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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − メディアでの憲昭寄稿文

【09.10.09】選挙制度について「週刊金曜日」のインタビュー

 2009年10月5日に、佐々木憲昭議員は、現行の選挙制度のあり方を検証し、少数意見も含めたかたちでの民意が反映されるような選挙制度を模索するということで、「週刊金曜日」のインタビューを受けました。

 民主党は、「政権交代の可能な選挙を実現」するためとして、比例議席を80削減することをマニフェストに盛り込んでいます。
 しかし、多様な意見を政治に反映させるという視点から見て、このような「民意を切り捨てる」制度改悪は重大な問題を含んでいます。
 日本共産党は、比例定数削減に断固反対し、小選挙区制を廃止して全国11ブロックの比例代表制に改革するという政策を提言しています。

 このインタビューは、2009年10月9日号に掲載されました。

佐々木憲昭議員のインタビュー

インタビュー 少数意見が反映される選挙制度とは?

「二大政党制」は財界の意向

佐々木憲昭 衆議院議員・日本共産党衆議院国会対策副委員長


 選挙制度は、国民の声を議席にどう反映させるかを決める仕組みで、民主主義のバロメーターです。小選挙区制は、民意を正確に反映させるという点で根本的に欠陥があると考えています。今回の衆議院選挙の投票総数は7058万票ですが、当選者以外の候補者に投じられた票は3270万票、「死票率」は46.3%にのぼります。300の小選挙区中、87の選挙区で「死票率」が50%を超えています。得票率と議席占有率が極端に乖離し、少数政党は切り捨てられる。つまり多様な民意を切り捨てるという性格を持っています。
 比例代表のほうが、民意を正確に反映する制度だと思います。全国一律の比例制度が正確に民意を反映すると思いますが、ブロック制は候補者が比較的その地域に密接した活動ができる、候補者の顔が見えるという利点があります。党としては衆議院の小選挙区制を廃止し、全国11ブロックの比例制に置き換える提案をしています。
 民主党の「比例議席の80削減」については、日本共産党は厳しく批判してきました。
 小選挙区制は「政権交代」ができる制度だと言いますが、民意を切り捨てることにつながります。「マニフェスト」で比例80削減に明確に反対しているのは、日本共産党と社民党だけです。他の政党とも立場の違いを超え、共闘を広げていきます。
 もともと日本の国会議員は他国と比べ少ないのです。人口10万人当たりで、イタリア1.07人、イギリス1.06人、フランス0.93人、G7平均で0.5人。日本は0.38人にすぎません。
 二大政党制を政治に持ち込もうとしたのは財界筋です。90年代の初め、「小選挙区制の導入」「首相・内閣のリーダーシップの強化」「政党交付金の創設」を提言し、細川内閣が呼応しました。経済同友会は02年10月の提言で、(1)政権党とそれに取って代わろうとする野党第1党が対決する政権選択選挙に切り替えることお、(2)比例代表部分をなくして小選挙区1本にする選挙制度に改革すること――を主張しました。03年1月の日本経団連の提言でも、「野党は批判勢力から脱しいつでも政権に取って代われるだけの能力を備えなければならない」として、二大政党づくりの号令をかけました。03年9月の民主党と自由党の合併を促したのも財界側でした。
 しかも、日本経団連は、03年以降毎年「優先政策事項」という要望を出しています。その要望に沿った政策を掲げ実行しているかを5段階で評価し、二大政党に献金するよう企業に促してきました。まさに「通信簿方式の献金促進策」です。実際の献金額は、自民党が年に約30億円、民主党が7000万円台で格差はありますが、財界側は二大政党に献金でヒモをつけようとしたのです。今度の総選挙で自民・公明政権を終わらせましたが、新政権が前に進むか後退するかが問われています。
 民主党は、今年6月の日本経団連との政策懇談会で、直嶋正行政調会長(当時。現経済産業大臣)が、「企業・団体献金はすべて悪いから禁止すると考えているからでもない」「禁止までの3年間については、引き続きご支援をたまわりたい」と要請しました。こういう姿勢で3年後に本当に禁止できるのでしょうか。
 最近の「派遣切り」と正面から立ち向かい派遣労働法を抜本改正する問題にしても、温室効果ガス削減にしても、財界との腐れ縁を断ち切って国民の立場から対応ができるのか、まさに問われていると思います。
 私たちは、選挙制度の改悪をテコに人為的に二大政党を作るようなやり方には反対です。少数意見であっても民意が正確に議席に反映され、その議員の主張が真に尊重されてこそ、議会制民主主義が徹底されることになると考えるからです。

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