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税制(庶民増税・徴税) (消費税)

2009年05月26日 第171回 通常国会 財務金融委員会 【520】 - 質問

「なぜ消費税増税だけを議論するのか」財務金融委員会で質疑

 2009年5月26日、財務金融委員会で、与党議員が提案した金融関連2法案と、民主党議員が提出した租税特別措置法透明化法案が、審議されました。
 佐々木憲昭議員は、政策金融公庫の中小企業にたいする融資について、民主党議員に消費税増税に対する姿勢をただしました。

 民主党の岡田幹事長は24日のNHKの番組で、衆議院の「4年の任期の間に消費税を上げることはしない」として、「財政全体のなかで(消費税も含め)議論していかなければならない」と述べています。
 佐々木議員は、「財源確保のためとして、なぜ、消費税だけが議論の対象になるのか」「所得格差の解消にも所得の再分配にも逆行する」とただしました。
 答弁に立った民主党の尾立源幸参議院議員は「消費税は最後の手段だ」と強調し、「歳出、歳入の改革をおこない、どうしても足らない場合は、消費税の引き上げをお願いする」と答えました。
 また、尾立氏は「お願いする場合は、総選挙で国民の信を問う」と述べました。
 佐々木議員は「自民、公明両党は3年後、民主党は4年後に消費税増税という考えだ」と指摘し、「日本共産党は消費税増税に反対だ。財源確保をいうなら、庶民に犠牲を押しつけるのではなく、大企業・大資産家など力のあるところに応分の負担を求めるべきだ」と主張しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 提案されている法案は、租特に絞って、2、3年かけて、個々の措置の利用実績などのデータを政府に公表させ、効果や必要性を検証、吟味した上で、必要な措置は本則化する、不必要な措置は廃止する、こういう形で整理合理化を推進するというものだと思うんです。
 私どもは、税制の一番の問題は、大企業あるいは大資産家を優遇し過ぎているという点があるので、それを是正すべきだという立場をとっております。租税特別措置だけでなく、税法の本則を含めた制度全体に再検討のメスを入れるということが必要だと思っております。その中で、大企業、大資産家に負担能力に応じた税負担を求める、これが今大事ではないかと考えているところです。その点で、この法案は、部分的ではありますけれども、そういう方向に沿った内容であって、基本的には支持できると我々は考えております。
 そこで改めて、提案をされたこの法案をつくるきっかけになったものは何だったのか、それから、租特以外にもその考え方を広げるという考え方ですね、透明化していく、そういう考えがあるのかどうか、この点を伺いたいと思います。
○水戸参議院議員 佐々木先生からも、我々自身の法案に関しまして一定の理解を示していただきましたことには、改めて感謝申し上げます。
 二つほどいただいたと思うんです。
 最初の、この法案を出した経過というか、その趣旨は何かという話について、若干私からお答えをさせていただきたいと思っております。
 先ほど亀井先生の方でもお話がございましたのですが、やはり時代の流れにおいて非常に不透明的な措置であると。租税特別措置、読んで字のごとく特別的な措置なんですね。しかし、一たびこれが施行されるや、ずっと継続して行われることに関しての不透明さ。また、その効果、効用に関して、これが明らかにされていないということの不透明さ。いろいろな形で、先ほどタックスペイヤー、税を納める側からの論理も、当然これからの税制改正の中においては、ここを第一義的な主眼に置いて税制改正をしていく必要があるという認識は先生と変わらないと思っております。
 そういう中で、課税の公平性から外れる部分に関しましては、それ相当の説明責任を持ってこれはしていく必要があるし、それに関しては、やはり客観的なデータというものを集計しながら、そして最終的な判断をこの国会の場においてしていただくという道筋をシステム化していこうじゃないかという話でございます。
 そういうことで、我々自身は、時代の認識とともにこういうものの必要性を、特に今回、2年間の調査を経てその必要性を改めて認識させていただいて、それを形に出して法案として提案させていただいたということであります。
 以上です。
○尾立参議院議員 補足させていただきます。
 この租特透明化法案以外にも透明化するところはないのかという御指摘でございますけれども、まさに私どもは、これは改革の第一歩だと思っております。特に、私ども何度も御説明させていただいていますように、税制はやはり公平で透明で納得できるものじゃなきゃいけない。それに加え昨今は、格差是正、格差解消という観点も加わっておりまして、そのためにも、所得の再分配機能というものを高めていかなければならないという問題意識を持っております。
 そういう意味で、所得税の抜本改革、給付つき税額控除なども導入をさせていただきたいと思いますし、最高税率等の検討もさせていただきたい。さらには、相続税の見直し、法人税のいわゆる基本税率の見直し等々も、これは一体として我々やっていきたいと思っています。
 以上でございます。
○佐々木(憲)委員 そこでお伺いしますが、消費税の問題なんですけれども、5月24日のNHKの番組で民主党の岡田幹事長が、次の総選挙で政権を獲得した場合の消費税の取り扱いについて、衆議院議員の任期4年の間に引き上げることはないと述べたということであります。
 当面引き上げないという点では、私どももその点では一致する点があります。しかし、財源を確保しようという場合、なぜ消費税だけが議論の対象になるのか。この間、法人税などは、表面税率は42%だったのに、これが今は30%まで下がっているわけです。減税のやり過ぎですよ、これは。それから、所得税の最高税率も下がってきた。ですから、大企業、大資産家を優遇するばかりの税制の改革をやってきて、庶民に対してはむしろ増税であります。この間、定率減税の廃止というようなこともありました。また、これからは消費税の増税という話になる。こうなると、庶民の暮らしに直撃することになるんじゃないか。
 所得格差の解消とか、あるいは今所得の再分配機能の強化という話がありました。そのためには、消費税の増税をやるとそれを台なしにしてしまうことになりますので、むしろ法人税の引き上げを検討する。これは応分の負担。大資産家の、例えば株の売買益あるいは配当課税、こういうものがどんどん減税になっていますけれども、こういうところは適切な、もとに戻す措置をとる。
 こういうふうに、財源を確保するためには、庶民に犠牲を負わせるのじゃなくて、力のあるところに応分の負担を求めるということこそ大事であって、無駄遣いをなくすのはもちろんですけれども、税制の面ではそういう方向で検討すべきではないかと思いますが、尾立さん、御意見いかがでしょうか。
○尾立参議院議員 お答えいたします。
 問題意識は非常に共通しております。まずは、やはり出る方をしっかりと私たちはチェックしていかなきゃいけないと思っております。ですから、消費税を我々の政権下で上げると決めたことはございません。まず、そういう前提でお話をさせていただきます。
 まず、出る方の削減でございますが、天下り廃止等による公共調達のコスト削減、独法や特殊法人の原則廃止、さらには国家公務員の総人件費の削減、直轄公共事業の見直し、さらには個別補助金の原則廃止と一括交付金化等、無駄遣いをまず根絶させていただきたいと思います。
 それともう一点は、入ってくる方の改革でございますが、この一つが、今申し上げました隠れ補助金とも言われるこの租税特別措置の見直しでございます、整理合理化でございます。これをやることで、私どもは一定の税収確保があるものだと思っています。
 御指摘のとおり、法人関係の租特の減税額でございますが、トータルで1兆ございます。大法人はそのうち7千億超でございますので、70%超が大法人向けだということで、本当にこのあり方がいいのか。またさらには、試験研究税制で今回、限度額がまた3割に引き上げられました。法人税率は30%ですから、30%の減税ということになりますと9%、実質税率は21%ということになります。これはやはり行き過ぎではないかというふうに我々も思っておるところでございます。
 そういうことで、消費税というのは最後の最後の手段でございますので、その前にやるべきことはたくさんある。今の出の改革、入りの改革、そして、それでもどうしても足らない場合は、消費税の引き上げをお願いするかもしれない。
 しかしながら、我々のスタンスとしては、そのお願いをする場合は、総選挙の前に、こういう内容、こういう割合ですよということをしっかりお示しして、よもや、選挙に勝った後に約束しないことをひゅっとやるような、そういうひきょうなことはしないで、必ず公約として出して、総選挙で皆さんの信を問うていきたいと思っています。そういう順番でございます。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、最終的には消費税に頼るということになるので、我々としては、消費税そのものの増税はやるべきではない。自民党、公明党は今すぐやりたいらしいんだけれども、3年後には。民主党は4年後だというんですね。どうもこれは、余りにも消費税に頼るという思想が浸透し過ぎているというふうに思うわけでございます。私どもは別な手段を考えておりますので、ぜひ共産党の政策を参考にしていただきたい。
 以上で終わります。

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