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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【08.07.17】代読、筆記拒否の議会 公然たる障害者いじめ名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2008年7月17日


声帯なくした議員の発言許されない苦痛
 岐阜県の中津川市議会議員だった小池公夫さんが、下咽頭ガンに冒され声帯を失い発声することができなくなったのは、市議会議員1期目の2002年10月のことです。
 2003年4月の選挙では、小池議員の息子さんと娘さんが訴えをおこないました。その選挙で、小池公夫さんは市民に支持され見事に再選を果たしたのです。
 日本共産党市会議員団は、下咽頭ガンの手術を受けて発声が困難になった直後、小池議員の発言権を確保するため中津川市議会運営委員会に対して「質問を文書でさせてほしい」と申し入れました。しかし議運委員会は、質問や発言は「口頭で行うのが原則である」として、それを認めませんでした。その結果、小池議員は、事実上議会での発言ができなくなったのです。
 2003年4月に再選された後、日本共産党は「代読による質問」や「ホワイトボードを使っての発言」を申し入れましたが、それも認めませんでした。その後、日本共産党の申し入れや市民の運動もあり、2005年12月には委員会での代読は認められました。
 しかし、本会議での発言は一切認められず、2期目は小池議員は一度も本会議で発言することができなかったのです。
 ある市議会議員は、「パソコンで入力する“会話補助装置”を使った方がよい」などと主張しているそうです。
 しかし、小池議員はそれまでパソコンを使ったことがありませんでした。
 本人が望まない会話補助装置などを強制することは、苦痛を強要するものであり議会による「いじめ」以外の何ものでもありません。
 本来、どのような伝達手段を使うかは、障害者本人が選択すべきものです。
 それは、障害者の「自己選択権・自己決定権」に属する問題です。2006年12月13日に国連で採択された「障害者の権利条約」でも、「公のコミニュケーションの方法は、障害のある人の自らの選択を承諾すること」とされているのです。
 中津川市議会は、小池議員の代読発言をあくまでも拒み続け、「議会事務局職員による代読発言を認めるべき」とする岐阜県弁護士会の勧告があっても、小池さんの訴訟予告があっても、その態度を変えようとしませんでした。
 そのため、弁護士や支援者などとも相談のうえ、やむをえず中津川市および代読に反対した議員にたいして損害賠償を請求する訴訟を起こすことになりました。
 発声することができなくなった小池議員が、中津川市民に再選されたということは、市民が小池氏の意見を議会に反映してほしいと望んだことを示しています。それなのに、「代読」を認めないのは、選挙で示された市民の意思を無視するものです。
 このようなことがまかり通れば、声を失った障害者は、事実上議員になる道を閉ざされてしまいます。
 鎌倉市議会では、すでに発声に障害のある議員の代読が「権利だから」(市議会議長)と認められているのです。小池さんへの支援の輪を広げようではありませんか。

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