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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【07.03.01】許せない!“通信簿方式”の政財癒着名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2007年3月1日


 先日、衆議院予算委員会で「雇用・労働問題等について」の集中審議がおこなわれました。――私は、非正規雇用が増加する背景に、政府による労働法制の規制緩和政策があると指摘し、政府の責任を問いました。
 1985年の労働者派遣法制定で、派遣労働が認められて以来、相次ぐ法改悪で派遣労働・非正規雇用が増加しました。私は、非正規雇用で働いている若者の多くが、正規雇用を望んでいることを示して「企業・財界にどう指導したのか」と質問しました。これにたいして、安倍首相は、「民間企業に命令できない」などと逃げました。
 私は、日本経団連の御手洗冨士夫会長の出身企業であるキヤノンで相次いでいる偽装請負問題をとりあげ、「事実関係を確かめる意志はないのか」とただしました。これにたいしても、安倍首相は「個々の企業の状況については、言うのを差し控える」と逃げました。
 私は「キヤノンをかばっているとしか思えない。かばうから、御手洗氏は言いたい放題だ」と批判し、経済財政諮問会議で、御手洗氏が偽装請負問題について「請負法制に無理がある」と居直る発言を繰り返していると指摘しました。
 税制でも、御手洗氏は「法人実効税率(現在約40%)の30%程度への引き下げは、企業優遇かどうかといった小さな議論ではない」と開き直っています。
 庶民に対して、所得税・住民税の定率減税廃止で大増税を押しつけておいて、大企業にだけ減税しろということ自体、不当きわまりないものです。
 現在、大企業の利益にかかる法人課税の実際の実効税率は、各種の優遇措置によってすでに30〜33%に引き下げられています。連結経常利益ランキング上位100社の同実効税率は、平均で30.7%、持ち株会社や税額がマイナスの企業などを除いた上位79社の平均でも、32.6%となるのです。
 その事実を隠しておいて、法人税(国税)に法人住民税や法人事業税など地方税を加えた企業の税負担割合(実効税率)が、制度上約40%だと言っても、とても通用するものではありません。
 御手洗氏の主張は、すでに低く抑えられている税負担をいっそう軽減させようとする財界・大企業本位の勝手な要求にすぎないのです。
 私は、先の質問で、「重大なのは、このウラで政治献金がおこなわれていることだ」と指摘しました。
 日本経団連が、自民党などの政策を評価して“通信簿”をつけ、その“成績”を参考に加盟企業が献金する仕組みがあります。私は、それを「まさに通信簿方式による政策買収だ。財界の言いなりになれば献金が増える。これは癒着だ」と追及しました。
 そして、こういいました。――「御手洗会長にモノが言えず、献金ももらい、政策もいいなり。……官邸が経団連に直接支配されていると言わざるを得ない」と。

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