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財政(予算・公共事業) (経済財政諮問会議, 予算案, 強行採決)

2007年03月02日 第166回 通常国会 予算委員会 【380】 - 質問

予算案強行採決 経済財政諮問会議は“財界の言いなり”と批判

 2007年3月2日の午後、与野党間で合意のないまま、開会された予算委員会で、2007年度予算案の採決を強行しました。
 金子委員長は3月1日、委員長の職権で2日に締めくくり総括質疑と採決を行うことを一方的に決定しました。

 佐々木憲昭議員は、2日の予算委理事会で、以下の3点を主張し、委員長職権による委員会開会を撤回し審議を尽くすべきだといいました。
(1) 審議時間が例年に比べ極端に短い
(2) 野党側が求めているキヤノンの御手洗冨士夫会長と、佐田玄一郎前行革担当相の参考人招致に与党側が応じていない
(3) 集中審議が2回しか開かれていない

 一方的に開かれた委員会であっても、野党側は質疑を行い、佐々木議員が経済財政諮問会議について質問しました。
 経済財政諮問会議は、内閣の重要政策に関する基本方針その他の案件を発議することができると法で定められており、権限が明確化されて、総理大臣への恒常的な諮問機関として設置されています。
 その中の民間4議員は、この諮問会議の中で非常に大きな権限を持ち、また常に政策提起を行っています。4人のうちの2人は財界代表で、日本経団連の御手洗冨士夫会長、経済同友会の丹羽宇一郎氏です。
 今までこの民間4議員の果たしてきた役割というのは非常に問題がありました。例えば労働の問題にしろ税金の問題にしろ、すべて、民間4議員というのは財界の代表としての発言をしています。
 経済財政諮問会議には、労働の代表もいない、消費者の代表もいません。結局は、財界に直結した形で結論が出され、それが閣議決定に上げられるというています。
 佐々木議員は、経済財政諮問会議は「結局、財界の言いなりの形でそれが閣議で行われてきた、小泉内閣時代からそれが続いているというのが実態だ」と批判しました。

 その後、与党は、本会議の開会も強行し、3日未明に、与党多数の賛成で衆議院を通過させました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 きょうのこの予算委員会は、与野党の合意が得られない状況の中で、昨日の理事会で委員長の職権によって一方的に設定されたものでありまして、その強引なやり方に厳しく抗議をしたいと思います。
 今後、締めくくり総括を行うとか、あるいは採決を行うという話もありますが、それは絶対にやってはならない。きちっと予算委員会の機能を発揮していただきたい、十分な審議を行うべきだ、このことを述べておきたいと思います。
 具体的な質疑に入ります。
 大田大臣にお聞きしますけれども、経済財政諮問会議というのは内閣の重要政策に関する基本方針その他の案件を発議することができる、このように法で定められており、権限が明確化されて、総理大臣への恒常的な諮問機関として設置されたということであります。
 大田大臣自身は、竹中さんの大臣の時代にどういう仕事をされてこられたんですか。
○大田経済財政政策担当大臣 私は、平成14年4月から内閣府の職員といたしまして仕事をしておりました。経済財政分析の業務を行い、経済財政諮問会議に関連しては、その運営のまさに事務局として仕事をしておりました。
 最初は参事官として、企画、政策効果分析をやっておりました。15年から審議官として、景気判断、政策分析の仕事をしておりました。16年4月から政策統括官として、3人の政策統括官の一人として仕事をしておりました。
○佐々木(憲)委員 この経済財政諮問会議にはさまざまな方が参加されておりますが、その中で民間4議員というのがいますね。これは、この諮問会議の中で非常に大きな権限を持ち、また常に政策提起を行っております。
 私もいろいろ調べてみましたが、私は最近「変貌する財界」、こういう本を書いております。この中で、調べたら、民間4議員の連名で提案をした回数が圧倒的に多いわけです。例えば、2001年は22回、2002年は51回、2003年33回、2004年39回、2005年59回、2006年38回、ほかは、まあ数回か、各大臣があるいは十数回、こういうのが多いわけですが、民間4議員というのは、これは一体どういう性格の方々なんですか。
○大田経済財政政策担当大臣 諮問会議は、11名の議員のうち4割以上を民間有識者にすることになっておりまして、諮問会議の趣旨としまして、総理大臣のリーダーシップのもとで、有識者の意見を十分に反映させつつ、経済財政政策の重要な政策を調査審議する機関となっております。民間有識者は、毎回の諮問会議において、それぞれのテーマで、共同で、共同でない場合も過去においてございますが、議題についての御意見を提言なさる。そして、11名の議員で審議をいたします。
○佐々木(憲)委員 この民間4議員というのは、どういう方が参加しているんですか。
○大田経済財政政策担当大臣 個人の識見で総理が任命された4名の方です。御手洗冨士夫氏、丹羽宇一郎氏、それから伊藤隆敏氏、八代尚宏氏の4名です。
○佐々木(憲)委員 日本経団連の会長の御手洗さん、さらに財界の代表。ですから、4人のうちの2人は財界代表ですね。あとは学者の代表の方といいますか。それで民間4議員が形成されて、その4議員が常にこの間、連名の議案の提起をしている。
 その議案の提出の下作業を大田さんは大臣になる前、つまり竹中さんの時代にやられていたというふうにお聞きしますけれども、そういうことですか。
○大田経済財政政策担当大臣 民間議員が4名の名前でお出しになるか、お一人の名前でお出しになるか、あるいは2人にするかは、民間議員の話し合いによって決められるものです。
 私が内閣府勤務時代にやっておりましたのは、民間議員の御意見を集約しながら、民間議員提案のたたき台をつくるお手伝いはしておりましたが、最終的にペーパーをおつくりになるのは民間議員です。
○佐々木(憲)委員 民間4議員の実際上の事務局的役割を果たしておられて、その財界の代表の方々も含めた御意見を聞き、そしてそれを整理して、提案するペーパーにまとめていく。もちろん民間4議員の責任で出すわけですからね。しかし、それに深くかかわっていたということだと思うんです。
 さて、そこで、今度は担当の大臣になられたわけでございます。この担当の大臣になったときの姿勢、どういう立場でこの会議に参加されるか、これが今いろいろと問われると思うんですね。
 大臣になられた後に、これは新聞記事によりますと、インタビューを受けておられて、こういう質問がありましたね。諮問会議で政策立案する場合、事前に与党と相談しますか、それとも民間メンバーの案をたたき台に議論しますかという質問に、これはどうお答えになりましたか。
○大田経済財政政策担当大臣 そのインタビューの回答をつぶさには記憶しておりませんけれども、基本は、まずは諮問会議の運営をいたしますので、諮問会議に民間議員から提案がありましたら、それをベースに議論いたします。あるいは、他の閣僚、委員である閣僚、臨時議員である閣僚からの提案がありましたら、それをベースに議論いたします。
○佐々木(憲)委員 この質問は、政策を立案する場合に、事前に与党と相談しますか、それとも民間メンバーの案をたたき台にしますか、つまり、与党と相談するのか、民間4議員と相談するのか、どちらかということなんです。それをはっきり答えていただきたい。
○大田経済財政政策担当大臣 まず、諮問会議は政策立案の機能は持っておりません。調査審議の機能です。もしそう書かれているとしたら、その記者の書き方の誤りです。
 調査審議の場合は、有識者議員から提案がありましたら、それを議論いたします。これが政府の方針になる場合は、例えば骨太の方針あるいは「進路と戦略」は閣議決定をいたします。その閣議決定の段階では、政府・与党あわせて議論を取りまとめていきます。
○佐々木(憲)委員 歳出改革の工程表をいつつくるのか、こういうふうに問われたインタビューがあります。その中で大田議員は、新しい民間議員と相談してからだ、こういうふうにお答えになっているんです。つまり大田さんは、結局は、この民間4議員、つまり財界の代表の方々と相談をして進めていくというのがどうも基本的な方向らしい、このインタビューの答えによりますと。
 私は、今までこの民間4議員の果たしてきた役割というのは非常に問題があったと思いますよ。つまり、例えば労働の問題にしろ税金の問題にしろ、すべて、民間4議員というのは財界の代表としての発言をされております。そして、それをどう諮問会議の全体の意思にするか、そういうことをずっとやってこられているわけです。大田さんは、その民間4議員のお手伝いをされ、その事務局的役割を果たしてこられた。大臣になってからもそういう方向をどうもやられようとしているように見受けられる。
 大田さんが書かれた「経済財政諮問会議の戦い」、これをじっくりと私も読ませていただきました。この中で、大田さん自身がこう言っておられるんですね、「諮問会議の民間議員が特異な位置を占めるのは、みずからペーパーを書くという点にある。」と。「特異な位置」と言っているんですよ。それで、「原案が作成されたあとは、それに対する修正要求しかできなくなる。常に、原案の作成者が優位に立つのである。」と。
 つまり、経済財政諮問会議の運営の仕方は、まずは民間4議員が先んじてペーパーを提出する、これは、いわば財界の意向を反映しているわけです、もろに。それを、経済財政諮問会議の中で優位に立つ形でまずはつくって、そして、後はこれを修正するしかない、だからリーダーシップが確保できるんだ、こういうふうに言っているんです。
 それから、数の上でも、「10名の諮問会議メンバーのうち、官房長官と担当相を除けば8名。つまり、民間議員4名は、半分を占める力を持つのである。4名が名を連ねて一丸となれば、大きな力になる。」これは、結局、財界代表2人の意向の範囲内で、その意向に沿って経済財政諮問会議を運営していこう、このことを明確に、実際にそれをやってきた、そのことを示していると思うんですね。
 今後もそういう方向でやるということですか。
○大田経済財政政策担当大臣 私の本を読んでいただきまして、ありがとうございます。
 本のその部分ですけれども、まず、民間議員が紙を書くところに特別な点があるというのは、他の審議会との違いを書いております。他の審議会は、民間の方がメンバーであっても事務局がたたき台を書くことがほとんどですが、経済財政諮問会議の有識者議員ペーパーは、民間議員がみずから書きます。
 それから、修正をしないという点につきましては、あくまでも、事前に関係省庁の意見は受けないということで、調査審議の過程における話です。実際に政策決定をする場合は、あくまで総理の諮問機関ですので、総理にお答えする形になります。閣議決定をする段階では、事前に、諮問会議全体の意見の調整、あるいは政府内部、政府・与党の調整というのが当然ございます。
 それから、民間議員の立場ですけれども、総理が何回も国会で答弁しておられますように、あくまで個人の識見に基づいて総理が任命しておられます。
○佐々木(憲)委員 いろいろな弁解をしても、実際に大田さんが書かれているのを見ますと、みずからペーパーを書くというのが諮問会議の特異なものであった、特徴であると。審議会では事務局が答案を書き、委員はそれに意見を言う、しかし、この諮問会議の場合は、ペーパーを書くというところに非常に力点が置かれておりまして、それが議論の土台を設定するんだ、こういうふうにみずから書かれているじゃないですか。そして、原案が作成されれば修正しかできなくなるから、だから原案の作成者が優位に立つと。
 今までやってきたのは、実際、そういうことなんですよ。そこには労働の代表もいない、消費者の代表もいない。結局は、財界に直結した形での諮問会議の結論がそこから出されて、それが閣議決定に上げられるという形になっているんじゃないですか。結局、与党も無視、野党をもっと無視して、財界の言いなりの形でそれが閣議で行われてきた、小泉内閣時代からそれが続いているというのが実態なんですよ。
 ちょっともう時間がなくなってしまったけれども、ほかの大臣にも来ていただきましたが、この関連でずっとやろうと思ったんですが、まだ時間は十分、一般質疑も続くのかもしれないので、私は、この続きは後でまたやらせていただきたいと思います。

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