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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【08.06.19】提案しながら欠席とは何事か 終盤国会に見た民主の無責任さ名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2008年6月19日


 国会最終盤は、問責決議、内閣信任決議、会期延長をめぐって大きく揺れました。
 参議院本会議で、民主、社民、国民新の3党が共同提出した福田首相に対する問責決議は、賛成131、反対105で、日本共産党を含む野党全体の賛成多数で可決されました。参院で首相にたいする問責決議が可決されるのは、憲政史上初めてのことです。
 ところが与党はこれに対抗して、衆議院に「内閣信任決議案」を提出しました。「不信任」決議案ではなく「信任」決議案です。その日の夕方に開催された衆院議運委理事会には、民主党、社民党、国民新党は欠席しました。議運理事会には、日本共産党から私が出ていますが、私は、出席して意見を述べました。
 次の日の本会議の議題として、内閣信任決議案、国会同意人事(日銀政策委審議委員)だけでなく、後期高齢者医療制度廃止法案の趣旨説明と質疑が予定されていました。ただ、廃止法案を議題とすることについては、民主党の出席が前提とされました。
 私は、議運理事会で「他の野党が出てこないばあい日本共産党が野党を代表して趣旨説明と答弁をおこなってもよいか」と提案しました。12日の朝、穀田恵二国対委員長とともに、私も自民党国対委員長にかけあいました。
 実は、前日の夜に、自民、公明、共産の質疑者から、野党の廃止案にたいする質問項目が、提案者の一人である小池晃参議院議員に届いており、それに対する答弁書を夜を徹して作成していたのです。自民党の大島国対委員長との会談のさい、穀田さんはそれも紹介しながら、「どのような条件があれば、我々に廃止法案の趣旨説明と答弁をやらせてもらえるのか」と詰め寄りました。
 自民党の回答は、「ひとつは、本会議場のひな壇に提案者が座ること、もうひとつは、野党国対委員長会談で野党を代表して日本共産党が発言することの了解が得られることだ」といいました。結局、「野党全体を代表してやってよいという確約が得られれば認めよう」ということになりました。
 そこで、穀田国対委員長は、さっそく各野党に働きかけました。「了解する」という返事も、なかにはありましたが、肝心の民主党が「認めない」という姿勢を崩しませんでした。そのため、結果として残念ながら本会議場での出番はなくなりました。なんとかして「廃止法案を議論の俎上に載せたい」という熱意は、封じ込められました。日本共産党の志位委員長は記者会見で「自分で提案しておきながら、質疑をボイコットするのは、理解できない」と批判しました。
 13日の衆議院本会議では、今国会の会期を21日までの6日間延長する提案が可決されました。日本共産党は出席して反対しましたが、民主、社民、国民新は欠席しました。私は、本会議に先立つ議院運営委員会で、私は、条約の自然成立をはかるだけの目的での会期延長には反対だと意見表明をおこないました。
 国会が最大の任務である審議権を放棄し、徹底審議をつうじた国民世論の合意形成の追求をないがしろにすることは、決して許されることではありません。

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