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税制(庶民増税・徴税), 財政(予算・公共事業) (消費税)

2009年02月20日 第171回 通常国会 財務金融委員会 【492】 - 質問

消費税増税法案を「来年通常国会にも提出」と与謝野財務大臣が明言

 2009年2月20日、財務金融委員会が開かれ、17日辞任した中川昭一前財務・金融担当大臣の後任、与謝野馨財務・金融・経済財政担当大臣に対する質疑、09年度予算関連法案質疑が行われました。

 佐々木憲昭議員は2回にわたる質問で、与謝野馨財務・金融・経済財政担当大臣に、消費税増税についての見解を質しました。
 与謝野大臣は、消費税増税法案を「来年の通常国会に提出したい。遅くとも2011年だ」と明言しました。
 また、次の総選挙では、消費税増税が「大争点になる」と述べました。
 佐々木議員は、「低所得者ほど負担が重く、中小企業の営業を破壊する消費税の増税は絶対にやるべきではない」と強調しました。
 また「庶民には増税を押しつけ、大企業・大資産家は減税する政治の方向が間違っている」とのべ、ゆき過ぎた法人税減税の見直しや證券優遇税制の廃止を求めました。
 佐々木議員は、「消費税は所得の低い人ほど負担が重くなる逆進性がある」と指摘したのに対して、与謝野氏は消費税の逆進性を認めました。
 しかし、税率を上げて社会保障給付を充実させると「逆に低い所得の方が手厚い給付を受ける」と述べました。
 佐々木議員は、消費税導入の時も消費税増税の時も「社会保障のため」と言われてきたが、「実際には、社会保障制度は削られ続けてきた」と、医療、介護、年金、障害者支援などの具体的事例を挙げながら厳しく批判しました。
 そのうえで、社会保障費の伸びを毎年2200億円抑制してきた方針を改めるよう求めました。
 これにたいして与謝野大臣は「06年の『骨太の方針』に書いてある原則だ。ここでやめるとは言えない」と強弁し、社会保障費の抑制を続けながら消費税増税をはかる姿勢を鮮明にしました。

前半の質疑は→ 与謝野馨財務・金融・経済財政担当大臣に対し質問

議事録

○佐々木(憲)委員 先ほどの質疑に続きまして、消費税の問題について伺いたいと思います。
 12月24日に閣議決定をされました中期プログラム、ここでは、「消費税を含む税制抜本改革を2011年度より実施できるよう、必要な法制上の措置をあらかじめ講じ、」こういうふうに書かれているわけであります。これは、2011年4月からでも実施できるように法律をつくる、こういう意味だと思いますが、そういうことでよろしいですね。
○与謝野財務・金融担当大臣 そこには幾つかの条件が書いてありまして、最も早くて2011年。しかしそれは、経済の好転を条件としております。しかも、実施をする場合には段階的に実施をしていくということでございまして、2011年から必ず実施をするということを書いてあるわけではありません。
○佐々木(憲)委員 いや、ですから私が聞いているのは、条件はついているというのは知った上で言っているわけです。可能であれば、2011年4月からでも実施できるよう法整備を行う、そういう意味ですねと聞いているわけです。つまり、その条件とかいろいろなものはありますけれども。
○与謝野財務・金融担当大臣 法律をつくっておきたいと書いてあるわけです。
○佐々木(憲)委員 それで、今度の国税法案の附則には、平成23年度、つまり2011年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとすると書かれているわけでありまして、これは、この中期プログラムの考え方を法律の上に書き込んだ、こういうことなんでしょうか。
○与謝野財務・金融担当大臣 党の意見も聞きながら、できるだけ忠実に法律の方に書いたわけでございます。
○佐々木(憲)委員 与謝野大臣の書かれた、先ほども御紹介した雑誌の論文では、消費税増税の時期については、経済回復を前提に2011年からの実施も可能なように書かれている、こういうふうにされているわけです。つまり、2011年の4月から増税が可能であるということは、それまでに法制上の整備をするということになるわけですよね、今の説明ですと。
 ということは、再来年の4月、2011年4月、それまでに法制上の整備をするということは、その法律を国会に提案する時期は、これはつまりその時期までに法律ができていなければなりませんから、来年の通常国会、あるいは再来年の通常国会の冒頭、最初ですね、再来年だとちょっときついと思いますけれども、来年、大体そういうタイミングというふうにお考えなんでしょうか。
○与謝野財務・金融担当大臣 これは専ら国会の皆様方のお考えによるところでございますが、いずれにしても、遅くとも2011年の通常国会というのは、その法律に書いてあるとおりということを目指せば、遅くとも2011年の通常国会、場合によっては来年、そこは、どちらも確定的には書いてないというふうに解釈しております。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、国会を構成する議員というのは、この法律を通すか通さないか、当然それにかかわるわけであります。決定権をいわば国民から付与されるわけですね。そうなりますと当然、今度9月までに行われる総選挙で選ばれる人がそれを決めるということになるわけですね。したがって、今度の総選挙の一大争点になる。これはもう確実だと思うわけですが、大臣、どうお考えでしょうか。
○与謝野財務・金融担当大臣 大きな幾つもの争点の一つであると思います。
○佐々木(憲)委員 大臣が書かれたこの論文ですと、「次の総選挙では消費税の増税が争点にされることは疑いもない。」疑いないというふうに言っておられるわけでありまして、我々は、この消費税の増税というものは絶対に反対であります。それは、今から幾つか質問してまいりますけれども、いかなる理由であれ、消費税という税制を増税ということになりますと、大変な、低所得層に対する負担増、あるいは中小企業に対する負担、税制全体の再配分機能の低下、そういうことを考えますと、この増税はやるべきではないと我々は考えております。
 そこで具体的に、消費税の税制の性格といいますか、この点を確認したいと思います。
 消費税は、所得の低い方、収入の低い方ほど、収入に占める消費税の負担の比率というものは高いわけであります。所得の高い方、収入の高い方は当然、消費税の負担、額は大きいけれども比率は低いわけですね。したがって、税制としては当然逆進性を持っているということになると思います。
 竹下さんのときも、一番最初にこの消費税を導入されたときに、九つの懸念というものを出しました。この九つの懸念というのは、大臣御承知かどうかわかりませんけれども、一番最初のところで、逆進性があるということを述べているわけです。何回か私も大蔵大臣、財務大臣に質問しましたけれども、この税制の持っている逆進性はお認めになりました。大臣も当然それは認められると思いますが、いかがでしょうか。
○与謝野財務・金融担当大臣 消費税だけに着目して逆進性を論じるかどうかは別にいたしまして、低い所得の方の方が、所得に対する消費税の占める割合は当然大きくなる。
○佐々木(憲)委員 今お認めになりましたが、私たちがいろいろ試算をしてみましても、例えば総務省の全国消費実態調査のデータで推計をしますと、例えば一番所得の低い階層、これは十分位の第一分位ですが、年収214万円の方の負担率、4・2%なんです。しかし、年収がふえますとどんどん負担率は下がりまして、例えば1646万円の年収の方、1・6%であります。
 したがいまして、消費税の負担というのは、所得の低い方ほどその率は高くなり、高い人ほど低くなる、そういう性格を持っていますから、今大臣お認めになりましたようにそういう逆進性を持っているわけですから、これを引き上げるということになりますとその負担の格差は当然拡大する。我々が試算してもそうなりますけれども、大臣、お認めになりますか。
○与謝野財務・金融担当大臣 それは一面的な見方ではないかと私は思っておりまして、実は社会的な、社会保障を通じての給付ということを考えますと、消費税を上げて社会保障給付を充実すると逆に、低い所得の方が手厚い社会保障給付を受けますので、恩恵の方が逆進的になるという計算もございまして、ただ消費税の部分だけとらえて議論するのでなくて、社会保障給付とあわせて考えたときに公平性が維持できているかどうかということをやはり考えないといけないんじゃないかと。
 我々は既に計算しておりますので、もし必要であれば、そのカーブをお見せいたします。
○佐々木(憲)委員 社会保障が充実した場合はという仮定ですよね。しかし現実に、これまで社会保障の負担は低所得者に非常に重くのしかかってきているわけでありまして、小泉内閣以来さまざまな名目の国民負担が行われました。
 例えば医療保険の負担増、これも大変なものでありまして、本人負担が1割だったのが今や3割でありますし、あるいは老人医療の自己負担、外来月400円が今は毎回1割または3割という状況であります。国民年金の保険料の負担も、7700円だったのが1万4410円であります。あるいは厚生年金の支給開始年齢もおくらせました、60歳から65歳。さらに介護保険導入で、保険料の徴収が今まではなかった方々が、全国平均で4300円取られるようになる。あるいは障害者福祉の自己負担、今まで応能負担でありました。しかし、障害者自立支援法というものができまして、これまで無料だったのが、今は定率1割応益負担。しかも、後期高齢者医療制度という大問題で大変な批判が起きました。
 一体、これまで政府は、社会保障に対してどれだけの負担の軽減をやってきたのか。全く逆ではないですか。これまでどんどん負担がふえてきたわけであります。なぜそうなったのか。これは、毎年、社会保障の自然増2200億円をカットするということをやってきているからそうなるわけです。仮にこれがふえていけば、大臣のおっしゃったようなことも数字の上では出てくるでしょう。例えば、今までやってきたものをもとに戻す、そういう政策を実行するつもりはありますか。今まで小泉内閣以来やってきた、構造改革という名で国民にこれだけの負担を負わせてきた、それを全部もとに戻しますというならまだ話はわかりますよ。やるんですか。そういうことをやるならまだわかりますけれども。
 しかし私は、消費税というものを、いかなる理由であろうが、逆進性があるわけですから、これを上げるということになりますと、これは、今までの社会保障の負担の上にさらに低所得者に負担を重くかぶせるものであって、社会の格差を拡大し、大変な国民負担、国民の被害というものが広がるということを言わざるを得ないと思いますが、いかがでしょうか。
○与謝野財務・金融担当大臣 ここに試算がございますけれども、消費税を上げて社会保障を賄うことになりますと、ネットの収入は、低い所得の方の方がはるかに高い、所得の高い方はマイナスになる。これは一見、常識とは離れた直観だろうと思いますけれども、実際はそうであるという試算もありますので参考にしていただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 数字の上でそういう数字も用意されているんでしょうけれども、今までもそういうことをやってきたんです。例えば消費税を導入したときも、社会保障のためです、高齢化社会のためですと。あるいは消費税の増税のときも、その分は社会保障に回すんですから、そう言って、国民には何か社会保障が充実するかのような幻想を与えながら、実際には、先ほど言ったようにどんどんどんどん削ってきているじゃないですか。
 ですから、今度の増税も、社会保障のために使いますよと言ったって、全然信用できませんよ。しかも、今の状況からいいますと、赤字がもうこんなになっているんだ、税収も減っている、これは社会保障をどんどん減らすというのは当たり前という方向がいまだに続けられているじゃないですか。
 2200億円という枠をカットする、では、もう来年からはやらないと、与謝野大臣、約束できますか。
○与謝野財務・金融担当大臣 これは2006年の骨太方針の中に書いてある原則でございまして、ここで、来年からやめますということはなかなか申し上げられないんですけれども、現実に、平成21年度当初予算についてはいろいろな工夫がなされているということは事実でございます。
○佐々木(憲)委員 枠を外さないでいろいろなことをやっても、これは根本的には変わっておりませんので。
 国民世論はどうかといいますと、そういうのをみんなわかっているわけです。社会保障のためですよと言っても、もう信用しませんよ、現実に被害を受けているわけですから。
 今、例えば読売新聞などでは、社会保障のためというようなことで麻生内閣が消費税の増税について言ったが、評価しますか、余り評価しない、23・4、全く評価しない、35・7、合わせて59・1%ですよ。あるいは、産経、FNNの調査ですと、今言うべきではない、51・5%、将来も引き上げるべきでない、21・5%、合わせて73%が消費税の増税には反対だと。あるいは日経も、これは昨年末ですけれども、評価しない、58%。朝日も、評価しない、56%。大臣が消費税増税を幾ら強調し、あるいはこの国税の附則に書き込んでも、国民の大多数は、それはもうやめてくれ、そういう増税の仕方には反対である、こう言っているわけです。
 先ほど大臣は、今度の総選挙の一大争点の一つになる、こうおっしゃいました。したがって、消費税増税ということを掲げて選挙を、多分与党の方々はやられるんでしょう。これは国民の圧倒的多数から批判をされて、厳しい結果が出る、私は、このことははっきりと主張しておきたいと思います。
 次に、では消費税の増税について中小企業はどうか。
 今、日本の中小企業というのは大変深刻な事態にあります。これは単に景気の落ち込みだけではない。この10年来、中小企業そのものが成り立たないという状況が続いてまいりました。したがって、中小企業の数が減っております。
 中小企業白書によりますと、1986年には中小企業が532万7千社ありました。2006年の統計では419万8千社。大変な減り方なんです。その理由は、廃業がどんどん続いている、しかし開業、新しく業を起こすという中小企業がなかなか出てこない。したがって、全体として中小企業の数が減っている。
 そういう中で今度は、中小企業に対する消費税の納税義務を、今まで売上高3千万だったのが1千万ということで、非常に零細な中小業者に消費税の納税義務を負わせるという形になりました。それでまた大変な廃業ということで、中小企業の方々は苦しんでいるわけです。その上にさらに増税ということになりますと、これはもう本当に、日本の経済基盤、圧倒的多数が中小企業ですけれども、その経済基盤を壊すようなものであります。
 今、中小企業で消費税を転嫁できないと言っている方々が、経産省の調査でも大体半分です。転嫁できないという状態があるということは、間接税ではないですよね。性格的に言いますと直接税になっているわけです。間接税というのは、自分に来たものを次の消費者に負担してもらう、自分自身は基本的には負担しないという性格のものですけれども、今、中小企業が消費税を払えないと言っているのは、転嫁できない、自分の手元にない、経営が苦しい、そういう状態の中でもう納めることもできないという状態になっているわけです。
 今のこの中小企業の消費税の税のあり方について、与謝野大臣はどのようにお感じでしょうか。
○与謝野財務・金融担当大臣 もともと、消費税が初めて導入されるとき、私は党におりましてこの問題をやっておりました。最初は、売上税という売り上げを外形にした課税という考え方だったんですが、やはり最終的には、消費者が負担するという形にするべきだという中小企業団体の意見が非常に強かったものですから、消費税という名前に実は変えて転嫁しやすくしたわけでございます。
 転嫁の問題は、税制の問題なのか企業間の力関係の問題かという問題がありまして、なかなか結論が出ません。しかし、力の強いところが転嫁を拒むというのは許せないことだろうと私は思っております。したがいまして、円滑な転嫁というものは、相手方がコストとしてそれを快諾するということなわけですから、通常の会社はそのようにやっていただかないといけないと思っております。
○佐々木(憲)委員 中小企業が転嫁できないというのは、消費が非常に落ち込んで物が売れない、したがって、その分転嫁するということになりますと上げざるを得ない、しかし、そうなれば物が売れなくなって経営が成り立たない。したがって、身銭を切るわけですね、自分で。自分で負担をしなきゃならぬわけです。持ち出しなんですよ。そういう中小企業が全体の中で半分以上を占めているわけですね。だから、これはいわば中小企業の営業破壊税ですよ。そういう性格を持ったものだと言わざるを得ないですね。
 今回の消費税増税の急先鋒で、ともかく、ちびちび上げて何回も負けるんなら、一回どんと上げて負けた方がいいという与謝野さんの持論のようですけれども、やはり国民のためにそういうことはやってはいけないと私は思います。
 今回の、消費税を附則に書き込んで、何が何でも来年の国会か再来年か、こういうところで増税のレールを固めようとするこの法案自体も我々は反対でありますし、現に今、国際的に言いましても、日本の中小企業というのは、ほかの国と違って数が減っている。ほかの国では数がふえているわけです。これだけ日本の中小企業というのは厳しい状況になっているわけであります。
 国際的に言いますと、例えばイギリスの場合は、昨年12月に景気対策ということで消費税を2・5%下げたわけであります。EUも、イギリスと同じような措置をとるように勧告をしている。
 こういう状況ですので、やはり今回の消費税の増税というのはやるべきではない。棚上げして、これは与党としても政府としても、今の100年に一度と言われているような状況の中で、これだけ国民が疲弊しているときに何で来年、再来年に、まだ回復していないですよ、3年後といっても。3年後までには回復しているだろうと言うんだけれども、先ほどの答弁ですと、回復する前にともかく増税だけの法案、時期は決めていませんよ、しかし増税をするという法案を通そうというわけですから、これはやはりやめた方がいいと思います。いかがですか。
○与謝野財務・金融担当大臣 先生は一つだけ誤解されているんですけれども、私がどんと上げろという論者のように言われていますけれども、私は、日本の経済や国民生活に影響を与えないように段階的に上げた方がいいのではないかという論者でございましたので、その点は誤解なきようお願い申し上げます。
 それから、いきなり消費税を上げるというようなことを言っているわけではありませんで、やはり景気回復があった後に負担をお願いする、また、入ってきたものは社会保障費に全部使う、こういうことを言っているわけでございます。
○佐々木(憲)委員 消費税の増税をしますよという法律を先に通すわけですよね。それだけでレールが敷かれますよ。その上で、回復を見てと言うけれども、いずれにしても増税なんですよね、消費税は。
 この消費税というものは、先ほど言ったように、低所得者に重くかかる大変な逆進性を持った性格のものであり、しかも中小企業にとっては、営業を破壊する性格を持った税金なんですよ。それを上げると言うこと自体、私はやるべきじゃないと。
 財政が大変だというなら、いろいろな方法が私はあると思います。例えば、今まで減税をやり過ぎたんですね。法人税、大手企業は非常に税金の負担が軽くなっております、43・3%だったのが今30%に下がっていますし。あるいは、証券優遇税制をやめると言ったのにまだ証券優遇税制を継続して、株の売った買ったをやり、あるいは配当を受けた、そういう人たちの税金だけは軽くしてやる。これは全く、国民全体からいいますと、金持ち、大金持ち、大企業優遇で、庶民に対しては負担ばかりふえる、そういう政治でいいのかというのが今根本的に問われていると私は思うんです。
 そういう意味で、今回のこの税制法案についても、根本的な批判を我々持っていますし、消費税については絶対にやるべきじゃないということを今後ともしっかりと主張し続けていきたい、このことを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

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