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税制(庶民増税・徴税), 金融(銀行・保険・証券) (消費税, 金融消費者保護)

2009年04月21日 第171回 通常国会 財務金融委員会 【512】 - 質問

借金財政を消費税で後始末する中期プログラム改訂を財務大臣が認める 「利用者保護 強めよ」資金決済法案で主張

 2009年4月21日、財務金融委員会が開かれ、佐々木憲昭議員は、税制「中期プログラム」の改訂について、提案されている資金決済法案について質問しました。



 佐々木議員は、大型補正予算を組んだ場合、約11兆円の国債が発行され、その処理のために政府の「経済危機対策」で税制「中期プログラム」の改訂を盛り込んだのではないかと追及しました。
 そのうえで、それは「国の借金の後始末に消費税を充てるための改訂だ」と厳しく批判しました。
 2008年12月24日に閣議決定された「中期プログラム」は、社会保障のために「消費税を主要な財源として確保」するとしていましたが、4月10日に閣議決定した政府の「経済危機対策」では、この「中期プログラム」の改訂を明記しました。
 与謝野馨財務大臣は、14日の記者会見で「相当な規模の補正予算になるわけだから、それから派生してくる問題も『中期プログラム』のなかでどのように後々始末をつけていくのかということも考えなければいけない」と発言しています。
 佐々木議員は、2009年度税制「改正」法の附則に、消費税増税と法人税減税の方向が明記されていることをあげ、「中期プログラム」の改訂は、「消費税増税の目的をさらにひろげ、財政赤字の穴埋めに使おうとするものだ」と強調しました。
 与謝野大臣は「歳入全体にわたり、どういう方向で考えていくのかということは、大変重要な問題だ」と答弁し、その意図を否定しませんでした。
 佐々木議員は「きわめて重大だ。社会保障財源に消費税をあてることにも反対だが、財政赤字のツケを国民に回すやり方は、絶対に許すわけにはいかない」と批判しました。


 資金決済法案は、電子マネーなど、急速に拡大する資金決済手段に利用者保護制度を設けるものです。
 佐々木議員は、日常生活における資金決済手段が、コンビニエンスストアなどの収納代行や運送業者による代金引換サービスに広がっていることをあげ、これらが規制の対象になるのかとただしました。
 金融庁の内藤純一総務企画局長は「対象にならない」と答弁するとともに、この法案では、これらの事業者が破たんした際の、利用者の資産保全義務が課せられていないことも明らかにしました。
 佐々木議員は、「消費者、利用者の保護の観点から問題がある」と指摘。金融審議会で関係業界の代表が、規制対象となることに猛烈に抵抗した結果だと批判した上で、今後の対応を求めました。
 与謝野馨金融担当大臣は「利用者保護や資金決済システムの安全性の観点から引き続き注視する」と答えました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず初めに、経済対策と財源問題についてお聞きをしたいと思います。
 昨年度は、秋以降、一次補正、二次補正、連続して予算の上積みが行われました。今年度は、本予算が3月に通った途端、4月には15兆円を超える大型補正が組まれる。このようなことは前代未聞と言っていいことだと思います。
 配付をした資料を見ていただきたいんですが、このところ、大変な規模の公債発行が続いております。21年度、今年度の一般会計は88兆5千億円、これに補正の15兆4千億円を加えますと100兆円を超えるわけであります。公債発行額は、そこにありますように、当初33・3兆円。
 補正で幾ら追加される予想でございましょうか。
○与謝野財務・金融担当大臣 財源でございますけれども、まず、財政投融資特別会計の金利変動準備金の活用で3兆1千億、建設公債7兆3300億、経済緊急対応予備費の減額8500億円、特例公債3兆4900億円程度でございます。
 したがいまして、公債の発行は、建設公債7兆3300億プラス特例公債3兆4900億でございます。
○佐々木(憲)委員 足しますと10兆8200億円、こういうことになる。約11兆ですね。これは極めて大規模な発行でありまして、33・3兆円プラス11兆円ですと44兆円程度でありまして、公債依存度は40%を超えるというふうに想定されます。
 では、税収はどのように想定されていますでしょうか。当初、46・1兆円としておられましたが、どうでしょうか。
○与謝野財務・金融担当大臣 税収は多分減ると思われますけれども、どのぐらい減るかということを、相当な確度を持って現時点で明らかにできない。それには、土台となる20年度税収の決算、21年度の課税実績、政府経済見通し、いろいろな要素がまだ決まっていないからでございますけれども、率直に申し上げれば、本年度の税収は見込みより減るというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 どの程度減るかというのは、なかなか想定というのは難しいとは思いますけれども、仮に3兆円減ったとして、43兆円程度の税収ということになると、公債発行よりも税収の方が小さいという事態も想定される。そういうおそれもあるんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○与謝野財務・金融担当大臣 残念ながら、そういう事態もないとは言えないと思っております。
○佐々木(憲)委員 そこで、今回の経済危機対策の内容を見ておりましたら、こういう表現がございます。「財政の持続可能性を確保する観点から、累次の経済対策として実施される措置を踏まえ、「中期プログラム」について、必要な改訂を早急に行うこととする。」こういう文章が入っているわけであります。
 このことについて、お配りした資料にもつけてありますが、資料の3枚目ですね。今読み上げたのは一番上に書いてありますが、二番目に、与謝野大臣が4月14日の記者会見でおっしゃったことをここに書いてあります。「経済・金融危機について、特に歳入面に対する影響は織り込まざるを得ないというふうに思っております。加えまして、今般、経済対策を新たに行い、相当な規模の補正予算になるわけですから、それから派生してくる問題も「中期プログラム」の中でどのように後々始末をつけていくのかということも考えなければいけない。」と。
 これは、どういう意味でこのようなことをおっしゃったんでしょうか。
○与謝野財務・金融担当大臣 中期プログラム自体は税法の附則に全部書かれておりますので、もともとの中期プログラム、税制の考え方は既に先生御理解をいただいておると思うんですが、その後起きたことというのは、世界的な不況、日本の経済も大変不振に陥った。また、歳入の状況も非常に悪い。また、幾つか今回の経済対策の中で社会保障にかかわるようなことも入っています。そういう全体を考えれば、中期プログラムを若干直す必要があるのではないか、そういうことを率直に言っているわけでございます。
 中期プログラムの議論が諮問会議でも始まると思いますし、その結果は、6月に決めます骨太方針の中に、持続的な財政、持続的な社会保障制度というような基本理念とともに書かれる予定でございます。
○佐々木(憲)委員 その中身は、歳入について何らかの増加を見込まなければならない、そういう方向性を明示するということだと思うんですが、どうですか。そういうことですか。
○与謝野財務・金融担当大臣 日本の例えば社会保障制度を持続可能にするためにどういうことが必要か、これはもともと我々心配していることですし、またきょう先生が御指摘になられましたように、日本の財政というのは借金が税収を上回るかもしれないという危機的な状況でございます。
 したがいまして、この我々の財政を持続可能なものにする、またいろいろなツケを後の世代に残さない、そういう面からは、歳入全体にわたってどういう方向で考えていくのか、これは大変重要な問題であるというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 歳入を全体としてどう考えるかというのは、要するに歳入をどうふやすかということだと思うんですけれども、資料の5ページ目を見ていただければ、これは東京新聞の4月11日付朝刊の報道ですけれども、「経済危機対策をめぐり、公明党内に与謝野馨財務相への不信感が広がっている。与謝野氏が同党への事前説明なしに、消費税増税論議につながる「中期プログラムの改訂を早期に行う」との一文を対策に盛り込んだためだ。」下の方に、「青天のへきれきとなった9日の公明党政調全体会合では「改訂とはどういうことだ」と質問が続出し紛糾。衆院選が近づくタイミングで、消費税増税を議論することへの拒否感から、党内には不満の声があふれた。」そういうふうに報道されている。これは報道ですね。そういうこともあり得るなと思ってこれを読んでおりました。
 つまり、中期プログラムを見直して改訂して、歳入をふやすという方向になりますと、当然、消費税の増税論議、消費税の増税ということを、今までの範囲ではなくさらに広げなきゃならぬ、そういうことにつながるのではないかということでこういう議論が出ているんだと思いますが、与謝野さんはどのように考えていますか。
○与謝野財務・金融担当大臣 ただ普通のことを経済対策の中で書いただけでございまして、なぜそういう、報道されているような不満があったのかということは、今もよく理解できないでいるわけでございます。
 むしろ自民党の方は、もっとはっきり強く書けという意見もありましたが、この辺でいいところではないかという表現ではないかと私は思っております。
○佐々木(憲)委員 お配りした資料の3枚目の下の方に中期プログラムというのを引用しておりますが、「社会保障安定財源については、」「消費税を主要な財源として確保する。」こういうふうに書かれているわけです。それから、より下の方には、「2010年代半ばにおいては、基礎年金国庫負担割合の二分の一への引上げに要する費用をはじめ、上記二に示した改革の確立・制度化及び基礎年金、老人医療、介護に係る社会保障給付に必要な公費負担の費用を、消費税を主要な財源として安定的に賄う」、こういうふうに書かれているわけですね。
 この中期プログラムの消費税の位置づけは、ここで明らかなように、社会保障財源に限定をするという書き方をしているわけです。
 この内容が、次のページの所得税法等改正案の附則、所得税法、今回改正されたその附則の中に、104条ですけれども、同様なことが書かれています。ここでは、基礎年金の国庫負担二分の一の財源、年金、医療、介護など社会保障給付、それから少子化に対処するための施策、こういうものを賄うために、消費税を含む税制の抜本的な改革を行う、このように書かれているわけです。
 何らかの税収をふやさなければならない、こういうことになりますと、増税の方向を明確にしているのはこの消費税だけなんですね。
 法人税についてはどういうふうになっているでしょうか。法人税は引き下げを検討する、こういうふうになっているんじゃないでしょうか。
○与謝野財務・金融担当大臣 手元に原文がありませんので考え方だけ申し上げますと、国際的な水準を見ながら法人税制の方向を決めていく、こういうことになっていると思います。
○佐々木(憲)委員 法人税の引き下げという表現が明確に書かれているわけです。附則にもそういうものが盛り込まれているわけですね。そうすると、法人税を今まで以上に上げるわけじゃないわけですね。
 それでは、所得税はどうでしょうか。所得税というのは、これは高額所得者の部分を少し、応分の負担をしてもらおうというお話をお聞きしました。下の、所得の低い階層の方も若干手当てをして負担の軽減を図ろうという話がありますが、大体そんなようなことですから、抜本的に所得税で税収がふえる、これは想定できないと思うんですが、いかがですか。
○与謝野財務・金融担当大臣 附則に書かれていることは、所得税に関しては、最高税率を再考するということと所得税制の所得再分配機能を強化する、この二点でございます。
○佐々木(憲)委員 そうなりますと、税収をふやそう、歳入をふやそうということになりますと、これはもう消費税を増税する以外になくなるわけです。
 今までの表現では、消費税は社会保障に限定して、それを賄うために上げるんですよという表現でした。我々は、社会保障の財源として消費税を増税することにもともと反対です。それは我々の主張ですけれども、政府の主張、政府のこれまでの考えとしては、社会保障に充てるためというのが限定的に書かれていたわけです、今紹介したように。
 しかし、何らかの歳入増、税収を上げなければならない、こうなりますと、法人税は下げる方向で検討する、所得税は所得の再分配の方で検討するから、そこの枠の中からは税収はそんなに、抜本的に増税は考えられない。そうなりますと、後始末のために消費税を使うというしか結論は出てこないんじゃないですか。与謝野大臣、どうですか。
○与謝野財務・金融担当大臣 後始末に使おうということは書いてないので、今回の経済対策も、社会保障的な要素は入っていますと。こういうものはやはり、借金しっ放しでいいのかという問題が実はあるわけです。
 ただ、消費税に関しては、別に考え方を変えたわけではありませんで、やはり年金、医療、介護及び少子化対策の特定財源としてお願いをするということは変わってはおりませんし、また、これを財政再建のために増税するという考え方も、別に新しく入ってきているわけでもありません。
○佐々木(憲)委員 後始末というのは、与謝野大臣が4月14日の記者会見で、今まで補正が組まれるということを繰り返してきたために、中期プログラムの中でそれを後々始末をつけていくというようなことで表現されているわけですから。
 つまり、赤字がこれだけ大きくなる、国債の発行が非常に大規模なものになる、それは放置してはおけない、後々始末をつけなければならない。その始末のつけ方として、当然、歳入を図るということにしかならないわけですから、その手段として、法人税は下げる、所得税は収支とんとんとして、あと歳入をふやすのは消費税しかなくなるわけであります。
 ですから、何を見直すのかといえば、我々が想像するに、これはもう消費税の増税ということしかなくなってくるわけで、そうすると、消費税の対象を社会保障に限定している、そういうやり方は外すという表現をとりたいということが、論理的に言えば、そういう方向しか考えようがないわけであります。大臣はいろいろと、ここをあいまいに表現したいというふうに今思っておられるのかもしれませんが、それ以外に考えようがないわけなんですね。
 ですから、私は、この中期プログラムの改訂ということは、結果的に消費税の増税をさらにエスカレートさせるということにならざるを得ないので、これは極めて重大な危機対策であり、また、こういうツケを回すようなやり方は賛成できないというふうに考えております。
 これ以上ちょっとここでは、また後で、こういうことについては議論をしていきたいと思います、補正予算の審議もありますので。
 では次に、法案の中身について確認をしたいと思います。
 まず、為替取引の定義でございますが、これは最高裁の判例で、「「為替取引を行うこと」とは、顧客から、隔地者間で直接現金を輸送せずに資金を移動する仕組みを利用して資金を移動することを内容とする依頼を受けて、これを引き受けること、又はこれを引き受けて遂行することをいう」、これが最高裁の平成13年の決定であります。
 資金移動サービスとこの為替取引というものはほぼ同じ意味だと思いますけれども、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○内藤政府参考人(金融庁総務企画局長) そのように考えております。
○佐々木(憲)委員 現在行われているさまざまな資金移動サービス、その内容は、収納代行サービスですとか代金引きかえサービスというものでございます。
 今、資料をお配りしておりますが、その一番最後のところ、これは先日もお配りしたんですけれども、「決済に関する新しいサービスの具体例」というところで、収納代行サービス、代金引きかえサービスというのがあります。これは為替取引であるということになるわけですね。
 そうすると、金融庁、政府としては、この部分は当然、為替取引として新たに法の規制の対象としたい、こういうことで議論を始めたのではないかと思います。これは金融審議会金融分科会第二部会で集中的に議論されておりますが、金融庁はそういう姿勢で臨んだというふうに理解してよろしいですね。
○内藤政府参考人 まず、私どもとしては、現在、為替取引というものが銀行のみに限られているという問題がございまして、以前から常々、銀行の手数料が高いだとか利便性が悪いとかいうふうなことで、改善をすべきである、為替取引というものをより銀行以外の者に広げていこうということで利用者利便を高めていく、そのためにはどういうふうな制度の設定の仕方をすればいいかというところから議論が始まりまして、それで、為替取引というものについて、今回、資金移動業というような業を設定いたしまして、新たにこの法案の中に盛り込ませたというところでございます。
 その中で、これにいわば類似したような、関連したサービスというものがいろいろ現実にはございましたので、それも含めて、この中に入れるのかどうかという形で金融審議会で検討してまいったわけでございます。
○佐々木(憲)委員 ということは、この資金移動サービスというのは為替取引に当たり、そして、これはこれまで銀行のみが行っていたものでありますが、ほかの業態もこういうことを事業として広げてきた、したがって、本来、そういうものも対象にした一定の法の規制の対象、一定のルールのもとでそれが行われるようにしたいということだと思います。
 これは、金融審議会で決済システム強化推進室長をされていた高橋さんが報告しているのを見ましても、代金引きかえサービス、収納代行と資金移動サービス、この議論がいろいろされていますが、要するに、これは資金移動サービスの性格があるかと思っておりますというふうにおっしゃっているわけです。つまり、資金移動サービスであると。
 本来ならこれは対象にしなければならないわけですが、今回の法案では、収納代行サービスと代金引きかえサービス、この六枚目の表の中で、これは対象になったんでしょうか。
○内藤政府参考人 この表の中の収納代行サービス及び代金引きかえサービス、これらについては対象にしておりません。
○佐々木(憲)委員 これが非常に不思議なわけですね。
 金融庁は、最初は、これを法の対象にしたいということで問題を提起されたんだけれども、実際にはこれは入らなかった。これは何で入らなかったのか。私は、業界の関係者が猛烈な抵抗をしたというのは、議事録を見て非常によくわかりました。
 例えば、日本フランチャイズチェーン協会は、「コンビニ収納代行サービスへの規制強化が引き起こす問題点について」などという文書もそこで配り、収納代行サービスは為替取引ではないとか、それから全日本トラック協会は、金融規制は経営コストのさらなる負担の増加を伴う、断固として反対いたします、こういう要望を出していたり、あるいはヤマト運輸の代表の方は、代引きが収納代行の一類型であるという誤った理解に基づいて代引きに法規制をかけるべきではない、こういうことを主張したり、日本百貨店協会は、取引実態から見れば為替取引に該当するとは考えにくい、安易に代引きや収納代行サービスを規制することには問題があり、慎重に考えていただきたい。日本通信販売協会、これも意見書を出していまして、規制には反対である、こういうふうに言っている。ヤフーですとかの代表も、イノベーションを阻害する要因になる。ともかく、各業界がわっと猛烈な反対なんですよ。
 しかも、規制改革会議というところが、収納代行、代引きサービスは新たな規制の対象とすべきではない、こういうことまで強烈に主張をしております。コンビニエンスストア業界やトラック業界、宅配便業界としても、そういう対象にすべきではないといって反対をしております。それだけじゃありません。国土交通省自動車交通局、代引きに為替取引に係る規制を行うことは適切ではないと、今度はほかの省庁の官僚からも反対論が出る。
 ともかく、金融庁が最初、これははっきりした法的な対処ができておらないので何とかしたい、こういうことを言った途端にばっとあちこちから反対論、関係者ですよ、そういうことで結局、今回規制の対象にできなかった、これが実態だと思うんですね。
 与謝野大臣、この実態についてどうお考えですか。
○与謝野財務・金融担当大臣 物を決めますときには、やはり関係者、関係団体の意見を聞いて、円満な方向で物を決めるという作業をしたことは当然のことだと私は思っております。
○佐々木(憲)委員 作業をするのは別に悪くはないんですね。作業をした上で、説得して、これは何らかのルールを持たなければならない、こういうふうに法改正を行っていくというのが筋だと私は思うんですね。どうも、業界に対して弱過ぎるというふうに言わざるを得ないと私は思います。
 具体的に、例えば資産保護という点について言いますと、代金収納サービスとか宅配業者の代金引きかえサービスについて、資産保護は法律上きちっとされているのかどうか、まずその辺を確認したいと思います。
○内藤政府参考人 いわゆる収納代行サービスや代金引きかえサービスにつきましては、事業者が破綻した場合の資産保全につきましては、法律上、事業者に対して資産保全の義務が課せられているものではないと承知しております。
 なお、当庁といたしまして、すべての事業者について把握しているわけではございませんが、ヒアリングや報道等によりますと、信託により自主的に資産保全を図っている例もあるように聞いておりまして、特段の資産保全を行っていない例もあるというふうにも承知しております。
○佐々木(憲)委員 ですから、これ一つとりましても、消費者、利用者からいいますと、もし倒産をしたようなことがあった場合、自分の資金移動を依頼した本人は、この資金が保証されない、相手方に届かないという危険性もあるわけです。
 今後の対応ですけれども、こういう問題についてどういうふうに今後検討されていくのか、最後に与謝野大臣に見解を伺いたい。
○与謝野財務・金融担当大臣 いわゆる収納代行サービス等については、為替取引に当たるか否か意見が分かれるところであり、本法案においては、これを対象とした制度整備は特に行っておりません。
 他方、必要な場合に適切な対応をなし得るよう、これら事業者について、利用者保護や資金決済システムの安全性等の観点から、引き続き注視してまいりたいと考えております。
○佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

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