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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【08.09.25】「定額減税」でお茶濁すな名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2008年9月25日


生かされなかった「定率」廃止の増税分
 新しい総理大臣に麻生太郎氏が選出され、いよいよ、解散総選挙の時が迫ってきました。
 それを有利に乗り切ろうと、最近、「定額減税」を実施すべきだという声が、公明党などから聞こえてきます。
 しかし、小泉内閣以来、12兆円(1人当たり10万円)も国民に負担増と痛みを押しつけてきたことに反省も謝罪もせず、いまごろ何をいっているのかという感じがします。
 一例をあげれば、所得税・住民税の大増税の原因になった「定率減税廃止」を提案したのは公明党であり、それを自民党とともに実施し、国民に3兆5000億円もの増税を押しつけたことは記憶に新しいところです。マスコミからも“増税戦犯”と批判されました。
 そのことにたいして、ひとことの反省の声も聞かれません。この定率減税の廃止による税負担は、毎年続いているのでが、提案されている「定額減税」というのは、たった一回限りで、いまだに金額も確定していません。こんどの補正予算にも入る予定はありません。この点では、数年前に実施して評判の悪かった「地域振興券」のバラマキと、たいへん似ています。
 しかも、来年度の予算を編成する時に他の税制といっしょに考えましょうというもので、本当に実行されるのかという疑いもあります。
 国民を苦しめた定率減税廃止にょる大増税は何のためだったのかと、あらためて考えざるを得ません。自公政府が、定率減税を廃止したのは、「基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げるという理由」でした。ところが実際に国庫負担に使われたのは4分の1で、あとの4分の3は財政赤字の穴埋めなどに消えてしまったのです。
 そんなことをしながら「まだ足りないから今度は消費税の増税を」という主張は、とうてい通用するものではありません。
 私が出演したテレビ討論のとき、公明党の税制調査会長は、「昨年12月の自民、公明の合意で、定率現在廃止の分は全額基礎年金の国庫負担に使うことを決めている」と述べました。
 しかし、今度の概算要求で、まともな要求をしてないのです。それは、これからの消費税増税を念頭に置いたものだとも言われています。
 定率減税廃止で、国民に3兆5000億円(国・地方の税収)もの増税を押しつけ、「全額基礎年金に使う」という「口実」を反故にしたのに、一回限りの「定額減税」でお茶を濁そうとするのは、とても認められません。

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