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税制(庶民増税・徴税) (道路特定財源)

2008年05月13日 第169回 通常国会 本会議 【458】 - 討論

道路財源特例法改正案に関し両院協議会をもとめる動議に賛成の討論

 2008年5月13日、佐々木憲昭議員は、日本共産党を代表し道路財源特例法改正案に関し両院協議会をもとめる動議に賛成の討論を行いました。

 政府与党は、4月30日に、ガソリン税などの暫定税率を復活させる租税特別措置法案を、参議院が審議をつづけようとしているにもかかわらず、参院が否決したとみなす議決をおこない、無理やり法案を参議院から取りあげて、衆議院で3分の2以上の多数で再議決し強行成立させました。
 この強引なやり方に、世論のきびしい批判が広がりました。
 ところが今度は、前日参議院が否決した道路財源特例法案を衆議院で再議決し、ふたたび強引に成立させたました。
 憲法59条1項は、法律は、衆参両院で可決したときに成立することを原則としています。
 それは、衆参二つの院で審議することによって、法案審議を深めその問題点を国民に明らかにする慎重審議を保障するためです。
 同時に、議員の選挙方法や時期が異なる両院で審議することによって、国民の意思を多面的に反映させようとするためです。
 したがって、衆議院で可決したものについて参議院がそれと異なる議決をしたときは、その意思を尊重し、慎重に対応すべきです。
 そのため、憲法59条3項にもとづき、両院協議会の開催をもとめるのは、当然です。

議事録

○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、道路財源特例法改正案に関し両院協議会を求める動議に賛成の討論を行います。(拍手)
 政府・与党、自民、公明両党は、去る4月30日、ガソリン税などの暫定税率を復活させる租税特別措置法案について、参議院が審議を続けようとしているにもかかわらず、参院が否決したとみなす議決を行い、無理やり法案を取り上げて、衆議院の3分の2以上の多数で再議決し強行成立させ、世論の厳しい批判を浴びたのであります。
 にもかかわらず、今度は、昨日参議院が否決した道路財源特例法案を衆議院で再議決し成立させようとしています。一度ならず二度、三度と、問答無用とばかりに数の力で法案の成立を強行する暴挙を繰り返す福田内閣と与党に断固として抗議するものであります。
 憲法59条1項は、法律は衆参両院で可決したときに成立することを原則としております。それは、衆参二つの院で審議することによって、法案審議を深め、その問題点を国民に明らかにする慎重審議を保障しようというものであり、同時に、議員の選挙方法や時期が異なる両院で審議することによって、国民の意思を多元的に反映させようという精神に立脚したものであります。
 したがって、衆議院で可決したものについて参議院がそれと異なる議決をしたときは、その意思を尊重し、慎重に対応すべきであります。そのため、憲法59条3項に基づき両院協議会の開催を求めるのは、当然の筋道であります。
 ところが、政府・与党は、参議院が否決するや、直ちに再議決によって成立を図るという、極めて乱暴なやり方をとろうとしています。参議院の結論を一顧だにせず、再議決することは、まさに数の横暴であり、議会制民主主義を踏みにじるものと言わなければなりません。
 そもそも、道路財源特例法改正案を再議決し成立させることに、多くの国民は批判の声を上げています。世論調査では、今後10年間も道路特定財源制度を維持することに反対する人が7割を超えているのであります。この世論に反して再議決するなど、断じて認められません。
 しかも、本特例法改正案は、09年度から一般財源化という福田総理の方針と根本的に矛盾するものであります。道路特定財源は、この3月末に期限切れで失効したのであり、再議決をやめれば、特定財源は復活せず、そのまま一般財源化できるのであります。10年間の法律を通しながら、1年限りだというのは、全くの詭弁であります。
 政府は、本日の閣議決定に道路特定財源制度の規定は09年度から適用されないという文言を盛り込むことで、来年度からの一般財源化の法改正を担保すると言っています。一体、国会の議決によってのみ成立する法律を閣議決定で限定することができるのですか。全くの暴論であります。
 道路財源特例法改正案の再議決は、そのやり方においても、世論から見ても、総理方針に根本的に矛盾するという点からいっても、どこから見ても一片の道理もありません。
 政府・与党が本当に来年度から一般財源化し、特定財源は1年限りにするというなら、今、まさに両院協議会を開催し、その場に修正案を提起するべきではありませんか。それすらやらないのはなぜなのか。
 重大なことは、一般財源化を口にする一方で、真に必要と判断される道路整備はこれまでどおり推進していく、一般財源化されても道路予算は優先的に確保するという声が自民党から聞こえてくるのであります。これでは、一般財源化は形だけになるではありませんか。国民を愚弄するものと言わなければなりません。
 今大事なことは、道路特定財源を一般財源化して、福祉にも医療にも教育にも生活道路にも使えるようにすることであります。初めに財源ありきで、際限なく高速道路をつくり続ける道路政策を根本的に改めることが必要であります。
 そのため、両院協議会を開催し、一般財源化のための国会議論を継続し、深めることが求められているのであります。
 以上、両院協議会の開催に賛成する討論を終わります。(拍手)

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