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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【05.11.10】戦争できる国にする自民の『改憲』案名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2005年11月10日


 自民党は、新憲法起草委員会(森喜朗・委員長)全体会議、政調審議会、総務会を開いて、党の「新憲法草案」を決定しました。政権党が、改憲案をまとめたのははじめてであり危険な内容を含んでいます。
 現在の日本国憲法前文の最初の文章は、「…政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」となっています。自民党の草案では、この「前文」から「再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」という決意は、完全になくなりました。
 また、9条1項の「戦争の放棄」は現行のままとされましたが、「戦力保持の禁止」と「交戦権の否認」を規定した9条2項を削除し「自衛軍の保持」を明記しました。これは、きわめて重大です。――なぜなら、これによって海外派兵、集団的自衛権の行使、国連軍への参加がすべて可能となるからです。イラク戦争のようなアメリカの侵略戦争に、直接参戦する道を開くものとなっています。
 これはまさに「戦争をしない国」から「戦争をする国」への根本的な変質です。
 そのうえ、「日本国民は、国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有」と、前文に愛国心を書き込み、12条では「公共の福祉」のかわりに「公益及び公の秩序」を「国民の責務」とし基本的人権を規制しています。
 国や地方公共団体の宗教的行為については、「社会的儀礼又は習俗的行為の範囲」を超えなければ容認するという規定に変更されました。――首相の靖国神社参拝を容認ししています。
 このような方向が、何をもたらすでしょうか。軍国主義と戦争への傾斜は、国民との間で大きな離反を引き起こすことになるでしょう。アメリカの現実が示しているように。
 「しんぶん赤旗」のワシントン特派員によりますと、米CBSテレビが2日発表した世論調査で、ブッシュ米大統領の支持率が35%とさらに落ち込み、就任以来最低となり、不支持率は57%にのぼっているそうです。
 「イラク戦争前、ブッシュ政権は知りえたことを公表していたか」との問いには、32%が「公表していた」と答え、2004年2月の調査の40%から減少しました。「大量破壊兵器についてウソをついていた」と答えた人は、16%から26%に増えました。
 また「一般の人々と比べ、ブッシュ政権は正直か」との質問には、「正直」と答えたのは39%で、04年2月の調査の50%から減少しています。
 多くの国民は、自民党の改憲案が目指している危険な方向をけっして認めないでしょう。平和を望むすべての国民の皆さんとともに、憲法改悪に反対する幅広いたたかいをひろげていかなければなりません。

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