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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 寄稿文

【05.03.31】イタリア軍も段階的撤退 問われる日本政府の姿勢名タイ

「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2005年3月31日


 米英軍によるイラク戦争開始から、2年が経過しました。
 イラク戦争の口実は、イラクのフセイン政権が大量破壊兵器を保有していること、国際テロ組織アルカイダと結びついていることなどでした。
 ところがこの2年間、当のアメリカや国連の調査報告によって、それが証明されるどころか、まったくのウソであったことが証明されたのです。
 イラク戦争は、国連憲章と国際法を踏みにじる先制攻撃による侵略戦争であったからこそ、国際的な批判が強まり、アメリカやイギリスでも戦争批判の声が多数を占めるほどになっているのです。

 米国防総省が18日に発表したところによれば、この2年間に死亡した米兵は1513人、負傷米兵は1万1344人にのぼります。この数字は、米軍がイラクで激しい敵意と抵抗にあっていることを示すものです。
 イラク人の死者は、10万人以上と言われます。
 このなかで、イタリアのベルルスコーニ首相が、イラクに派遣しているイタリア軍を段階的に撤退させるという方針を明らかにしました。同首相は、国営テレビ番組で「イラクに派遣されている兵士の数を段階的に削減する。最初の削減は9月から始まるだろう。世論がそれを求めているからだ」と語りました。
 これまでブッシュ米政権を後押ししてきた首相が、削減の時期を明言したのは初めてのことです。

 米兵が、イラク人や外国からきた民間人を殺傷することも多くなっています。「すべてが敵に見える」と米兵が語っています。
 人質から解放されたイタリア人の女性ジャーナリストを米兵が銃撃した事件がおきました。3月4日、1カ月ぶりに武装勢力の拉致から解放された女性記者の乗った車を米軍が銃撃し、同乗していた情報部員が殺害されたのです。
 このことについて、イタリアのベルルスコーニ首相は、アメリカに「最大限の調査」を求めることを表明し、「(事件は)重大な誤りだった。責任者をはっきりさせなければならない」と指摘せざるをえませんでした。

 こうしていま、米軍のイラク占領を支える「有志連合」が大きく揺らいでいます。これまで、イラクから撤退した国や撤退表明をする国は増加の一途をたどり、イタリアを加えると、派兵した37カ国中18カ国となります。
 こうなると、問われるのは日本政府の姿勢です。自衛隊の即時撤退を決断すべきは言うまでもありません。

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