憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【06.07.20】社会保障負担増、消費税増… 非正規雇用増の企業に負担を名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2006年7月20日
最近報道された厚生労働省の2006年版「労働経済の分析」(労働経済白書)の原案によると、20歳代を中心に非正規雇用が増えて収入の格差が広がったため、若者の結婚が大幅に減り、少子化の要因となっていると分析しています。
2002年の15〜34歳の男性に配偶者がいる割合は、「正規従業員」が約40%だったのに対し、「非正規従業員」や「パート・アルバイト」は10%前後にとどまっているそうです。
非正規雇用の割合を1997年と02年で比較すると、20〜59歳まですべての年齢層で増加傾向がみられました。特に20〜24歳の年代で増加率が高く、02年は97年と比べてほぼ倍増し、30%を超えています。
また、経済協力開発機構(OECD)は6月末、対日審査会合をパリで開催し、日本社会で拡大している所得などの格差に強い懸念を示したそうです。
OECDは、7月20日に対日審査報告書を公表する予定で、全6章のうち1つを格差問題に充てる見通しです。
それによると、日本は従来、「所得の不平等度が少ない社会」と見られてきましたが、「最近は就労者の所得格差が拡大している」と警告しています。
その理由として、企業が非正規雇用への依存を強めている点を挙げているそうです。
いずれにしても、大企業・政府の雇用政策がその根本にあることは明らかです。
大企業に対して、正規雇用のいっそうの拡大を求めるとともに、政府にたいして雇用を安定させる政策を要求していかなければなりません。
それと同時に、政府による国民負担の方針も大きな問題です。
「骨太方針」によりますと、2011年度に国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を目指し、社会保障関係費を削減するなどして最大14兆3000億円の歳出削減をおこない、消費税増税など庶民大増税に道を開く「社会保障目的税」化の検討を盛り込みました。
2011年度までの財政不足額は、名目3%成長を前提に16兆5000億円と試算しています。それを解消するため、社会保障で1兆6000億円、公共投資で3兆9000億円から5兆6000億円、公務員人件費削減で2兆6000億円をそれぞれ抑制するとしています。――その他の分野も含めて、歳出削減全体で11兆4000億円から14兆3000億円としています。
残る不足額の2兆2000億円から5兆1000億円については、「税制改革で対応する」とし、消費税増税を含む増税で賄う考え方を明らかにしました。
この「骨太の方針」は、国民を“兵糧攻め”にしたあげく、消費税増税を押しつけようというものです。
社会保障の負担増も増税も庶民にだけ押しつける――こんなやり方には、絶対に容認できません。
なぜ、法人税や所得税の最高税率をもとに戻すなど、ボロ儲けしているところに応分の負担を求めないのでしょうか。