東海での活動
東海での活動 − 政府への要請、金融被害、医療・介護・障害者・年金、静岡県
【06.09.27】静岡県の皆さんと政府交渉
静岡県の皆さんが政府交渉を行い、佐々木憲昭議員も厚生労働省との交渉に参加しました。
ごいっしょに交渉したのは、瀬古由起子元衆議院議員、平賀高成元衆議院議員、小黒啓子浜松市議、落合勝二浜松市議候補、河瀬幸代静岡県議候補、寺尾昭静岡県議候補などです。
障害者自立支援法の施行から5ヵ月が経過しました。
10月にせまった本格実施を前に、障害者・家族や関係事業者にとって、死活にかかわる問題点が浮かび上がっています。
障害が重いほど負担が重くなる「応益負担」の導入で、施設を利用できない人も生まれているため、それを根本的に見直すことをもとめました。
また、心身障害者扶養共済年金の半分が利用料として算定されているのは、不当です。
生活保護では収入認定しないのだから、それにならって収入認定をしないことをもとめました。
さらに、障害者区分認定を生活実態にあったものに改善すること。また、福祉的な就労の場を制約するようなことのないよう、あくまでも本人の希望を尊重した対応を求めました。
厚生労働省への要請文
要請
障害者自立支援法の施行から5ヶ月、10月に迫った本格実施を前に、障害者・家族や関係事業者・施設各にとって、まさに死活にかかわる問題点が次々に浮かび上がっています。
そのうち、静岡県内に見られる深刻な実態をふまえ、特に以下の諸点を要請いたします。
1、「障害者就労訓練設備等整備加算申請」について
これまで、小規模作業所の今後の選択肢として、法人格をとり、職員と定員の要件を満たせば生活介護、就労移行支援、就労継続支援、地域活動支援センターのいずれか、または地域の条件によっては多機能型の事業選択が可能だとされてきました。ところがさる7月、浜松市の障害福祉課が「障害者就労訓練設備等整備加算」の申請に関して関係小規模授産所に対し、「就労継続支援事業(非雇用型)の新規利用者は、在宅障害者では就労経験が有る者、養護学校卒業生では就職活動を行っている者でないと利用に該当しないので、要件に当てはまるかどうか確認したい」と連絡を行っており、それが「国の方針」によるものと説明されたため、関係者一同大きなショックを受けました。多くの小規模作業所は、新サービス体系への移行先として「就労継続支援事業(非雇用型)」を予定(4月に静岡県が実施したアンケートで、46.9%)していますが、そもそも小規模作業所は就労が困難で就労経験をもたない重度障害者の利用者がほとんどです。したがって、国の示す「移行条件」は、養護学校卒業生の進路先、福祉的就労の場を大きく制限するものといわざるをえません。
- 申請にともない、国が自治体を通じて就労経験の有無を照会するなど、「就労継続支援(非雇用型)」への唐突な条件付けをはかっていることについては、撤回すること。
- 「就労移行支援」や「就労継続支援(雇用型)」の利用が困難と判断される人は、本人の意向を尊重し、誰でも「就労継続支援(非雇用型)」が利用できるようにすること。
2、障害区分認定について
障害認定区分の認定における79項目の質問項目が、介護保険の要介護認定に使用されている内容とまったく同じであり、障害の程度を軽く判定してしまう状況が多く見られるので、障害の実態を的確に判定ができるものに改めること。
3、共済年金の収入認定について
親が生前、わが子のために積み立てて残した心身障害扶養共済年金(1口2万円)も50%が利用料として算定されてしまい、2口受給している人は補足給付対象からもはずされます。
生活保護では、心身障害扶養共済年金は「障害者ゆえに必要な生活費」であるとして収入認定しないことにならい、障害者自立支援法でも収入認定をしないこと。
4、応益負担の見直しについて
1割の負担が重荷で、施設を利用できない人をも生んでいる応益負担を根本的に見直すこと。
金融庁への要請文
要請
多重債務による自殺事件など、痛ましい事件が静岡県内にも広がっています。サラ金などの異常な高金利引き下げを求める世論の広がりで、昨年3月から議論を重ねてきた金融庁の有識者懇談会では、金利引き下げを規定の方針としていました。ところが金融庁はこの合意にそむき、高金利温存の「特例」を盛り込んだ案を自民党の金融調査会などの合同会議に提示し、自民党の一部議員がこれに便乗し、巻き返しをはかっています。
- 小額短期特例金利を28%とし、原案が示す30万円を6ヶ月、あるいは50万円を1年で返済するケースをシミュレーションすると、債務者は毎月の家計から5万円以上の返済金を捻出しなければなりません。これは、多くの資金需要者の可処分所得を超える金額と推測され、到底容認できない制度です。
いわゆる「特例枠」を設け、特例金利を利用した債務者には、特例限度額を超える貸付自体を禁止する方法により、破綻を免れるとの意見もありますが、多くの資金需要者が「借りたとたんに破綻に向かう」制度であるという実態こそ重視されるべきです
- また、貸金業規正法43条(グレーゾーン金利)は、近年の相次ぐ最高裁判決によって、その適用が否定され続けました。金融庁「貸し金制度等に関する懇談会」や自民党・公明党の「貸金業制度等の改革に関する基本的考え方」でも、司法の状況を踏まえ、グレーゾーン廃止が確認されました。
さらに、300万人以上の国民の署名や、39都道府県議会および880市町村議会の意見書採択など、グレーゾーン廃止が国民的総意ともいえる中、さらに3年もの長期にわたってグレーゾーンを存続させ、あるいは「特例金利」という新たな利息制限法超過金利を導入することは、これら国民の声を無視するものです。
- 単に物価変動だけに着目し、利息制限法の金利区分額を50万円・500万円(現行10万円・100万円)に変更するべきではありません。貸金業者の平均資金調達金利は大手で2%程度、中小を含めても5%以内であり、金利区分を5倍に引き上げることは、現在でもアンバランスな状態が批判を受けている貸金業者の「利ざや」をより拡張するもので容認できません。
また、個人の資金需要で最も主要な10万円から50万円の貸付が18%から20%へ、事業者の資金需要で最も主要な100万円から500万円の貸付が15%から18%へと、実質的な金利引き上げが生じ、資金需要者の視点に立った貸金業制度の構築という観点に逆行する制度になっています。
以上のことから次のことを要請します。
記
1、小額短期特例は設けないこと。
2、グレーゾーンは改正法施行と同時に廃止すること。
3、利息制限法の金利区分額については、現状の金利区分額を変更しないこと。