、こういうことを当事者が言っているわけだし、また検察側の冒頭陳述の中でも、よりリアルにそれが指摘をされている。これは小沢さんの場合も二階さんの場合も全く同じですよ。説明責任が果たされていたと、二階さんはそう言えるんですか。一方ばかり攻撃するけれども、両方まともな説明をされていないんじゃないですか。私は、その問題を非常に、いわば真相解明というよりも政争の具にしているとしか思えない。本当に真相を解明するなら、きちっとやったらどうですか。
それからもう一つ、与謝野大臣の問題。この問題でも、これは渡辺喜美元行革担当大臣も名前が挙がっておりますけれども、総務省に後援団体として届けていた政治団体ですよ、その政治団体が、商品先物取引会社などのグループ5社から企業献金するためのダミー団体だった、この後援団体が。5社は団体を通じて、与謝野氏に5530万円、これは92年から05年までですね、それから95年から05年まで渡辺氏に3540万円、迂回献金をしていた。これは、5社は毎年、幹部社員ら約250人の給与から計約4千万円を天引きして、団体に寄附させた、そして寄附金控除を受けさせていたというんですよ。これは明らかに、これが明確な事実であれば、まさに違法ですね。これは所得税法にも違反するかもしれない。極めて重大な事件であります。
これがまともに説明されたというように、自民党も公明党もそのように思っておられるんですか。
○村田議員 私は、公職選挙法の提案者として、本日ここに出席をいたしております。そして、二人は、政党助成法改正案の提案者の立場で出席をしております。
本来であれば、政治資金規正法の改正案の審議がきょう行われる予定なはずでございますので、民主党、国民新党さんも加わって、この倫選特で、今先生がおっしゃるようなことも含めて、全党でこの政治とお金の問題についてもここで議論をされるということが望ましいと私は思っております。
そして、我が党は、予算委員会でこの政治と金の問題について、筆頭間でございますが、開くよう要求しているわけでございまして、国会の場でそれぞれ、問題のある人が、場合によっては、これはマスコミのうわさとかそういう記事だけで御本人を呼ぶというのは問題がある場合もありますので、だれもが認めるようなケースにおいて、その犯した問題の重大性に応じて、あるいはこの委員会で、あるいは予算委員会で議論することは、私どもも全くやぶさかではありません。
○大口議員 私も、政党助成法の法案提案者としてここに立っておるわけでございます。
今、予算委員会で政治と金の問題の集中を申し入れておるということでございますので、そこでしっかりやっていただきたい、こう思っております。
○佐々木(憲)委員 呼ぶなら全部呼んだらどうですか、何か先ほどからある党だけが特別に呼べ呼べと、対象を絞って言われているようですけれども。
だから、与謝野大臣にしろ、あるいは二階大臣にしろ、この問題についてはっきりとした説明責任を果たしてもらう、場合によっては参考人ではなく証人喚問もあり得る、こういう立場で真相を徹底的に究明するというのがまず出発点じゃないんですか。その点の考え方を聞かせていただきたい。
○村田議員 これは、私個人がオーケーと言うわけにはいかない問題でありますけれども、各党がしかるべき場において合意がなされれば、それはそれで結構なんじゃないかと私は思います。
○佐々木(憲)委員 何か、各党が合意されればなんということを言って、結局今までもそういう形で逃げてきたわけですよ。ちゃんと言ったらどうですか。やるべきだと言うなら、やったらどうですか。
私は、こういう問題が起こってくる背景には、企業・団体献金をもらって当たり前だというところに大きな問題があると思っております。個人献金と企業献金というのは、性格が根本的に違う。その点で、きょう私が具体的にお聞きをしておきたいのは、日本経団連がやっている新しい献金方式であります。
日本経団連は、2004年からこの新しいやり方を始めまして、そのとき「政策本位の政治に向けた企業・団体寄付の促進について」という声明を出しているんです。この声明を見ますと、こう書いてあります。企業も、政策や政治のあり方について積極的に発言するとともに、政党活動に要するコストの負担を社会貢献の柱の一つとして位置づけ、応分の支援を行うべきである。つまり、企業は、政策あるいは政治のあり方、こういう問題について積極的に発言をして、政党にお金を渡し、その実現を図る。
つまり、お金でこういう政策をやりなさいということを、いわばひもをつけるような話ですよね。これを日本経団連の新しい方式の中心として据えて、そのやり方は、二大政党に通信簿をつけるやり方をしているわけです。献金のガイドラインをつくりまして、通信簿でいい成績をとれば、その政党に対して企業献金を大いにふやしましょう、こういうことを呼びかけているわけです。私に言わせれば、金が欲しければいい成績をとりなさい、こういうことですね。
経団連の献金あっせんは、それまで10年間は禁止されておりました、いろいろな不祥事がありまして。ところが、それをこういう形で再開したわけです。
私は、金の力で有利な政策をつくらせようとする行為、この行為について提案者はどう受けとめているかをお聞きしたいと思うんです。自民党と公明党、それぞれ答えていただきたい。
○村田議員 経団連がどういう献金をされるのか、どういう評価をされるのかについては、私が答弁するより経団連にお聞きになるのがいいかと思います。しかし、このような経済団体がどういう政治活動をするのか、あるいは、労働組合も含めまして、そうした団体が政治との関係をどういうふうに処していくのかについては、この民主主義の世の中では各団体が自由に判断して決められる、こういうことではないかと思っております。
○大口議員 私は党を代表する立場でも何でもございませんので、ただ、公明党は日本経団連から献金をいただいておりませんので、日本経団連がどういうお考えなのかということも、この献金については聞いておりません。
○佐々木(憲)委員 日本経団連がどう言っているかというと、経団連は政治に対して、経済の現場の声を反映した明確で具体的な主張を展開し、積極的かつ組織的に働きかけることによって必要な政策を実現していくと言っているわけです。
自分たちが働きかけて、経団連の掲げる政策を実行させていく、実現させていく、これが経団連のこのやり方の考え方なんです。そのために企業献金を行うわけだから、まさに金の力で政策を買い取る、政策買収と同じ宣言ではありませんか。何かどこかの団体がやっている話じゃないんですよ、自民党は自分で受け取っているんですよ、こういう形で。公明党はもらっていないんですよ。これは二大政党ですから、自民党と民主党しかやっていない。
具体的な手法としては、各政党の政策評価を行って、A、B、C、D、E、5段階の評価をつけるわけです。我々はこれを通信簿だと思っているわけですが、ここで重要なことは、日本経団連として模範解答をつくっているということなんですよ。その模範解答とは、優先政策事項ということで毎年発表している、こういう政策を実行しなさい、経団連はこれを要望しますと。その上で、自民党と民主党がそれぞれに沿った政策を出しているかどうか、そしてどう実現に寄与しているか、これが評価の基準になっているわけですね。
それに、2005年から、自民党、民主党と経団連が政策を語る会というのを開催している、我々に言わせれば、これは口頭試問だと思っているんですけれども。そういう形で、この口頭試問の際には、自民党、民主党みずから、例えば2009年優先政策事項と党の政策・取り組み、こういうことを回答しているわけです。その回答を見て、経団連は、ああ、よくできた、A、Bとつけるわけですね。こういうやり方をしている。
自民党にお聞きしますけれども、これは事実ですね。
○葉梨議員 私も、自民党の中で責任を持ってこれを担当している立場でもございませんので、私は、不勉強ではありますけれども、知りません。
○村田議員 私も存じません。
○佐々木(憲)委員 そんなでたらめなことを言っておりますけれども、自民党が毎年毎年ここに出ているじゃないですか、党の幹部が。民主党だってそうだ。そういうやり方をして、いわば口頭試問を受けて回答して、そして点数をつけてもらって、Aが多ければ献金がふえますよ、こういうことをやっているわけです。
日本経団連の副会長の、住友商事の宮原会長は、2004年7月の論座という雑誌のインタビューでこう言っているんです。
一番わかりやすい例で言えば法人税を下げてくださいということは個別政策じゃないか、それは個別かもわかりません、しかし、我々に言わせれば、企業活動のインフラ整備は、個々の企業ではなく、全体の企業のインタレスト、企業活動を活発にする政策です、こう言っているんです。
要するに、法人税を下げてください、これは全体の企業にとってはプラスになるのでやってほしいんだと。さらに、法人税を下げてくれというのは、例えば個人なんかは言わない、だから、企業が政治に対して関与しない方がいい、その方が楽だということでは困ると逆に言っているわけです。
政党は、民意を吸い上げることによって、それだけのファンドが入ってくることになれば、やっぱりそれだけ努力もするでしょうと、金の力で政治を動かすということを公然と言っているわけですね。自民党は、こういう形で大変な献金を受けてきているわけであります。
経団連は、巨大企業の共同の利益のために政治に働きかける、こういうことを毎年毎年やってきております。
例えば、2008年、昨年の9月17日の共同通信社のきさらぎ会、ここで日本経団連会長の御手洗さんが講演をしております。そこでこういうことを言っているんです。「経団連は政策をめぐり政治と対話し、政策で政治と関係を築くのであります。こうしたことから、経団連は政策本位、国益重視の政治が徹底されるようこれからも働きかけてまいります。その成果はしっかりとあらわれてきております。先週公表された政治資金収支報告によれば、企業・団体による政治寄付は、着実に増加しております。」と。
つまり、働きかけはお金の力でやるんです、その成果は着実にふえている、こう言っているわけですね。これは事実ですね。
○村田議員 寡聞にして全く存じません。
○佐々木(憲)委員 具体的な数字は皆さんのお手元にあります。
自民党、民主党への日本経団連からの献金は、そこにありますように、2003年から2007年、これを見ていただければわかりますけれども、自民党は大変忠実に経団連の言うことを聞いておりまして、しかも実行している、こういうことでAの数がどんどんふえておりまして、2003年には18・2億円だったのが2007年には29・1億円、約30億円、献金がこれだけふえているわけです。そして、評価は、Aという評価が2004年が3個、2005年4個、2006年9個、2007年9個、2008年10個と、毎年ふえているわけですよ。
要するに、自民党の通信簿のAの数がふえた、それにつれて献金もふえた。これだけ経団連から太いパイプがついて、経団連の言いなりになっている、こういう証拠ですよ、これは。
民主党の場合も、Aはないんですが、Bの数が7個、6個、9個、6個、5個、こういう形になっておりまして、これも8320万円、これは2007年度ですけれども、自民党よりはかなり少ないけれども同じようなパターンで献金を受けている。ですから、これは、例えば優先政策事項を実行していけばいくほど点数が上がるという仕掛けになっているわけです。
こういうやり方は当然のやり方だと思いますか、知っているか知っていないかは別として。どうですか。自民党と公明党にお伺いします。
○葉梨議員 あくまで個人的な見解で申し上げますが、このように書かれておりまして、果たしてこの通信簿の例えばBの数と民主党の献金ですとかに相関関係があるというふうに断定できるのかどうか。これは必ずしも有意ではないというふうに思います。
といいますのは、これは2008年、2009年も見てみなきゃいけないんですが、多分、2008年、2009年においてAの数が20個になったとしましても、献金は相当減るんじゃないかと思います、景気が悪いですから。2007年ぐらいまでは、景気が徐々によくなってきたということで献金が増加している、これは民主党も同様ですけれども。
そういうような要素ももしかしたらあるかもわかりませんので、これが相関関係があるということを前提にした感想ということは述べることはできないと思います。
○大口議員 私も、個人的な感想といたしましては、やはり献金の額というのは、ただ単にAの数、Bの数だけではなくて、いろいろな景気の状況でありますとか日本経団連の中のコンセンサスの問題でありますとか、さまざまな要素があるんじゃないかな、こういうふうに思います。
○佐々木(憲)委員 公明党までそういうことを言うのは、自民党と全く一緒だなと思いますね。
大体、景気が悪くなっても献金はふえているんですよ。2003年、2004年、2005年なんというのは、景気が悪かったのにふえているじゃないですか。点数が上がったから献金がふえているんですよ。経団連自身が、我々が働きかけた、成果が上がったと言っているわけです。
具体的に何をやったかといえば、例えば優先政策事項で、税・財政改革で法人税の引き下げということを要求している。その反面、消費税率の引き上げを要求しているわけです。法人税については30%を目標に引き下げるとしている、一方で消費税の引き上げを求めているわけですね。法人税の引き下げ、その分をいわば庶民がカバーする形になるじゃないですか。
法人税の引き下げ、この間、政府・自民党はやってきたんじゃありませんか。(発言する者あり)
○下村委員長代理 ちょっと質問の内容と対象者が違いますので、どなたに質問しているのか明確にしていただいて、対象者に合った質問をお願いします。
○佐々木(憲)委員 はい。
では、佐藤大臣に聞きましょう。
総務大臣、国の閣僚として、麻生内閣の閣僚として、今まで法人税の引き下げというのを過去ずっとやってまいりました。これは事実ですねと聞いているわけです。
○佐藤総務大臣 経団連が申し入れをしてというのは、企業としての当たり前な政策としてお話をしていただいている。それを受けて、党側がすべてそれにのっとってという話ではないのではないかなというふうに思いますし、当然、日本国民である以上いろいろな権利を持っているわけでございますから、そういう中での権利を党側に主張し、それをある程度党側がそんたくするというのは当然のことではないかなというふうに私は思っております。
○佐々木(憲)委員 法人税率は、以前は表面税率42%だったのに、今は30%に下がっている。これは事実ですね。
○佐藤総務大臣 そのとおりだと思います。
○佐々木(憲)委員 要するに、経団連が主張したとおり実行しているわけですよ。だからAがふえているんですよ。そうでしょう。
消費税率の引き上げというのを今度出しましたね。今度は国税法案、その中に、3年後、2011年、この中で消費税率の引き上げの法案を出しますと麻生総理も答弁している。法案の中にもそれを書いている。経団連の言うとおりじゃないですか。経団連の言うとおりやっているんじゃないですか。だから、2008年には10個になり、さらにその後ふえるかもしれない。そうすれば、献金はどんどん入ってくるわけです。
経団連としては、まさに政治の丸ごと買収ですよ、これは。こんな大規模な政策買収はございません。そういうやり方をして、今までそれが何か当たり前であるかのような、根本問題はそこにあるんですよ。
日本経団連は、その具体的な政策として、例えば住宅投資減税制度の創設、住宅ローン減税制度の拡充、自動車重量税・取得税の減税措置、省エネ・研究開発などの投資促進に関する税制措置の拡充、中低所得者層・子育て世帯への経済的支援、上場株式に係る優遇税制の延長、確定拠出年金に係る税制措置の見直し等々、優先政策事項をずらっと並べているんです。ほとんどこれを予算の中に具体化してきたのではありませんか。そういう形で借金をどんどんふやして、そのツケを結局国民に回しているわけですよ。
要するに、経団連というのは日本の政治を金で動かし、その金で動かされた政治が、国民に対してさまざまな増税、社会保障の切り捨て、そういう形で圧迫を国民に回している。その根本原因がまさに企業・団体献金であると言わざるを得ませんね。私は、この構造そのものを根本的に変えなければならない、やはり企業・団体献金というものは根本的に政治にとっては賄賂に当たる、そういう性格を持つものだと思うわけです。
政治資金規正法における政治資金というのは、国民の浄財、まさに個人献金、国民の政治参加の手段、国民の権利というのを国民の浄財という形で位置づけているわけですね。そして、政党や政治団体が国民の不信を招くようなことをすれば、議会制民主主義政治そのものの不信にもつながるということで、支持する政党に政治献金を行うことは、これは個人にとっては憲法で保障された国民の参政権の一つである。国民の代表を選ぶ選挙権、投票権と結びついたものであるというふうに現行の政治資金規正法というのは位置づけられているわけであります。
これが一貫して変わらない原則だと私は思いますけれども、総務大臣、この原則はそのとおりだと思いますが、いかがですか。
○佐藤総務大臣 政治活動に関する寄附については、政党、政治団体の政治活動の自由と密接に関連しておりまして、各党各会派において御議論をいただくべき問題だというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 いや、私が聞いたのは、政治資金規正法の基本精神を聞いたわけです。
○佐藤総務大臣 憲法上の政治活動の自由の一環として政治資金の寄附の自由を持つことは認められているというふうに思いますし、そういう観点からということではないかなというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 企業、団体というのは、国民個人個人と同様の主権者ではありません。これは、もちろん選挙権を持っていませんし、企業、団体というのは経済力が大きい。大きな会社になるほど大きな力を持っている。だから、個々の国民とは比べ物にならぬ力を持っているわけですね。したがって、企業、団体が金の力によって政治に影響を与えるということになりますと、主権者である国民の基本的権利を侵害することにつながる。したがって、私は、企業・団体献金というものの性格は国民主権と相入れない存在だというふうに思うわけでございます。
やはり企業の側からいいますと、営利を目的としているわけですから、営利を目的としている企業が献金を行うということは、当然見返りをもらわないと、何のために投資をしたかわからない、こうなるわけです。もし見返りがないのにどんどんどんどん投資をした、こうなりますと、これは背任罪になるわけですよ。見返りがあったら、これは賄賂になるわけですよ。
そういう意味で、企業・団体献金というものは、本来、国民の主権ということを考えていけば、これはやってはならないものであり、禁止すべきである。私は、民主党が3年後に禁止というのは、なぜ今すぐ禁止を出さないのかなと思うけれども、いずれにしましても、企業・団体献金の禁止、そういうことを明確に政治は掲げていかなきゃならぬ。
私は、今、この二つの法案の根本にある問題についてお尋ねをいたしました。政党助成金の問題についてもきょうはやろうと思っておりましたが、もう時間ですので、次回、この問題についてはしっかりやらせていただきたいと思います。
いずれにしても、日本共産党としては、今政治に求められている企業・団体献金の禁止ということをはっきりとここで打ち出すべきだ、この主張をして、質問を終わりたいと思います。
関連ファイル