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金融(銀行・保険・証券) (金融機関の破綻)

2003年12月04日 第158回 特別国会 財務金融委員会≪閉会中審査≫ 【216】 - 質問

足利銀行は金融庁が破たんさせた「増資に応じた善意の出資者を救済せよ 」

 足利銀行の破たん・一時国有化という突然の事態は、地元栃木県はもちろん全国にきわめて大きな衝撃を与えました。
 栃木県内の中小企業数は約4万5000社にのぼり、そのうち約6割が足利銀行と何らかのかたちで取引があるといわれており、影響はきわめて大きなものがあります。
 この事態を受けて2003年12月4日に急きょ財務金融委員会が開かれ、佐々木憲昭議員が質問に立ちました。
 佐々木議員は、金融庁がこれまで適用したことがない厳しい基準で足利銀行を破たん追い込んだことを事実経過と関係者の証言から明らかにして金融庁の責任をただすとともに、足利銀行を支えようと過去2回にわたって増資に応じた地元の出資者を救済するよう求めました。

 佐々木議員は「銀行側の主張を退け、金融庁が厳しい査定を押し付けた」ことが原因だと追及。1999年と2002年に善意の増資を引き受け、無価値となった株を保有する法人・個人の合計が1万5126件にのぼる資料も示して、被害補償対策を政府に強く求めました。
 金融庁の査定に関しては、関係者の話をもとに、前回まで採用されていなかった資産の価値を小さく評価する「収益還元法」を金融庁が強引に押し付けた経緯があると指摘。金融庁の佐藤隆文検査局長は「物件の性格に応じて違う」と述べるだけで、事実を否定できませんでした。
 また竹中平蔵経済財政・金融大臣は「当事者間(銀行と監査法人)の問題だ」との発言を繰り返し、責任を回避しました。
 佐々木議員はさらに、「増資をした分がすべて紙くずとなり、地元では大変な事態になっている」と地元の悲痛な声を紹介。足利銀から提供された資料をもとに、増資に応じた個人が企業数の4倍にものぼることを示し、政府の対応をただしました。これに対し竹中大臣側は「融資なども含め対応したい」と答弁するにとどまりました。
 委員会審議では、栃木県選出の自民党議員からも「大手銀並みに査定するように方針が変わったのではないか」との疑念が表明され、「同じ手法が地方銀行にとられていくのか」といった質問が相次ぎました。

 2004年1月14日にも、財務金融委員会で閉会中審査が行われ、足利銀行破たん問題での参考人質疑が行われました。参考人の日向野善明足利銀行元頭取、上野紘志中央青山監査法人理事長にたいし、佐々木憲昭議員が質問しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 この足利銀行の破綻、一時国有化という突然の事態は、栃木県民はもちろんですけれども、全国的にも極めて大きな衝撃を与えております。栃木県内の中小企業の数は約4万5千社に上っておりまして、そのうち約6割が足利銀行と何らかの形で取引があると言われております。影響は極めて甚大である。
 どうしてこういう事態になったかということでまずお聞きしたいんですけれども、金融庁は9月の2日から11月11日まで立入検査をしたそうでありますが、この2カ月以上にわたる検査を通じまして、足利銀行との間で一番大きな争点になった点は何かという点について、大臣に一言お答えいただきたい。
○佐藤政府参考人(金融庁検査局長) 個別の検査の詳細な内容については言及を差し控えさせていただきたいと思いますけれども、今回の場合も含めて、一般的に、検査においては、信用リスクの管理の中で、債務者区分が適切であるかどうか、担保評価が妥当であるかどうか、あるいは引当金を算出するための予想損失率の算出が適切であるかどうか、こういったことが一般的に主要な論点になるというふうに存じております。
○佐々木(憲)委員 あしぎんフィナンシャルグループが11月30日に、株主、顧客あてに出した文書というのがありまして、こういうふうに書かれているんですね。「先日まで、金融庁の検査を受けておりましたが、その検査結果は大変厳しいものでございました。」「検査におきましては、個別の債務者区分、引当率の算定方法など、当方の考え方と相違する点が多々ございました。」「最終的に当方の主張が認められたのはごく一部にとどまり、11月27日に検査結果通知を受領」、こういうふうに書かれているわけですね。
 要するに、銀行側の主張を退けて金融庁が厳しい査定をいわば押しつけた、こういう経過ですね。
○佐藤政府参考人 立入検査のプロセスにおきましては、私どもの検査官と銀行の担当者の間で、先ほど申し上げたような債務者区分だとか担保の評価だとか予想損失率だとか、そういうことについて一つずつデータに基づきながら議論をしていくということでございまして、銀行側の方もそれぞれの主張をしていただき、検査官の側も主張をする。その中で、合意に至るものが多いわけでございますけれども、認識が異なるケースもあり得るということでございます。
 そのときに、検査官の意見がやみくもに、強制的に押しつけられるというような仕組みではございませんで、検査官の仕事はまさに、銀行の担当者に自分の考えているロジックをきちんと納得してもらうということが大きな仕事であるわけです。それで、最終的に立入検査終了までの間に銀行側と立入検査班との間で合意が成り立たなかった場合には、そういう場合に備えて私どもは意見申し出の制度というのを設けておりまして、意見申し出を銀行の側が納得いかない部分についてお出しいただける、そのお出しいただいた部分については、検査班とは別の、私ども検査局の中の部局が審理をして結論を出す、こういう仕組みがあるわけでございます。
○佐々木(憲)委員 認識が異なって納得が得られないという場合、合意が成立しないわけですから、その場合には意見を出すこともできると。しかし、この銀行側の主張というのは、そういう異議申し立てもほぼ認められなかった、最終的には金融庁の判断で押し切られる、実際上そうなっているわけですね、結果を見ますと。
 そこで、融資先の企業を評価する方法として、いろいろあると思うんですけれども、一つは、業況悪化をどの程度に見るか、二つは、担保価値はどうなっているか、それから三つ目に、担保の評価方法として何を採用するか、これで大きく変わってくるわけであります。
 例えば、業況判断についていいますと、金融庁の検査というのは3月末を基準にしている。冬場の冷え込む時期で、業況も悪くなるわけですね。銀行側は、春から夏にかけて改善している、それを見るべきだ、こういう主張をしたというふうに我々は聞いております。しかし、金融庁は、3月末以降は一切考慮しないんだ、こういう態度で押し切ったということであります。
 それから、担保評価の方法ですけれども、銀行側は、不動産鑑定士の評価による従来どおりの積算法を主張した。ところが、金融庁は、収益還元法を採用するように、こういうふうに言ってきた。収益還元法によりますと、その土地からどれだけの利益が上がるかということで見るわけですから、価値は大きく下がるわけですね。この方法の違いだけでも大変大きな違い、格差が出てくるわけであります。
 そこで、少し具体的に聞きますけれども、前回までの足利銀行に対する検査で収益還元法を採用したことはありますか。
○佐藤政府参考人 担保評価につきましては、午前の質疑でもお答えしたわけですけれども、不動産鑑定士の鑑定あるいは近隣の売買実例、あるいは再取得価格によるいわゆる積算価格、それから収益還元法、さまざまな手法がございまして、この中で、物件の性格に応じてどれを使うのが一番いいかということで議論をするわけでございます。
 それで、担保評価については、実績が結果的に出てくるというケースがあるわけでございます。当該債権の債務者が破綻をして実際に担保の処分をした結果、計上していた評価額よりもはるかに小さな金額でしか売却できなかったということで、いわば担保不足という実態が後から出てくることがあるわけでございます。こういった場合にはどういう形で担保の評価をしたらいいかということを当然議論するわけでございます。そういう中で、収益還元法といったことも一つの手法として使われるということでございます。(佐々木(憲)委員「質問に答えて。前回まであったのかなかったのか」と呼ぶ)
 前回、この手法を使ったかどうかにつきまして、ちょっと今手元に確認できる材料がございませんので、後ほど、確認をさせていただいてお答えをさせていただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 収益還元法というのは、この当事者に私聞きました、採用されていないんですよ、前回までは。ところが、今回初めて収益還元法でやれ、こういうことが金融庁から押しつけられたと、渡辺議員も午前中質問されていましたけれども。
 そういう状況で、結局、例えば日向野善明あしぎんフィナンシャルグループの社長は、「収益還元法など地銀には適用していないやり方を幅広く適用され厳しいと感じた。金融庁の方針は、より保守的に見るために引き当ての厚みを増すということだった」、これは日経金融新聞12月1日付ですけれども、こう述べているわけです。ですから、収益還元法を、前回採用していないものを今回採用してかなり幅広く適用した、これは事実でしょう。
○佐藤政府参考人 個別の詳細にわたる内容でございますので、できるだけお答えを差し控えたいと思うんですけれども、先ほど申し上げましたようなプロセスの中で、物件の性質に応じて、どういう評価方法が一番いいかということを銀行側と検査官の間で議論するわけでございます。そういう中で、収益還元法というのも一つの手法として議論されたということでございまして、幅広く収益還元法を適用したというようなことは必ずしも当たっていないと思います。結果的に、収益還元法を使った評価を採用したのはごくわずかでございます。
○佐々木(憲)委員 資料も提出しないでごくわずかとか、よくそういうことが言えると思うんですね。私が調べたところによりますと、担保評価方法を厳しくしたことによって引き当て増になった分というのは全体の3割を占める、その金額は150億円になる、こう証言しております。極めて大きな要因なんですよ。
 結果を見ると、あなた方が銀行や監査法人の意見を押し切って厳しい査定を行って、結果として、それに見合う引当金の積み上げを求めた、そして債務超過に追い込んでいった。金融庁が足銀をつぶしたんですよ。だれもこれは否定できないと思いますよ。
 委員長、ここで、こういう問題も含めまして、足銀破綻の真相を明らかにするために、フィナンシャルグループの社長、それから監査法人の責任者、自治体の長、商工会議所会頭など地元関係者、既に野党側は要求しておりますけれども、参考人として当委員会に招致されることを要請したいと思います。
○田野瀬委員長 委員長に一任になっておりますので、よく判断いたします。
○佐々木(憲)委員 決定的なのは、繰り延べ税金資産の計上を認められなかったということであります。繰り延べ税金資産を3月末より180億円減額して、約1200億円計上するという考えで、監査法人も当初はこれを容認するという姿勢だったわけであります。現に業務純益はふえ続けてきている。ところが、11月26日の夜を境に事態は急変するわけです。その夜に監査法人の審査会が開かれて、その時点から、監査法人の態度がそれまでとは一変するわけであります。
 次の日の朝、27日の朝、この日は金融庁が3月期決算についての厳しい検査結果を足利銀行に通知する、その日でありますが、その直前に、監査法人は一転して、足銀に対して繰り延べ税金資産の全額否認を通告した。このことについて関係者は、このように突然豹変するのはどうしても納得できない、こう言っているわけです。
 3月期決算について、どうしてそういうふうに債務超過という検査結果が出てきたのか。そしてまた、それに基づいて監査法人自身の態度も変わる。この点について、日本公認会計士協会の奥山会長はこう言っているんですね。これは毎日新聞の12月2日付ですけれども、3月期決算について、債務超過という検査結果が出た以上、9月期中間決算で繰り延べ税金資産全額を今までと同じように認めたら、そんな甘い決算をだれが認めたんだと批判を受ける、だから全額否認という態度に変えたという趣旨の発言をしております。
 つまり、債務超過という検査結果が出た以上、繰り延べ税金資産の今までの容認の態度を変えざるを得ないんだ、こういうことをはっきり言っているわけですね。これが破綻への決定的な引き金になった。金融担当大臣、そうじゃありませんか。
○竹中金融担当大臣 委員、いろいろ御指摘してくださっておられますが、金融庁がどこどこをつぶしたとか、そういう性格のものでは全くないということは、これはぜひ正確に御認識をいただきたいと思います。
 我々はしっかりと検査をいたします。その検査は、プロセス全部を申し上げるわけにはその性格上いきませんけれども、従来と同じような尺度でしっかりと行ってきた。その検査の中身そのものについて、先ほども申し上げましたように、しっかりとした内部でのファイアウオールが設けられていて、まさに独立して検査を行ったという事実、この点は御理解をいただきたいと思います。
 また、今も、その監査法人が一夜にして一変した、豹変したというようなお話がございますが、ここは当事者の間でいろいろ意見の相違があったのかもしれません。当事者の間で意見の相違があったときに、いろいろな議論をしているときに、一方の意見だけを我々としてはそのまま聞くわけにもいかないのではないでしょうか。しかも、銀行と監査法人という社会的な立場を担った人たちでありますから、そこはやはりしっかりと合意をしてくださったんだと私は思います。だからこそ、みずからの意思で銀行は、繰り返し言いますが、債務超過であると、破綻の申し出をしてきたんだというふうに考えます。
 会計士協会の会長のインタビュー、新聞記事等々でしか存じ上げておりませんけれども、私、趣旨そのものを正確に把握をしておりませんが、会計士としては、当然、独立した監査法人として、公正妥当な会計基準に基づいて、プロフェッショナルとしての責任を果たしたものであるというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 金融庁の態度というのは、今までやったことのない厳しい査定を行った。採用した方法も、今まで採用したことのない、例えば、土地担保の評価などについても、収益還元法を採用し、それを押しつけた。したがって、引当金をたくさん積まなきゃならない。その結果、全体として債務超過に追い込んだわけですよ。最初の監査法人と銀行側の考え方とは全く違う考えを持ち込んで、債務超過に追い込んだ。金融庁がつぶしたんじゃないですか。そういう形で、結果としてこういう被害が生まれてきた。これは地元では公知の事実なんですね。
 関係者の話からいえば、監査法人の態度が豹変したと。26日の夜です。25日に通常、決算の発表をするという日だったわけですね。それを、ちょっと待てと、待てと言ったかどうかは別としまして、その日はやらなかった。結局、26日の夜に監査法人が態度を変えて、27日に、繰り延べ税金資産は一切認めませんと。
 なぜそうなったかといえば、3月期決算についての金融庁の検査結果が債務超過だということがそこで伝わったからですよ、どういう形でどうしたか、私、知りませんけれども。この公認会計士協会の奥山会長の発言は、まさにそのことを物語っているわけであります。
 金融庁に責任がないかのようなことを言いましたけれども、もしも、例えばこの繰り延べ税金資産を180億円程度の減額で1200億円計上する、こうなりますと、監査法人も予定どおりそれを容認していれば債務超過にはならないわけであります。破綻することはなかったんです。金融機関が自発的に債務超過を申し出たんだと盛んに言いますけれども、これは事実と全然違うわけでありまして、その原因は金融庁がつくっているんです。
 もちろん、銀行の経営者の責任もあります。それから、全体の景気が低迷しているという事態もあります。そういう事態もあるけれども、しかし、やり方として、こういう形で強引にやったら当然破綻する。だから、栃木の福田知事も、国という強力な権力にねじ伏せられた、こういう表現をしているわけであります。私は、こういうやり方というのは極めて重大だというふうに思います。
 本来、大銀行と地域密着型の金融機関というのは性格が違うわけです。ことし3月27日に出されました金融審議会金融分科会第二部会、リレーションシップバンキングの機能強化に向けてという報告がありますけれども、この報告を見ましても、地域金融機関というのは、営業地域が限定されている、特定の地域、業種に密着した営業展開を行っている、中小企業または個人を主な融資対象としている、こういうふうに指摘をいたしまして、「わが国の地域経済の厳しい現状等を踏まえれば、」「地域の中小企業への金融の円滑化、地域経済の活性化のために質が高くアクセスが容易なリレーションシップバンキングが果たす役割は引き続き大きいものと期待される。」こう言っているわけですね。
 ですから、地域経済への貢献という側面をしっかり踏まえて、何も厳しく査定をしてつぶすのが本来の目的ではないはずです。地域金融機関というものはやはり国が支えていく、そしてしっかりとその地域に貢献をさせていくというのが本来の政府の政策のあり方じゃないですか。そういう方向と全く違うことを今回やっている。
 私はこの地域金融機関の特性を踏まえた対応をすべきだと思いますけれども、大臣はどうお考えですか。
○竹中金融担当大臣 地域の特性を踏まえた、他でわからないような地域に密着した定性的な情報を踏まえた、しっかりとした地域に根差したバンキングを行っていただきたい、これがまさに我々のリレーションシップバンキングの目指すところです。そこは全く異存ございません。
 ただし、その場合に、資産の査定がいいかげんであっていいということでは全くないと思います。残念ながら、ここは信用リスクの管理が極めてずさんであって、そのずさんさを指摘されて、今回、検査から厳しい指摘を受けた。これはしかし、そういうやり方が問題だとおっしゃいますが、やはりきちっと検査をしないと、結局は、こういう状況をもしほっておいたら、被害を受けるのは預金者ではないでしょうか。
 その意味では、リレーションシップバンキングの中にも、資産査定、信用リスク管理の厳格化というのは我々は掲げております。地域に根差したしっかりとした地についた信用創造活動はやっていただきたい。しかし同時に、信用リスクの管理はしっかりやっていただきたい。我々は、やはり検査と監督を通してその両立を目指していく、これがリレーションシップバンキングであるというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 あなた方のやっているのは、地域金融機関を生かしてその中身を改善していくという立場ではないのですよ。資産査定を厳格化し、収益至上主義で、利益が上がらない、資産が悪い、これは債務超過だ、ばっさばっさとそういう形で、上から押しつけて、地域金融機関を破壊しているというやり方なんですよ。何でこれが地域経済への貢献なんですか。地域の不安が広がるだけじゃないですか。
 竹中大臣のこのリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムというのを見ましても、本当にこれは資産査定の厳格化。それは厳格にするというのは別にそう全面的に否定するつもりはありませんけれども、しかし、問題なのは、そういう相手先に対してどういうふうに地域金融機関としての金融機能を果たしていくのか、金融の公共的な役割をどう強化するかということでなければならぬのですよ。
 ところが結局、償却、引き当てをどんどん積み上げていく、厳格化して、そういう形でやっていくということになりますと、金融機関自身の破綻につながるということになるわけでありまして、私は、今の金融庁のやり方というのは、地域金融機関を本当に改革し地域金融機関の機能を発揮させるという方向ではないと思います。それを否定する方向に行っている。
 今、地元では大変な事態になっておりまして、増資に応じた分がすべて紙くずになるということで、甚大な被害を受けて、だまされたという声があります。例えば、下野新聞などを見ますと、結局だまされたと、500万円分の優先株を取得したという年配の女性の記事が載っております。「言葉を詰まらせ、さらに続けた。「借金して普通株もさらに500万円分買ったのに。親戚も集まって、みんな泣いています。夜逃げするしかない。」電話の向こうですすり泣きながら訴えていた。」という報道です。これが実態なんですね。
 この優先株、それから第三者割り当て株式の実態についてお聞きしたいんですが、自治体、これもかなり増資に応じております、それから企業、個人、それぞれ増資に応じた件数、金額を明らかにしていただきたい。
○竹中金融担当大臣 発行済み株式が8億8500万株でございます。うち、地公体保有株式が587万株でございます。優先株については、発行済み株数が2億9500万株、うち、地公体保有優先株が80万株でございます。
○佐々木(憲)委員 今資料をお配りしましたが、これは足利銀行から提供された資料であります。99年と2002年の2回の増資がこういう状況でありました。
 件数は1万5126件、そのうち企業は3693件ですけれども、個人はその4倍の1万1433件であります。これは大変な数なんです。個人で出した金額で一番多かったのが100万円から300万円、3744人。1千万円から3千万円の規模で増資に応じた人は548人。3千万から1億未満は合わせて24人。1億円以上も四人いる。これ全部紙くずですよ。
 商工会議所も、血も涙もないやり方だと言ってかんかんに怒っている。例えば、足利銀行の株を担保に融資を受けた企業もあるんです。担保が全部紙くずになっちゃった、融資も吹き飛んでしまう。
 金融庁は、こういう事態をもたらした責任をどう感じているのか、どう果たそうとしているのか。この被害者に対して被害補償をするという立場で取り組むべきだと思いますけれども、いかがですか。
○五味政府参考人(金融庁監督局長) 出資という形でお金をお出しになったわけでございますので、これが毀損した場合に、今回の足利銀行の破綻の申し出に伴う預金保険法102条の措置では、これは救済のしようがないということでございます。
 ただ、おっしゃいますように、保有の株式が実質的に無価値になったことに伴う資金繰りですとか、あるいは借入金の返済ですとか、そういったことについて困難が生じ得るような債務者の方についてどんなことができるかは、真剣に考える必要があると考えております。
○佐々木(憲)委員 大臣、関係省庁と連携をとってというふうに先ほど言いましたけれども、こういう方々に対して、単に融資だけではなくていろいろな措置が必要だと思います。具体的な措置を検討するようにお願いしたいと思います。
○竹中金融担当大臣 株主の心情を思うと、これはやはり大変遺憾なことであるというふうに思います。
 さはさりながら、株というのはやはり持ち分である。その持ち分が債務超過でマイナスになっている状況下で、一体どういう対応策が可能なのか。先ほど局長が申し上げましたように、我々としても、連絡会議等々で、資金繰り等々、できることは何かということはしっかりと議論をしたいと思います。
○佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、終わります。

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