東海での活動
東海での活動 − 政府への要請、教育、住民生活、公共事業、医療・介護・障害者・年金、雇用・労働者の権利、愛知県
【10.12.20】愛知県の皆さんと政府要請
2010年12月20日、佐々木憲昭議員は日本共産党愛知県委員会の皆さんとご一緒に、政府要請を行いました。
要請した省庁は、総務省、厚生労働省、国土交通省、文部科学省です。
参加したのは、板倉正文・一宮市議、加藤典子・名古屋市議、柳沢けさみ・尾張中部地区委員会副委員長、河江明美・愛知県委員会常任委員、岡田ゆき子・北区委員会委員、西田とし子・熱田区委員長、黒田二郎・千種区委員長、藤井博樹・中村区委員、本村伸子・愛知県委員会常任委員、北田幸宏・東海ブロック事務所員のみなさんです。
医療費窓口負担(一部負担金)の減免制度を使いやすいものにとの要請について、厚生労働省は「災害や失業など収入などの急激な減少により生活困窮になった方が対象で、減免額の2分の1を国の特別調整交付金で補てんする。恒常的な低所得者についても各保険者の判断によって減免対象にすることは可能」「保険料の滞納の方についても減免していただきたい。もしそうなっていなければ、都道府県を通じて指導していきたい」と答えました。
撤去が心配されていた、マザーズハローワークに設置されているパソコン・印刷機についても、来年度も引き続き設置されると回答しました。
設楽ダムについては国土交通省が、環境アセスで豊川河口の六条潟・三河湾への環境影響評価を行わなかったが、再評価では「流域全体の自然環境にどうった影響があるかなど既往の調査結果を用いて可能な範囲で明らかにし、検討を行う」と回答。設楽ダム「検討の場」はダム推進派ばかりで、客観的・科学的検証ができないとの指摘には、中部地方整備局が予断を持ち込まずに検証することを本省としても「きっちりみる」と述べました。
要請内容の詳細や政府の回答については、本村伸子・愛知県委員会常任委員のホームページもご覧ください。
リンク【のびのびレポート】住宅リフォーム助成、コミュニティバス、保育、介護、医療、若者雇用、学費、設楽ダム中止など切実な要求を政府交渉
総務省・国土交通省・経済産業省への要請文(住宅リフォーム助成制度)
一昨年のリーマンショックや円高で、地域経済が苦境に陥っています。とりわけ中小零細企業は、内需や個人消費の落ち込みで、その影響は際だっています。
こうした中、全国の多くの自治体で、地場中小零細企業の仕事づくりや地域経済の活性化へ波及効果が大きい住宅リフォーム助成制度が大きな注目をあびています。全国商工団体連合会の調査によると、全国で175の自治体で実施していることが11月29日までに分かっています。ことし4月1日以降では43自治体が実施しています。
住宅リフォーム助成制度は、住宅をリフォームしたい住民に、地元建設業者等に依頼してリフォームを行った場合、自治体が一定額の補助をするものです。工事を地元の中小・零細建築業者に発注していくため、「建設不況」で仕事が減って困っている業者から歓迎され、住民からも「助成制度のあるこの機会に思い切って家をリフォームしたい」と歓迎されており、住民の居住環境を改善させるとともに、中小零細業者へのリフォーム工事発注を喚起し、地域経済の活性化や雇用改善に寄与するものです。
愛知県内では、蒲郡市で今年の10月から実施されましたが、予定した2000万円の助成額いっぱいの申し込みがあり、11月24日に助成事業を終了しました。わずか2カ月弱で201件の申し込みがあり、総事業費は約2・8億円(助成額の14倍)に及んでいます。
日本共産党の地方議員(団)は、各自治体で住民や諸団体とともに、住宅リフォーム助成制度の創設・実施を求め、愛知県に対しても11月10日に愛知県委員会として、住宅リフォーム助成制度の創設を求めたところです。12月7日の設楽町議会では、日本共産党議員の質問に設楽町長が「ぜひ実施の方向で検討したい」と1000万円の予算規模も含めて答弁しましたが、愛知県内でも一層の実施の拡大が求められています。
さる11月16日に行われた衆議院総務委員会で、住宅リフォーム制度にかかわって、日本共産党の塩川鉄也衆院議員が「疲弊した地域経済振興のため、その地方独自の経済対策実施のための財源確保もしっかりと必要だ」と述べたことに対して、片山善博総務相は「おっしゃるとおりだ」と答弁しています。
疲弊している地域経済を活性化するために、全ての自治体で住宅リフォーム制度を創設・実施できるように、以下のことを貴職に求めます。
国土交通省への要請文(コミュニティバスなど公共交通機関)
コミュニティバスは、住民の皆さんにとって、とりわけお年寄りや障がい、病気をもった方々、自動車の免許を持たない方々にとって、重要な移動手段です。また、公共交通機関の充実によるCO2排出量の抑制効果も期待でき、地球温暖化対策としても重要です。
愛知県内でも各自治体でコミュニティバスの運行は広がり、住民の皆さんに大変喜ばれると同時にさらなる充実の声が出されています。
愛知県内の自治体では、合併推進体制整備費補助金、まちづくり交付金、公共交通移動円滑化設備整備費補助金などを使ってバス車両を購入したり、自動車事故対策費補助金を使ってバス会社の赤字をうめるなど、使える補助金を探し、工夫しながら充実のために努力しています。
住民の皆さんの移動の自由を保障するためにも、自治体が使いやすい更なる国の支援を求めて、以下、要請いたします。
厚生労働省への要請文(保育)
今、民主党政権は「子ども・子育て新システム」を来年の通常国会に法案提出しようとしていますが、「新システム」は、保育のあり方を根本からくつがえそうとするねらいがあります。公的保育制度の根幹である自治体の保育実施責任をなくして保育を親の「自己責任」とする、自公政権から引き継いだ方向をすすめようとしています。
幼稚園と保育所を一体化した「子ども園」の入所については、現在の市町村に申し込む保育所の仕組みを変え、保護者が自分で探して契約する「直接契約」にし、利用料も収入に応じたものから利用時間に応じた応益負担にして、認定時間を超えた分は全額自己負担も検討しているといいます。親の収入にかかわらずどの子も平等に良い保育が受けられ、父母が安心して働き続けられるという保育の根本を揺るがすものです。親の収入による選別と格差を乳幼児期の子どもたちにひろげることは絶対に許すわけにはいきません。
また、国が決めていた施設等の基準を自治体まかせにする方向も検討されています。全国知事会は、施設面積や保育士配置を市町村の自由にすること、3歳未満児の給食の外部搬入容認など、「規制緩和」を先取りする「特区」を提案しました。国の基準がなくなれば、自治体ごとの格差が広がり、現在でも低すぎる保育所基準がさらに引き下げられ、保育の質の低下が危惧されます。
安心して預けられる保育の拡充は、国と自治体の責任が明確な現行保育制度の根幹があってこそ可能です。幼稚園団体や日本保育協会などの保育団体もそれぞれ、「幼児教育の質低下をきたさないよう国・都道府県の責任を明確に」「児童福祉法第24条にもとづく公的保育制度の堅持・拡充を」と意見表明しています。
子どもたちが大切にされ、誰もが安心して子育てできるようするために以下のことを求めます。
厚生労働省への要請文(国民健康保険等)
国民健康保険は、加入者の所得が減っているにもかかわらず、保険料(税)がどんどん値上げされ、くらしを圧迫し、深刻な負担となっています。その最大の要因は、1984年以来、国庫負担が削減されてきたことです。国は国保財政への国庫支出金の割合を1980年代の約50%から25%へ半減させてきました。そのうえ、都道府県から市町村への独自の支出金が減っています。愛知県も1997年度に28億円あった支出金が、2010年当初予算ではわずか6%の1億7000万円の計上しかされていません。
その結果、愛知県においても、今年の6月1日現在で、国民健康保険加入世帯の2割を超える23万3883世帯が保険料(税)を滞納し、5000を超える世帯に、資格証明書が発行されています。
こうした中で、後期高齢者医療制度に代わる「新制度」を議論する厚生労働省の高齢者医療制度改革会議は11月16日、75歳未満が入る国民健康保険について、現行の市町村単位から都道府県単位に「広域化」する時期を「新制度」の法案に明記する方針を示しました。
「国保広域化」は現在行われている市町村の一般財源投入をできなくし、歯止めのない国保料(税)上昇を招くものです。都道府県単位の保険者づくりは民主党が掲げる「医療保険の一元化」とともに、もともと小泉・自公政権が医療構造改革の骨格として打ち出したものです。住民に対する市町村の負担軽減をやめさせ、国民に保険料引き上げか受診抑制かを迫って医療費削減を図ることが狙いです。住民の命と健康を守る社会保障制度としての公的医療保険を破壊する路線です。
後期高齢者医療制度の速やかな廃止とともに、国民健康保険の「広域化」に反対して、国庫負担の復元で国民健康保険を立て直し、住民のいのちとくらしを守るために、緊急に以下のことを貴職に求めます。
とりわけ、18歳年度末までの子どものいる世帯、母子家庭や障がい者のいる世帯、病弱者のいる世帯には、資格証明書を絶対に発行させないこと。義務教育修了前の子どもについては、窓口交付だけでなく、郵送も含め1枚も残すことなく保険証を届けること。
厚生労働省への要請文(介護)
11月30日、社会保障審議会介護保険部会から「介護保険制度の見直しに関する意見」が出されました。この意見を受け、来年の通常国会に法案を提出する意向と報道されています。しかし、介護保険部会の意見のなかでは、「軽度」と認定された方へのサービスの切捨てや、利用料などの負担増の方向が打ち出されています。
現状でも「お金がなくてヘルパーさんの回数を減らした」など必要な介護を受けることができない現状があります。そして、「軽度」と認定された方でも、病気や障がいで自由に体を動かすことができず、掃除・洗濯など生活援助を受けてなんとか暮らしている方もみえます。「ヘルパーさんの援助がなくなったら夫が仕事をやめざるをえない。生きているのが辛くなります」との声も出されています。
要介護認定では、認知症があって介護の必要な人まで「要支援」とされています。ヘルパーさんは、高齢者の生活を支えながら、自分でできることが増えるようにコミュニケーションをとっています。その援助を取り上げたら重度化・重症化が進んでしまいます。
また、愛知県には、1万人ちかい特別養護老人ホームの待機者がおり、施設整備はまったなしです。介護の分野で中小企業の仕事を増やし、雇用をつくるためにもこうした施設整備を前倒しで行うべきです。
誰もがお金の心配なく、必要な支援・介護が受けられるように以下の要請をいたします。
厚生労働省・文部科学省への要請文(若者の就職難)
いま、学生の就職難は「超氷河期」といわれるほど深刻です。愛知県は、県内大学・短期大学の来春卒業予定者の就職内定率(10月末時点)が47.6%と、1994年の調査開始以降最低になったと発表しました。
日本共産党愛知県委員会と学生の皆さんとの懇談のなかでも、「50社受けても受からない、自分はダメな人間だ」、「自分の手首を切って、就活の苦しみから逃れようとした学生もいる」など、学生の悲痛な声が寄せられました。まさに、就職難が若者の生きる希望を奪う事態になっています。「社会人としての第一歩が失業者」という事態を一刻も放置することはできません。
また、就職活動の長期化、早期化により、「就職説明会と授業が重なって、授業が成り立たない」、「会社面接の交通費を稼ぐためにバイトを増やした」など、過熱した就職活動が学生の本分である「学ぶこと」と両立ができなくなっています。
就職難を打開し、若者の雇用を確保するために、国が抜本的な対策を行うべきです。以下の内容で要請をいたします。
文部科学省への要請文(学費)
いまや、日本の学費は国立で約82万円、私立大学では約131万円(入学料、授業料)と異常な高さです。家計収入が減るもとで、学費負担はますます重くなり、経済的理由により、大学進学の機会さえ奪われる事態となっています。
日本共産党愛知県委員会と学生の皆さんとの懇談のなかでも、高学費に苦しむ学生の悲鳴が多数寄せられました。ある大学の「2010 黒書」によると、学生の80%が学費を負担に感じ、「家族に苦労をかけてつらい」、「奨学金の返済が不安」との声をあげています。
OECD加盟国でみても、多くの国が、大学の授業料を無償にし、給付制奨学金を導入しています。今年、1月、鳩山前首相は国際人権社会権規約の学費無償化条項について「留保撤回」を目的とすることを表明し、そのもとで公立高校の授業料無償を実現するなど一歩をふみだしています。速やかに、無償化条項の留保を撤回するとともに、「教育の機会均等」を保障するにふさわしい施策を実現されるよう以下の内容で要請いたします。
国土交通省への要請文(設楽ダム計画)
9月27日、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が「中間取りまとめ」をとりまとめ、9月28日に国土交通大臣から中部地方整備局長に設楽ダムの検証を進めるよう指示がありました。
11月26日、第一回設楽ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場が開催されましたが、設楽ダムをこれまで推進してきた中部地方整備局が検証主体となり、設楽ダム推進の立場を明確にしている愛知県副知事、豊橋市長、豊川市長、蒲郡市長、新城市長、田原市長、設楽町長が構成員となり、その発言も根拠も示さず事実と異なることを言って設楽ダムの必要性を説いたり、早く検証を終えることを促したりしています。また、有識者もおらず、再検証を行う場としてはふさわしくありません。
設楽ダムの必要性に関して、客観的、科学的な検証を行い、中止の決断をするために国土交通大臣に以下の要請をいたします。
設楽ダムの建設の有無に関わらず、水没予定地にくらす住民の皆さんへの生活・営業支援、損害賠償を行うこと。設楽ダムを中止にした場合も財政的な裏づけをもって、設楽町の活性化のために支援を行うこと。そのためにも「公共事業の中止に伴う住民の生活再建・地域振興を推進する法律(仮称)」を制定すること。