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金融(銀行・保険・証券), 金権・腐敗政治, その他 (郵政民営化)

2005年06月29日 第162回 通常国会 郵政民営化特別委員会 【311】 - 質問

郵政民営化法案 つぎはぎだらけの「修正」は矛盾だらけ/「政府広報」疑惑 住所には、スリード社「存在せず」

 2005年6月29日郵政民営化特別委員会で、佐々木憲昭議員は与党の「修正」案について質問しました。

 郵政民営化法案は、自民党内の反対派を切り崩すために、与党の「修正」案が大慌てでまとめられました。
 佐々木議員は、全国一律の金融窓口サービスがどうなるかを取り上げました。
 「修正」案は、窓口サービスを行う郵便局会社の業務に銀行と生命保険の代理業務を「例示する」としました。
 佐々木議員は「これによってサービスを義務付けることになるのか」と質問。竹中郵政担当大臣は「与党が協議中でありコメントは控える」と無責任な態度をとる一方、「法律上、義務付けはない」と答弁。
 全国一律のサービスが守られることではないことがはっきりしました。
 また、佐々木議員は、過密地などの赤字を補てんするという「社会・地域貢献基金」を2兆円にする点、郵政民営化委員会による3年ごとの「検証」を見直しにする点などは、いずれも従来の政府与党合意の範囲でしかないことを指摘。完全民営化後の株式持合いについて「議決権の連続的保有」の規定を入れたことは、「国の関与をしっかり断ち切る」としてきたこれまでの説明とも矛盾することを批判しました。
 佐々木氏は、「つぎはぎと矛盾だらけの『修正』では、サービス切り捨て、国民の試算を日米の金融資本の食いものにするという郵政民営化の本質は何も変わらない。こんな修正で採決を強行するなどとんでもない。絶対に反対だ」と厳しく批判しました。



 次に、佐々木議員は、郵政民営化PRの「政府広報」を広告会社「スリード」が入札なしの随意契約で受注している問題について質問しました。
 「政府広報」の対象を絞ったターゲット戦略は、「スリード」社が提案したものです。
 この戦略には、国民を3つの層にわけ、この政府広報のターゲットは、主婦層、子供、シルバー層を中心とした、「郵政の現状サービスへの満足度が極めて高い」「具体的な事はわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層」だとされています。
 しかも、重大なのは、この階層はIQが低い階層とされている事です。
 佐々木議員は、「この戦略は、小泉内閣を支持しているが、インターネットを使わず、IQが低く、郵便局に満足している階層に、徹底的に民営化の必要性を浸透させよう、上から教育してやろうという考えだ。こういう戦略は国民を愚弄した戦略だ」と厳しく批判しました。
 さらに、佐々木議員は、この会社と内閣府がとりかわした契約書に、「スリード」社の登記簿上の本店所在地とは違う住所が記載されていたことを指摘しました。
 官公庁が民間業者と契約する際、通常は会社の登記などを確認したうえ審査するのは常識的な手続きです。そうした最低限の確認もないまま、この契約が交わされた疑いがあります。
 佐々木議員の調査によると、契約書上の「スリード」社の所在地は「東京都千代田区神田神保町」と書かれていますが、この住所での会社登記はありません。
 実際に「スリード」社が登記している本店の所在地は「東京都江東区大島」でした。
 佐々木議員は、「スリード」社との随意契約には政府内にも異論があり、政府広報室員が郵政民営化準備室に送ったメールに「まったく新しいどこの馬の骨だかわからんところ」と、スリード社の素性を怪しむ記述があったことを指摘しました。
 そして、1億5000万円もの巨額の契約であるにもかかわらず、会社の「身分証明書」ともいうべき登記の確認もせずに契約を結んでいることの異常さを批判しました。
 この政府広報の問題をめぐっては、実際の契約日とは違う日付で事務処理がされた問題、契約日付の段階では決裁に必要な見積書が出されていなかった問題など不明朗な実態が次々発覚しています。
 郵政民営化PRの「政府広報」の問題以外にも、昨年3月に設立されたばかりで、政府との契約実績もなかった「スリード」社が、経済産業省の「ものづくり白書」の仕事も、1000万円の随意契約で受注をしています。
 佐々木議員は、中川経済産業大臣に、契約書などの資料を提出するように要望しました。
 中川大臣は「委員長、理事会のご判断にお任せします」と答弁し、二階委員長も「理事会で協議します」と約束しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 昨日、政府・自民党は法案修正で合意したと言われておりますが、まだその内容は提案されておりません。提案された後に、内容についてはじっくり議論をしたいというふうに思います。
 そこで、きょうは、報道されている範囲で幾つか確かめておきたいことがあります。
 まず、金融のユニバーサルサービスがこの修正でどうなるかという点です。
 報道されるところによりますと、郵便局会社、窓口ネットワーク会社の業務範囲に、銀行業と生命保険業の代理業務を例示するとされております。業務として、郵貯、簡保を例示するということでありますが、これで一体何が変わるのかという点です。
 竹中大臣は、ユニバーサルサービスは義務づけないと答弁をしてきた。この修正でユニバーサルサービスの義務づけになるのかどうか、まずここを確認したいと思います。
○竹中郵政民営化担当大臣 与党においていろいろな御議論がなされているというふうに聞いておりますが、その具体的な内容につきましてコメントする立場にはございませんので、答弁を差し控えさせていただきます。
○佐々木(憲)委員 政府はこの修正について合意をしたということじゃありませんか。
○竹中郵政民営化担当大臣 与党の中で今いろいろと議論をされているというふうに承知をしております。
○佐々木(憲)委員 小泉総理はいいものができたと言っているんじゃないですか。竹中大臣はどうなんですか。
○竹中郵政民営化担当大臣 いろいろなことが検討されているというふうに承知をしております。
○佐々木(憲)委員 では、内容について聞きますね。
 郵貯、簡保を例示するということが仮に行われる場合、これはユニバーサルサービスを義務づけることになるのか、それともならないのか、この点、内容について伺います。
○竹中郵政民営化担当大臣 その仮にというのがどういうものであるかちょっと承知をしておりませんので、コメントは控えさせていただきます。
 政府としての、今の我々が提出させていただいている法律の考え方は、法律上ユニバーサルサービスの提供義務は課さないものの、銀行、保険会社に対してみなし免許を付与するに当たりまして、最低限移行期間をカバーする長期安定的な代理店契約、保険募集委託契約があることを免許の条件として付することにしておる。このような免許条件により、銀行、保険の郵便局会社への業務委託が長期にわたり担保される。また、必要な場合には基金が活用できるような仕組みにする。それが、今の、政府が提案させていただいております、政府の法案の内容でございます。
○佐々木(憲)委員 法律上ユニバーサルサービスは義務づけられていない。その義務づけられていない部分は、今回変えないわけでありますね。要するに、例示するだけなんですよ。窓口会社は郵貯、簡保をやることができる、だからやらなくてもいい。何も変わらないじゃないですか。
 次に、社会・地域貢献基金、2兆円まで積み立て可能とするということも、4月の政府・与党合意の内容で、全くこれは変わらない。
 それから、郵政民営化委員会が3年ごとに行う検証を見直しに修正する、これも言葉上の問題で、実態は余り変わらない。
 では、グループとしての一体経営という点ではどうか。
 昨日の修正合意を見ますと、完全民営化後も持ち株会社が郵便貯金銀行と郵便保険会社の株主に与えられる議決権を連続的に保有する規定を二社の定款に盛り込むとされている。確かに、定款に盛り込むというふうに書いているところは新しいけれども、これも4月の政府・与党合意の内容どおりであります。その内容が法案に盛り込まれているという答弁ですからね。
 こうなると、国の関与をしっかり断ち切ると言ってきた竹中大臣の答弁と食い違うんじゃありませんか。いかがですか。
○竹中郵政民営化担当大臣 重ねて申し上げますが、今まだ与党でいろいろな御議論をいただいているというふうに承知をしておりますので、具体的なコメントは控えさせていただきます。
○佐々木(憲)委員 無責任ですね。この合意が、政府と自民党、総務会で一応、多数決だとはいうんですね、それで決められたと。きょうじゅうにもそれが法案として提出される。小泉総理は、いいものができた、こう言っているわけです。それについて何も答えない。今議論中、議論中じゃないよ、法案ができているんじゃないか、もう既に。でたらめだよ、そんなのは。
 したがって、完全処分は名目だけでありまして、郵貯銀行については、当委員会で公正取引委員会に対して私がただしました。答弁では、グループ内の資金取引で他の事業者に著しい影響を与えるような銀行は規制の対象になるけれども、そうでなければ対象にはならないということでありました。
 そこで公取にお聞きをします。
 郵便保険会社の場合はどうなるか、どういう考え方で対応をすることになるのか、お聞きをしたいと思います。
○伊東(章)政府参考人(内閣官房内閣審議官) お答えいたします。
 独占禁止法第九条の関係ということでございますけれども、郵便保険会社との関係につきましては、まず、議決権保有比率が25%以下であれば、独占禁止法九条の観点から問題となることはございません。
 他方、25%を超える場合につきましては、これは郵便貯金銀行の場合も同様でございますが、都市銀行や大手保険会社等の大規模金融会社と同等の影響力を有することとなれば、資金に係る取引に起因する他の事業者に対する影響力が著しく大きいことにより、国民経済に大きな影響を及ぼし、公正かつ自由な競争を妨げるおそれになる場合、法律で禁止する要件でございますけれども、それに該当し、九条に違反するおそれがあるというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 要するに、郵便貯金銀行の場合と同じで、大銀行や大手の保険会社と同等の影響力がある場合には独禁法の対象となり得るけれども、そうならない場合には対象にならないということであります。
 そこで、伊藤大臣にお聞きしますが、独禁法の対象にならないとすれば、どのような規制を受けるかという点です。この点について確認をしたいと思います。
○伊藤金融担当大臣 お答えをいたします。
 保険業法上のお尋ねだと思いますが、保険持ち株会社となるためには内閣総理大臣の認可が必要となりますが、一般事業会社を子会社として保有する場合には、認可の前提として、一般事業会社を子会社保有するための承認要件を満たすことが必要となります。したがいまして、完全民営化後の日本郵政株式会社が郵便保険会社の株式の50%超を保有する場合には、郵便局株式会社、郵便事業株式会社を子会社とすることについて承認要件を満たした上で、保険持ち株会社としての認可を得られれば、保険業法上、郵便保険会社の株式を100%まで保有することが可能となります。
○佐々木(憲)委員 要するに、50%まで保有可能というのが一般規定でありますが、承認を受けた場合には100%まで可能であると。そうなると、政府が三分の一超の株式を保有する持ち株会社の実質子会社ということになりまして、しかも相当親子関係の濃密な、そういう子会社ができる。
 竹中大臣、こうなると、断ち切るということにならないです。100%処分といっても、株式処分信託とか自社株買いも可能でありますから、つまりそれは見せかけだけなんです。実質子会社が可能になる、こういうことじゃありませんか。
○竹中郵政民営化担当大臣 何度か御答弁をさせていただいておりますが、金融、国の信用、関与を断ち切るという意味で、100%完全処分の義務を課して、民間と同じスタートラインに立っていただくということがまず大変重要であるというふうに考えております。
 郵政会社及びその子会社が、資産運用の一環として、普通の銀行、普通の保険会社となった郵便貯金銀行、郵便保険会社の株式を取得するということにつきましては、特殊会社としての性格も踏まえて、独禁法そして銀行法等の一般な規制の範囲内で行動をしていただく、それ以外の特別な規制を課す必要はないと考えるわけでございます。
 日本郵政株式会社及びその子会社が、その業務として銀行業または保険業に資本参加するために株式を取得するような場合には、独禁法、銀行法等の一般的な規制のほかに、それぞれの特殊会社法に基づく主務大臣の認可または届け出が必要になります。資本参加の必要性や本来業務への支障の有無等を総合的に勘案して、主務大臣が適切に判断をするということになります。
○佐々木(憲)委員 長々長々答弁したけれども、質問に答えていない。
 同じスタート台に立つことにはならないんじゃありませんか。イコールフッティングというふうにならないでしょう。国の関与が三分の一ある持ち株会社のもとに、実質子会社として存続できる。実質的に、連続的保有が可能になる。しかも、それは、保険の場合は50%から100%までのところも持てる。銀行は50%まで持てる。何が国の関与を断ち切るんですか、これで。全然言っていることと実態が違うんじゃありませんか。
 ですから、私は、法案の修正点として報道されている内容というのはいずれも、これは実質的には出されてから審議をじっくりやりたいと思いますけれども、いずれも法案の内容を変えるものじゃないということははっきりしました。サービス切り捨て、国民の資産を日米の金融資本に食い物にさせるという本質は全く変わりません。こんな修正で採決を強行するなどというのはとんでもない、絶対反対だということを述べておきたいと思います。
 では、次に、政府広報についてお聞きをしたい。
 折り込みチラシの企画を持ち込んだのはスリード社だと、先ほども少し議論がありました。ターゲット戦略というのは、ここにありまして、これはスリード社とオフィスサンサーラというところが共同で提案をした「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」というものがここにあります。これは実質的に著作権はサンサーラなんです。
 この中で、広報の対象をどう絞るかを提案しております。その際、国民をA、B、Cの三つの階層に分けていまして、A層は、「エコノミストをはじめとして、基本的に民営化の必要性は感じているが、これまで、特に道路公団民営化の結末からの類推上、結果について悲観的な観測を持っており、」「批判的立場を形成している。」これがA層。C層は「構造改革抵抗守旧派」だというふうに書いてある。この中にもおられるかもしれないけれども。このAとCはターゲットにしない、B層に絞るというふうにしているわけです。
 B層とは何か。主婦層、子供、シルバー層を中心とした階層。このB層にターゲットを絞って郵政民営化の必要性を浸透させることが2月に行われた広報戦略の眼目だった、そういうことですね。
○林政府参考人(内閣府大臣官房政府広報室長) お答えいたします。
 企画案の表現につきましては一部不適切な部分があるかもしれませんが、構造改革や経済に関する理解度には国民各層の間に差があるので、国民から信頼をかち得ている著名人との対談による、お役所言葉ではなく、わかりやすい言葉で広報する必要がある、そういう提案と受けとめてございます。
○佐々木(憲)委員 要するに、B層にターゲットを絞った戦略は事実上お認めになったわけですね。
 重大なのは、この階層の位置づけなんですよ。「最も重要な点は、郵政の現状サービスへの満足度が極めて高い」と書いておるのです。B層というのは、郵便局はいいものだ、こう思っている階層だと。「具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層」とされている。しかも、重大なのは、この階層はIQがロー、つまり低い階層とされている。
 先ほど法務大臣が、アイデンティティークオリティーなどというでたらめな言い直しをしました。そんな言葉はありません。インテリジェンスクオーシェント、つまり知能指数のことであります。その証拠に、この中に書いてあるんです。括弧をして、EQ、ITQと書いてある。つまり、同じ意味だと書いているんです。EQとは何かというと、教育指数です、エデュケーションクオーシェント。ITQとは、ITクオーシェント、つまりIT指数。それが低いから、ウエブではなく折り込みチラシという手段になる、こういうことになるんです。
 これは、だれが見てもそういう戦略だということはもう明らかなんですよ、これを見るだけで。そういう「B層にフォーカスした、徹底したラーニングプロモーションが必要」と書いてあるんです。要するに、小泉内閣を支持しているが、IQが低く、インターネットを使わず、郵便局に満足している、そういう階層にターゲットを絞って徹底的に民営化の必要を浸透させよう、上から教育してやろうという考えなんです。
 竹中大臣に聞きます。これは余りにも国民を愚弄した戦略ではありませんか。そう思いませんか。
○竹中郵政民営化担当大臣 以前に御説明をさせていただきましたが、今御指摘の書類は、これは業者がつくったものと思われますが、これは政府の書類ではございません。業者がつくったものと思われます。
 事務方からそれについて私が説明を受けたこともございません。事務方としては、広報について国民の疑念や皆様の疑念や懸念にできるだけ効率的、効果的にお答えできるようにいろいろなことを考えて、バナー広告等も、折り込みチラシの配布等々いろいろな広報のパッケージを考えたというふうに聞いております。
○佐々木(憲)委員 だから、私はこれを紹介したんです、聞いているか聞いていないかは、それは別として。こういう戦略というものは国民を愚弄した戦略じゃないのか、そう思いませんかと聞いているんです。考え方を聞かせてください。
○竹中郵政民営化担当大臣 民間の企業の企画書でございますから、私はコメントをする立場にはございません。政府としては、そのような話を政府の中でしたという事実もございません。
○佐々木(憲)委員 これは実際に採用して、竹中さんは出ているじゃないか、これに。こういう形で、「郵政民営化ってそうだったんだ通信」。しかも、12月28日7時7分の谷部氏のメールの記録を見ると、「大臣の意向として確認できた点は以下の通りです。」「コンテンツを竹中大臣と対談者との対談で形成する→OK」「対談者候補・交渉の優先順位は下記の通りとなりました。」テリー伊藤氏などの名前が書かれている。
 だから、これは大臣の意向が明確に、そういうものだ、そういう戦略に沿ってテリー伊藤氏が選ばれてやられたということは明らかじゃありませんか。これは、幾らそんなもの否定したって、現実にやられているんだから、その企画のもとで採用して実行したんでしょう。あなたは、自分でその中に出ているじゃないですか。
 次に、財務省に確認したい。
 政府が物品・サービスを調達する場合に、契約が確定するのはどのような条件がそろった場合でしょうか。
○津田政府参考人(財務省大臣官房長) 今の御質問に直接私の、主計局の話ではないかと思うんですけれども、かつてお答えしたことがあるかもしれませんが、契約を全部当事者で署名をすることによって成立するのが恐らく一般的かと思います。
○佐々木(憲)委員 全くそのとおりで、会計法29条八の2に、「契約書を作成する場合においては、契約担当官等が契約の相手方とともに契約書に記名押印しなければ、当該契約は、確定しないものとする。」となっているわけであります。
 そこで、1月12日に、スリード社から決裁文書に必要な見積書が提出されております。その後、見積書の内容について詰めた上で決裁に回した。決裁が終了したのはいつですか。
○林政府参考人 お答えいたします。
 2月8日でございます。
○佐々木(憲)委員 本来なら、2月8日以降、つまり、決裁がおりて初めて契約ができるはずです。それなのに仕事だけは進んでいる。1月6日に用紙の調達などを行っていた、手配をしていた。だから、つじつまを合わせるために、契約書には12月28日という虚偽の日付を書き込んだ、そういうことになるんじゃありませんか。
○林政府参考人 私、今回のこの委員会でいろいろお答えしてきております本質でございますけれども、12月28日に実質的な契約合意がなされていた、そこで、そこに合わせて書類を整備するために精査をする、そういうようなことをして、それが2月8日までということでございます。
○佐々木(憲)委員 契約が確定するのは、契約書に署名し、判こを押して初めて契約が確定するんですよ。契約が確定していない、配布先も決まっていない、金額も決まっていない、しかし仕事だけはどんどん進んでいる、そんなでたらめなことがありますか。これはまさに公文書の事実上の偽造というべきものであって、こんなことをしたら税金を使う仕事はめちゃくちゃになる。竹中大臣、どう思われますか。
○竹中郵政民営化担当大臣 個別の契約に関して、私は決裁権者ではございませんので、どのような経緯であったか、詳細は承知をしておりません。政府の担当部局において、時間的制約、予算的制約、人的制約の中で適切に対応しているものと思います。
○佐々木(憲)委員 適切に対応なんかしていないじゃないか。こういうでたらめなことをやったら、国民の税金を使う仕事というのはめちゃくちゃになりますよ。実際に契約をした日と日付が全然違う。そんなことをあっちこっちでやっているんですか。それが正常なんですか。本当にめちゃくちゃだ。
 次に、スリード社についてお聞きしたい。
 昨年12月24日23時30分に出された政府広報室からのメールにはこう書かれているんですね。全く新しい、どこの馬の骨だかわからぬところと契約することに決める場合は、それ相応の責任をとっていただく必要があると書いているんです。随意契約を結んだスリード社というのは、どこの馬の骨だかわからぬ会社だと言われている。
 中川大臣にお聞きします。
 政府として初めてスリード社と契約をしたのは経済産業省、このものづくり白書に盛り込まれた15ページの調査研究で1000万円の契約がされております。スリード社とは初めて契約するんだから、当然信頼の置ける会社かどうかを確認したと思いますが、どのような審査を行いましたか。会社概要、決算報告書、登記、こういうものを確認したんですか。
○中川経済産業大臣 御指摘のとおり、平成16年度のものづくり白書に関する調査を経済産業省としてスリード社に委託しております。これは、平成16年9月以降、当該調査の受託先の検討に着手し、スリード社に委託する方針を固めました。これは随意契約でございます。これは、いろいろな基準に基づきまして、スリード社に仕事をさせるということが適切だということで、約1000万円の委託契約を結んだということでございます。
○佐々木(憲)委員 私が聞いたのはそんなことじゃないんです。会社概要、決算報告書、登記など、必要な書類の審査を行ったのかと聞いているんです。
○中川経済産業大臣 具体的に、通例、相手方の組織概要、決算報告書、主な事業実績等の提出を求め、事業活動の状況を確認するなどして受託能力を審査した結果でございます。
○佐々木(憲)委員 では、登記を調べたんでしょうか。契約書の住所、当然、登記されている住所ですね。――早く答えろ。
○中川経済産業大臣 事務方からきちっと答弁させればいいんだと思いますけれども、事務方の出席が得られませんでしたので、私から申し上げますが、きちっとした面談の上でやらせていただいているということでございます。
○佐々木(憲)委員 いや、登記されている住所が契約書の住所ですかと聞いているんですよ。
○中川経済産業大臣 登記されている事務所と実際にやっている事務所と別でございますけれども、その実際にやっている事務所で確認をしているということでございます。
○佐々木(憲)委員 私は、これは非常に問題があると思うんです。要するに、登記を調べていないんでしょう。登記簿をとってそれを、登記簿というのは簡単に言うと会社のいわば身分証明書なんです。そこに書かれている会社の住所というのは、その人が住んでいる、その会社が現にある、本社があるところが登記に書かれているんです。それがきちっとそういう会社と契約をする、その住所が書かれた契約書に署名し、判を押すというのは当たり前じゃないですか。何でそれと違うことを書いているんですか。そんないいかげんなことをやっているんですか。
○中川経済産業大臣 登記簿は制度上要求されておりませんけれども、今こうやって事務方と、こういうふうにやっているとおり私自身もわからない部分がいっぱいある。したがって、きちっと佐々木議員の御質問に改めてお答えをしたい、先ほどからこうやってやっているとおりでございまして、余り格好いいことじゃないんで、きちっとお答えしたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 では、これは具体的に調査をして、後で委員会に報告してください。
○中川経済産業大臣 委員長、理事会の御判断にお任せしたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 私はこの登記を調べたんですね。そうしましたら、つまり、政府広報がやった契約書というのがあるわけです、これはもう委員会にも理事会にも出されているんです。それで、ここに書いている住所の登記簿を調べたんです。それで、これを出したわけです。そうしましたら、現在、この会社法人は見当たりません。つまり、神保町にあるという、そう言われている、契約書に書かれている住所、これを調べたら見当たらないんですよ、これは実際に。そういういいかげんな、しかも、先ほどの答弁だと、登記簿をとっていない、添付していないと。登記簿を調べたという答弁はなかったです。つまり、肝心なところを調べていないんです。この会社は一体どういう身分のものなのか、どこに住んでいてどんな人なのか、どんな会社なのかわからない。
 そこで、委員長、この調査の結果と関係書類、つまり、契約書、登記簿、すべて理事会に出すように言ってください。
○二階委員長 後刻理事会で協議をいたします。
○佐々木(憲)委員 では、政府広報室の林参考人に聞きますが、6月14日にこう答弁しているんですね。スリード社と契約をすべき、私どもはスリード社の登記、会社概要、決算書を審査いたしましたとこの委員会で答弁しました。契約書に書かれているスリード社の住所というのは、登記されている住所と違うんじゃありませんか。
○林政府参考人 お答えいたします。
 スリード社と契約するに当たりましては、登記、会社概要、決算報告書等の提出を求めたところでございます。これを通じまして、同社が会社として存立要件を満たしていると我々は判断いたしました。
 それから、登記簿上は江東区に本店が所在しているとされておりますが、実際の営業活動は千代田区神田で行っているということを承知しております。
○佐々木(憲)委員 通常なら登記簿を調べて、それを提出させたんでしょう、審査をしたと言ったわけだから。何の審査をしているんですか、実際に。そこに書かれている住所を契約書に書くのは当たり前でしょう。それも調べていない。こんなことも確認しないで1億5000万という巨額の契約書を結んだ。でたらめじゃないか。
 この点も含めて、引き続き今後追及するということを述べて、きょうはこれで質問を終わらせていただきます。

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