アドレス(URL)を変更していますのでブックマークされている方は変更してください。
<< ホームへ戻る

金権・腐敗政治 (鈴木宗男議員疑惑, 税金の還流, 国際協力・ODA)

2002年02月20日 第154回 通常国会 予算委員会≪参考人質疑≫ 【157】 - 質問

鈴木宗男議員への参考人質疑 鈴木議員関与を示す外務省の内部文書を暴露

 2002年2月20日、予算委員会は、NGO排除問題、鈴木宗男議員の外交私物化問題で集中審議が行われました。午前には、田中真紀子前外務大臣、鈴木議員を招致し参考人質疑、午後には、小泉純一郎総理出席の対政府質疑が行われました。

 2月13日に引き続き、佐々木憲昭議員は、外務省の「秘」文書を示し、鈴木議員が海外援助、支援事業を食い物にしている事実を追及しました。これにより、「ムネオ・ハウス」(国後島の緊急避難所兼宿泊施設)の入札(1999年7月)に自民党の鈴木宗男衆院議員が介入し、地元・根室管内の企業に受注させていたことが明らかになりました。

 佐々木議員が「北方四島支援」事業の入札・受注に対する介入の有無を質問したところ、鈴木議員は関与を否定。
 そこで佐々木議員は、「秘 無期限」と書かれた外務省の内部文書「国後島緊急避難所兼宿泊施設(メモ)」(1999年5月28日付)を示しました。
 これは外務省が「ムネオ・ハウス」の入札公示の内容について、鈴木議員に相談した際の概要を記録したもの。このなかで鈴木氏が「いっそのこと地域を北海道内ではなく根室管内に限定してはどうか」「やはり根室管内だろう」と執ように外務省に迫るくだりを、佐々木議員が読み上げると、委員会室にどよめきと爆笑が起きました。
 その結果、入札参加公募は「根室管内」に限定され、条件に合う企業は根室市の渡辺建設工業1社しか残らない形になりました。鈴木議員は同社から6年間で788万円の献金を受け取っています。
 当初、「いまその話を初めて聞く」としていた鈴木議員ですが、佐々木議員が文書でのやり取りを紹介し「こういう記憶はまったくないか」と追及すると、「外務省の方が『こういう基準だ』とかいう説明があったやの記憶はある」と、外務省とのやりとり自体は認めました。

 さらに佐々木議員は、鈴木議員の指示通りに根室管内に限定された新聞紙上の入札公募文書を示して「入札の方針をゆがめた結果が明確に出ている」と追及しました。
 鈴木議員は「北海道新聞と北海道建設新聞2紙に(公募を)載せたと報告を受け、そこで公募型の入札方式だと外務省から説明を受けた」とのべ、“初めて聞く”話どころか、外務省の内部文書を事実上裏づける詳しい証言をしました。
 佐々木議員は、「入札に介入し、受注した会社から献金が渡っている。受注した会社から自分のところに資金が還流しているしかけだ。これは税金の私物化、援助の私物化という以外にない」と批判しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 私は、北方四島人道支援に関連をして、事業の受注に関して入札が公平、公正に行われているのかどうか、この点についてまずお聞きをしたいと思います。
 鈴木さん、あなたは北方四島人道支援の事業の入札、受注に関して介入したことはありませんでしたか。
○鈴木参考人 委員長、お答えする前に、私も、これは参考人で出てまいりまして、誠心誠意答えているんです。一方的に、私の話も聞かないで片方の主張だけ言われたんじゃ、逆にテレビを見ている皆さん方は、私は、間違ったメッセージを与えますから、この点、お願いをしたい、こう思っております。
 今の御質問にお答えしますけれども、私は、関与したことはございません。
○佐々木(憲)委員 とんでもない、事実と違う発言でございます。
 私は、ここに外務省の内部資料を持っておりますが、これは「国後島緊急避難所兼宿泊施設(メモ)」というものであります。99年5月28日につくられたもので、「秘 無期限」、こうなっている資料でありますが、99年5月27日に鈴木宗男官房副長官と外務省がこの、いわゆる友好の家、地元ではムネオハウスと呼んでいるものでありますが、この入札公示の内容に関連して、鈴木さんと外務省がやりとりをした記録であります。
 こういうふうに外務省は言っているんですね。「6月初頭に道新等に入札説明会の案内を掲載するべく、現在、その内容を詰めているところであるが、一番頭を痛めているのは、入札参加資格のところである。」こういうふうに、これはもう明確に文書で記録が残っているんです。
 それで、この点について議論があった。こういう議論はありませんでしたか。
○鈴木参考人 今、私もそのお話を初めて聞きますので、もしその資料があるなれば見せてもらいたいし、外務省にあるなれば私は出してもらってもいいと思っております。
○佐々木(憲)委員 では、具体的に申し上げましょう。
 ここで鈴木宗男さんはこのように発言をされているんです。「道開発局基準のBランクで該当企業が200社程度というのは知っている。そもそも200社もいらないだろう。多すぎる。根室管内には旧島民が多数居住している。いっそのこと地域を北海道内ではなく根室管内に限定してどうか。根室管内にはB以上は何社か?」、Bランク以上は何社か、こういうふうに聞かれているんですね。
 それに対して外務省は、「根室管内と限定するという点については持ちかえって検討させて頂きたい。」こういうふうに答弁をされていますが、「例えば根室管内ではなく道東ということでは如何か?」、こう聞かれて、鈴木さんは「それはやはり根室管内だろう。」こういうふうに発言をしているわけです。こういう記憶は全くありませんか。
○鈴木参考人 外務省がどういう説明をしたか定かじゃありませんけれども、私は外務省のラインに沿ってやりとりをしている、こう思っています。
 ということは、私は、私の方から物を言うよりも、外務省の方がこういう基準だとかこういうフレームでいきたいだとかという説明はあったやの記憶はありますけれども、そういう細かいやりとりはありません、それは。
○佐々木(憲)委員 全然説明になっていないですよ。はっきりと根室管内に持っていくべきだ、地域を限定すべきだと。大体、北海道新聞というのは、全道に、道民が見るんですよ。その道民が見る道新に、何で根室管内だけの業者しか応札できませんよということになるんですか。おかしいじゃないですか。
 しかも、結論としてどうなっているかというと、結局、結論はこういうふうになっているんですね。「この案のポイントは、入札参加資格は「北海道内」としつつも、施工実績のところで「根室管内において施工実績を十分有する者」として、入札資格審査の段階で実質的に地元の業者が有利なように配慮することである。」はっきりとこういう結論が外務省の文書に出ているじゃありませんか。ですから、明確な証拠があるんですから。
○津島委員長 鈴木参考人、答弁してください。鈴木参考人、指名しております。
○鈴木参考人 これは正確にお答えしますけれども、どこでのやりとりで、どういう文章で、この点もはっきりしなければいけない。私は、そういう細かいことまで話は外務省から受けた記憶はありません。
 一方的に、説明は受けているし、同時に、もう一つ大事なことは、地元の市長だとか地元の商工会議所の話なんかも混同されますと、私はこれはちょっと困るな、こう思っています。
○佐々木(憲)委員 だれも地元の市長や商工会議所の話をしているんじゃないんだよ。外務省の内部であなたが参加した会議の話をしているんですよ。逃げちゃいけないよ、あなた。
 どういう文書かということだから言いますが、99年5月28日、外務省の内部の文書であります。「国後島緊急避難所兼宿泊施設(メモ)」こうなっている。
 実際、じゃ北海道新聞にどういう結果が出ていますか。ここで検討されたとおりのことになっているじゃありませんか。
 例えば、私は、北海道新聞のこのムネオハウスの公募の文書があります。北海道新聞、これは一面をちょっと縮小してありますが、ここに、右下の方にこういう公募の文書がある。大体活字自体もめちゃくちゃ小さくて見にくいんですよ。そういう中で、これをちょっと拡大しましたけれども、こう書いてあるんですよ。「入札参加者の資格」「北海道内に本社を有する者であって、気象条件が国後島に近似する根室管内(根室市、別海町、中標津町、標津町及び羅臼町)において、類似施設建設工事の施工実績を充分に有する者であること。」外務省の、あなたとやりとりをして、外務省は北海道全体で公募するんだと、それをあなたの発言によってゆがめて、しかも、こんな前代未聞の公募文書が北海道新聞に載っているじゃないですか。入札応募に、実際にこれをあなたがゆがめ、この方針をゆがめて、そしてこういう結果が出ているというのはもう明確じゃありませんか。いかがですか。
○鈴木参考人 一方的な資料に基づいて一方的に私は決めつけられても、これはまたいかがなものかな、こう思います。
 少なくとも、新聞は北海道新聞と北海道建設新聞二紙に載せたというふうに私は報告を受けていますし、そこで、公募型の入札方式だということを私は外務省から説明を受けたということであります。
○佐々木(憲)委員 北海道新聞と北海道建設新聞の二つに載った。よくそれを御存じですよね。二つに載って、しかも、全道の業者が応募できるのかなと思ったら、根室管内ですよ。根室管内しかこれは受けられないんですよ、これは。あなたの選挙区だけではないですか。
 そういうものを、圧力をかけてゆがめて、実際にこういう公募がなされたというのは、これは地域限定の公募、今までこういう事例はありません。はっきりとこれはゆがめたということはもう事実であります。
○鈴木参考人 共産党さん、佐々木委員がこの問題についてこの委員会でも質問されましたから、根室の市長さんなんかも私のところに連絡をよこしました。根室市長はこう言っていました。地元を使ってもらいたい、今根室は大変なんだということで、外務省にはよくお願いをしてありますと、こういう話。それと鈴木先生の話を一緒にされたら、逆に我々の動きが悪かったことになりますから。しかし、少なくとも、間違いなく公明正大に行われたということで承知していますということは、地元からも言ってきました。同時に、地元は、根室市長さんや商工会議所は、とにかく地元が、経済、疲弊しておりますから、しかも四島の返還の発祥地の根室を大事にしてほしいということは再三外務省にお願いしてきましたということです。
 ですから、私自身が一方的にこう言った、関与したと言われても、これは困る話であります。
○佐々木(憲)委員 まあ、語るに落ちたとはそういうことですね。自分で、この地元のためにやったんだと、その声にこたえたんだと、事実上あなたはそれをお認めになったということですよ。
 しかも、大事なのは、このムネオハウスを受注した会社というのはたった一社ですからね。全然競争になっていないんですよ。しかも、その受注した会社からあなたに政治献金が渡っているんですから。まさに明確にこの入札をゆがめ、そこに介入し、そこから受注した会社から、あなたは、自分のところに資金が還流している、そういう仕掛けをつくっている。これを税金の私物化、援助の私物化と言う以外にないじゃないですか。もう明確なんですから、これはやはり国民に対して、はっきりと事実を認めて、謝罪すべきだ。いかがですか。
○鈴木参考人 一方的に、謝罪というのは、私はいかがなものかと思います。
 なぜかといいますと、私自身、この業者を使えとかこの業者にしなさいということは言ったことはありませんから。これは明確にしておきます。この点、ぜひとも、何かしら私が特定の業者だとか特定の者を言ったならば、今の佐々木委員の意見も通るかと思いますけれども、私、少なくとも公明正大に公のメディアを使ってやって、そしてそれなりの資格要件等がクリアされて、手続がされたというふうに聞いておりますから、この点、私ははっきりしておきたい。
 同時に、佐々木委員のその資料等も、それが公式にあるとするならば、私はぜひとも出してもらいたい。公式にあるというならば出してもらいたい。それならばはっきりすると思います。
○佐々木(憲)委員 では、その資料を、具体的に外務省に、私はこれでこの日付も指摘をいたしましたから、外務省でお調べいただきたい。また、当委員会に資料として提出をしていただきたい。
 委員長、いかがですか。
○津島委員長 理事会で相談をいたします。
○佐々木(憲)委員 時間が参りましたが、私は、こういうやり方というのは、今まで鈴木宗男さんが北方四島について具体的に介入をし、そしてそれを自分の後援会の幹部の企業に受注させ、そしてその企業から政治献金が渡っている、まさに税金の還流であり、税金の私物化以外の何物でもない。このことを厳しく指摘をして、質問を終わらせていただきます。
○津島委員長 鈴木参考人。
 簡潔にお願いします。
○鈴木参考人 今、税金の還流というお話がありましたが、非常に間違った表現だと思っています。
 私は、58年の選挙から応援をしてもらっている人ばかりでありますから、58年からの応援者を、何か仕事をしたから政治資金というのは、私はちょっと困る、こう思っております。

Share (facebook)

このページの先頭にもどる