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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【05.08.04】視覚障害者に厳しい紙幣 ユーロに倣え識別容易さ名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2005年8月4日


 財務金融委員会で日銀の「通貨及び金融の調節に関する報告書」に対する質疑があり、私は、視覚障害者が識別しやすい紙幣(お札)にすることについて、日銀総裁と財務省に質問しました。
 当たり前のことですが、お金を正しく数えられるということは、誰でも生活するうえで絶対に必要な条件です。視覚障害者は全国で39万人おられますが、この方々にとっても、それは同じです。
 私は、これらの新札を発行するに当たって、視覚障害者の要望を、どの段階で聞いたのか。そのさい、どのような要望が出されたか、とききました。財務省の浜田理財局次長は、わかりやすい識別マークやインクの盛りの高さ、お札の大きさなどについて要望があったとのべました。
 しかし、お札の長さや幅について区別しやすいようにという意見については、どのように採用されたのでしょうか。これにたいして、財務省は、お札の大きさについては、対応できなかったと答えました。
 「東京視力障害者の生活と権利を守る会」(東視協)では、2千円札の出回りから1年を期に2000円札を中心にアンケート調査をおこない、2001年12月に公表しました。その結果を紹介すると、「識別に時間がかかる61.4%」「金額をまちがう51.5%」「おつりなどが間違っていると思っても相手に言えない30.7%」「領収書など他の紙片と間違う27.7%」など紙幣使用にバリアがあることがわかりました。
 昨年11月に、新札が発行されていっそう混乱しています。新札が発行されても旧札が廃止されずに残るからです。いま、7種類のお札を識別マークだけで判断するのは難しいのです。
 現在、発行されている日本のお札は7種類。旧札とあわせて22種類のお札が使用可能(有効)となっています。たった1ミリ違いで、156ミリの新5千円札、155ミリの旧5千円札、154ミリの2千円札が存在しています。1ミリや2ミリでは、長さ区別できません。新5千円札を四つ折りにして、伸ばして比較すると2千円札の長さはほとんど同じになってしまうのです。
 私は、視覚障害者にもきちんと「識別できる紙幣」にするよう求めました。
 答弁に立った日本銀行の福井俊彦総裁は、「1ミリの差は、小さすぎると言われればその通りだと思います。今後の工夫の予知がある点だと思います」と答えました。
 ヨーロッパを中心とするユーロ紙幣は、2002年1月1日に発行されました。ユーロにおけるバリアフリーは徹底しています。5ユーロから100ユーロまでのお札は、縦も横も5〜7ミリずつ長さが違います。これでも、ATMで紙幣をきちんと扱っているのです。色でも、弱視の方やお年寄りにも判別しやすいものになっています。
 今後、新札を発行する際の参考にすべきです。

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