金融(銀行・保険・証券) (銀行公的資金注入, 中小企業融資)
2008年12月12日 第170回 臨時国会 本会議 【480】 - 討論
新金融機能強化法案 修正回付案に反対の討論
2008年12月12日の衆議院本会議で、自民、公明の与党は新テロ特措法延長案と新金融機能強化法案の再議決・成立を強行しました。
これに先立つ同日の参院本会議では、11月6日の衆議院本会議を通過していた新金融法案を、参院本会議で民主党の修正案を同党と社民党の賛成で可決し、衆院では、この修正部分を否決したうえで、元の衆院議決案を再議決しました。
佐々木憲昭議員は、新金融機能強化法案に関し、修正回付案に対する討論、再議決にたいする討論の2回、反対討論に立ちました。
佐々木議員は、新銀行東京を公的資金投入の対象からはずした民主の修正案について、「議案の基本骨格はまったく修正されていない」と指摘しました。
議事録
○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、金融機能強化法修正回付案について討論を行います。(拍手)
参議院で修正された部分は、地方公共団体がその総株主の議決権の100分の50を超える議決権を保有する銀行については、資本注入の対象から除き、金融機能強化法を適用しないものとするというものであります。それ以外は、金融機能強化法案の基本骨格は全く修正されておりません。日本共産党は、国民にツケを回すこの法案の仕組みそのものに反対してきたところであります。
問題となっている、地方公共団体が支配株主となっている金融機関は、全国にただ一つ、新銀行東京があるのみであります。新銀行東京は、石原都知事が2003年の都知事選挙で設立を公約し、東京都が1000億円を出資し、2005年4月に開業しました。
当時、都議会で日本共産党はその設立に反対しましたが、自民党、公明党、民主党は賛成しました。開業後は赤字決算が続き、ことし3月には累積損失が1000億円を超えるに至りました。ところが、この春には、多くの都民の反対を押し切って、自民党と公明党の賛成で400億円もの追加出資を決めたのであります。
経営陣に知事側近の副知事などが送り込まれており、知事がつくらせたマスタープランによって高利の預金と無謀な融資拡大を行いました。その結果、欠損が累積し、開業3年目で累積損失が資本金の85%に及ぶ1016億円に達したのであります。有価証券などの資金運用による損失も巨額なものとなっており、400億円の追加出資のほとんどはリスクの高いファンド事業などに使われていると言われています。新銀行東京は、もはや銀行としての体をなしていないのであります。
しかも、銀行の内部調査では不正が疑われる融資が30件も見つかり、政治家や議員秘書らの口ききも取りざたされております。
再建計画も出されていますが、融資対象をこの3月の1万3000社から6000社に、2分の1以下に削る計画で、新規の融資拡大はほとんどありません。預金も4000億円から20分の1の200億円まで減らす計画で、資金の調達先は有価証券の運用に偏っております。新銀行東京は、もはや事実上のノンバンクとなっており、投資組合化しております。こんなところに公的資金を注入しても、税金をどぶに捨てるようなものであり、対象にすること自体、論外であります。
○議長(河野洋平君) 佐々木君、申し合わせの時間が過ぎました。なるべく簡単に願います。
○佐々木憲昭君(続) ただ、この修正を施したからといって、もとの法案にあるような、最終的損失を国民が負担する仕組みに変わりがありませんので、この部分だけで賛成するわけにはいきません。
以上で、反対討論を終わります。(拍手)