憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【07.11.08】海外派兵の恒久法作り画策? 民意無視の党首密室談合政治名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2007年11月8日
「政治の世界は一寸先はヤミ」と言われますが、ほんとうにそれが実感です。
小沢代表が会うのを「断った」ため安倍総理が辞め、こんどは、福田さんの申し入れを「受けた」小沢さんが辞めて「復活する」。……いったいどうなっているのでしょう。そこにあるのは、国民不在の密室談合です。
小沢氏は「党首会談で要請のあった大連立をめぐり、政治的混乱が生じたことを受け、代表を辞する辞職願を提出し、執行部に進退をゆだねた」と述べました。本当に辞めるのか」と思ったら、こんどは役員会・議員あげての慰留劇です。
大連立については、福田総理が「互いにそういう気持ちが多少でもないと、そういうことにはならないだろう。あうんの呼吸だ」と述べました。
「反自公」をかかげて参院選挙をたたかった小沢氏が、福田首相と「密室」で自・民の「大連立」を協議し、小沢氏がいったんは持ち帰って検討すると約束したのは、それ自体、民意に反します。
もともと、福田総理(自民党総裁)と民主党の小沢代表の党首会談が行われたときから、異例づくめでした。予定されていた衆院テロ防止特別委員会は取りやめになり、次の日に予定されていた「党首討論会」(クエスチョンタイム)も取りやめになりました。
自民党の山崎正昭参院幹事長は、今日午後の記者会見で、二人の党首会談について、「詳細が明らかにされておらず密室的な要素が多い」と述べました。
山崎氏はその理由として、会談で新テロ対策特別措置法案の扱いが議論されたことを挙げて「議論を戦わせるなら、党首討論など国会を通じた方が国民も判断できるのではないか」と指摘しました。
じっさい党首会談を受けて、国会の雰囲気が一変しました。テロ特委では、政府からも民主党議員からも「歩み寄り」を模索するような発言が相次ぎました。たとえば、民主党が「自衛隊の海外派遣要件を定めた恒久法を作るべきだ」などと主張し、与党席から大きな拍手を受けていました。
福田首相、小沢代表の双方の説明から見えるのは、自衛隊を海外に派兵する恒久法というのをつくろうという話し合いがなされたことです。テロ特委の自民党委員は「党首会談が決まってから民主党の態度が急変した」と語ったそうです。
これほど、参議院選挙で示された民意を否定する行動はありません。国民が見えるところで議論するのをやめて密室に逃げ込むようなやり方では、国民のための政治は、決して生まれません。