憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【08.09.11】誰がなろうが 消費税増税だ名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2008年9月11日
自民総裁選5人乱立
9月1日、福田さんが突然、総理を辞する意向を表明し、たいへん驚きました。
その日の夜、9時20分頃にテレビ画面にテロップが流れ、「福田首相辞任の意向、まもなく記者会見」と。私は、あわててチャンネルをNHKに切りかえました。9時半から福田総理が首相官邸で記者会見をおこなうところでした。
福田さんは「新しい体制を整えた上で国会にのぞむべきだ」として辞任する意向を正式に表明したのです。──わずか1ヶ月前に内閣改造をおこない自前の内閣をつくったばかりであり、12日から臨時国会を召集すると決めたばかりでしたから、まさか、辞任するなんて思いもよりませんでした。
福田さんは、憔悴した感じで「積もり積もったモノが、私の内閣で噴き出た」と言いました。これまで強引に進めてきた自民・公明の「構造改革」路線が、政権を行き詰まらせたのではないでしょうか。小泉内閣以来の国民負担増は、12兆円。国民ひとり当たり10万円の負担増になります。国民の怒りの中で、安倍総理も福田総理も、次々と政権を投げ出すことになったのです。それにしても、きわめて異常なことです。
その直後から、自民党内では「誰が次の総裁・総理になるのか」「誰と組んだら有利か」と騒然としてきました。始めは、麻生さんが注目されていました。しかしそれに続いて、小池さん、与謝野さん、石原さん、石破さん、棚橋さん、それに山本一太さんまで総裁選に出馬する意向を明らかにしました。最終的には、5人に絞られましたが、それでも乱立です。
いったい、これらの候補に違いがあるのでしょうか。マスコミのなかには、「経済政策に対立軸」があるかのように分析しているものもあります。たとえば、「財政再建」(増税に積極的)派か「成長重視」(増税に慎重)派か、というのもそれです。
しかし、果たしてこれらの人々の経済政策のあいだに、真の意味での「対立軸」があるでしょうか。「積極的」か「慎重」かといっても、“時期の違い”はあっても、すべて「消費税増税」を肯定しているのです。「法人税減税」についても容認しています。──ハッキリ言えば、財界・大企業が要求している政策の枠内での若干のニュアンスの違いに過ぎません。財界・大企業の利益を最優先させる立場であることは、どこから見ても間違いないのです。
それを、あたかも「大きな違い」であるかのようにいうのは、国民に誤解を与えるものではないでしょうか。
与党は、マスコミの注目を誘いながら、その勢いに乗って総選挙になだれ込むという作戦なのでしょう。24日に召集される臨時国会が始まったら、いつでも解散・総選挙になる可能性があり、本格的な議論ぬきに冒頭解散をおこなうということもあり得ます。
これを迎え撃ち、今度こそ、国民を塗炭の苦しみに追い込んだ「構造改革」路線を転換させ、財界・アメリカ中心の政治を国民本位に切りかえなければなりません。いまは、誰が総理になるかより、政治の中身の切り替えこそが必要なのです。