2003年04月15日 第156回 通常国会 財務金融委員会 【196】 - 討論
生保の破たん処理に公的資金投入の期限延長 改正案に反対の討論
2003年4月15日、財務金融委員会で、生命保険会社の破たん処理に公的資金を投入する仕組みを3年間延長する法案が審議され、佐々木憲昭議員も質問しました。
この日、法案の採決が行われ、佐々木議員は、採決に先立ち反対討論を行いました。
議事録
○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、保険業法の一部を改正する法律案に、反対の討論を行います。
反対する理由の第一は、本案が、破綻した生命保険会社の処理のために生命保険契約者保護機構に対して4千億円の政府補助ができる仕組みを3年間延長することです。
生命保険会社の破綻処理と契約者保護は、そのための財源や制度設計も含めて、保険業界の責任で行うべきであり、国民に負担を押しつける政府補助枠の延長は認められません。
現行制度は、破綻処理の際に、責任準備金の10%カット、予定利率等の計算基礎率の引き下げ、早期解約控除を認めるなど、契約者の利益を切り捨てる仕組みになっています。実際に、この間の生保破綻では、契約者の受ける保険金が7割から8割もカットされる例が生まれています。現行制度は、保険業界の利益を優先し、保険会社の経営に何の責任もない国民と契約者に破綻処理の負担をかぶせるものであり、その延長は認められません。
反対する第二の理由は、本案が、保険相互会社の株式会社化の円滑化、業務範囲の拡大など、保険分野の規制緩和を一段と進めることです。
金融ビッグバン以後、保険分野の規制緩和が進められ、保険会社は、収益優先、契約者軽視の姿勢を強めています。本案は、こうした保険会社の姿勢をさらに悪化させるものです。
以上、本案について反対であることを表明し、私の討論を終わります。(拍手)