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税制(庶民増税・徴税) (道路特定財源)

2008年04月30日 第169回 通常国会 本会議 【455】 - 討論

「見なし否決」にも「再議決」にも不同意の立場を表明

 2008年4月30日、衆議院本会議がおこなわれ、自民党と公明党は、ガソリン税などの暫定税率を復活させ、今後10年間にわたって延長するための法案の再議決を3分の2の多数で強行しました。
 日本共産党は、「見なし否決」にも「再議決」にも反対だという立場を、本会議に出席して壇上から堂々と表明しました。
 民主党と社民党は、本会議を欠席。国民新党は、「見なし否決」については本会議に出席して反対しましたが、その後退席しました。
 佐々木憲昭議員は、国税二法案再議決動議に対する反対討論を行いました。

議事録

○佐々木憲昭君 日本共産党を代表し、国税二法案の再議決動議に反対する討論を行います。(拍手)
 この4月から、これまでとは全く違う状況が我が国に生まれました。一つは、ガソリン税の暫定税率を定めた租税特別措置法の期限が3月末に切れたこと、二つは、それを専ら道路につぎ込むための道路財源特例法も期限切れとなったことであります。
 これによってガソリン税が値下がりし、本則に基づく税収は何にでも使える一般財源となったのであります。世論調査を見ても、国民の圧倒的多数がこの事実をもろ手を挙げて歓迎しているのであります。これでよいのではありませんか。
 それなのに、暫定税率を3分の2の多数で強引に復活させることは、国民に対する真っ向からの挑戦であります。これは、暫定税率の維持というものではありません。本則で1リットル当たり24.3円のガソリン税を48.6円に引き上げる大増税なのであります。
 今、貧困と格差が広がり、高齢者を初め庶民の暮らしは極めて深刻であります。所得が低迷し、医療費などの負担増と重税に苦しむ家計を、食料品を初めとする生活必需品の相次ぐ値上げが襲っているからであります。さらに、福田内閣は、75歳以上に差別医療を押しつける後期高齢者医療制度の実施で、高齢者を不安のどん底に突き落としました。その上、せっかく下がっているガソリン税をわざわざ増税して、重大な打撃を与えようとしているのであります。
 政府・与党は、国民の声に真剣に耳を傾けるべきです。朝日、読売、毎日の最近の世論調査では、再議決による暫定税率の復活に反対の人が6割を超え、賛成の2割、3割を大きく上回っております。
 政府・与党は、道路特定財源の見直しにはユーザー、納税者の理解を得なければならないと繰り返し強調してきました。では、ユーザーの意見はどうでしょうか。個人ドライバーと家族など1700万人が加盟しているJAF、日本自動車連盟は、2008年度の税制改正に関する要望でこう述べています。「税収の全てを道路整備に充てないならば、暫定税率を廃止し、減税すべきです。」これがユーザーの意見であります。政府の再議決がユーザーの理解を得られないものであることは明らかではありませんか。
 福田総理は、4月12日の桜を見る会のあいさつで、物価が上がるのはしようがないと述べ、耐えて工夫して切り抜けるのが大切だと説きました。余りにも無責任な発言であり、多くの国民のひんしゅくを買っています。
 新聞にこのような投書が載りました。私は今まで一貫して選挙のたびに自民党に投票してきた保守派の人間である、税金の無駄遣いの是正をきちんと説明しないまま暫定税率が衆議院で再可決され、もとの税率に戻ったならば、次回選挙から自民党支持はやめようと考えている。与党はこの声にどうこたえるのか。
 さらに重大なのは、ここで再議決しようとしている法律には、2018年3月31日まで暫定税率を続けることが盛り込まれていることであります。増税の暫定期間をこれまでの5年から一気に2倍の10年に引き延ばすというのは、余りにも厚かましいと言わなければなりません。
 暫定税率は、高速道路を中心とした59兆円の道路中期計画の財源を何が何でも確保するために、道路特定財源の上乗せを図るものであります。福田総理はことし中に見直すと言い、自民、公明両党の一昨日の合意文書では来年度からの一般財源化と言っております。それなのに、なぜ、これから先10年間も暫定税率を続ける法律を通してしまおうとするのでしょうか。だれが見ても、全く合理性がとれていないことは明らかではありませんか。その上、消費税増税を含む税制改革と連動させるなど、言語道断であります。
 暮らしを痛めつける再議決、大増税は撤回するように求め、国税二法案の本院議決案を直ちに再議決すべしとの動議に反対する討論を終わります。(拍手)

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