憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【04.03.25】4大メガバンクは貸し手責任をどう自覚しているのか!!名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2004年3月25日
衆議院の財務金融委員会で、先日、4大メガバンク(銀行)の頭取・社長にたいする参考人質疑をおこないました。
参考人として出頭したのは、みずほフィナンシャルグループの社長、東京三菱銀行の頭取、UFJ銀行の頭取、三井住友銀行の頭取の4人です。
私は、銀行の貸し手としての責任についてただしました。
銀行は、バブル時代に「相続税対策になる」などと言ってさまざまな提案型融資をおこなってきました。その中には、お年寄りにたいして、返済能力を超える融資=過剰融資がありました。この点では銀行に大きな責任があります。
以前の参考人質疑の時、銀行の代表は「私どもにも反省すべき点があった」と責任の一部を認めました。債権回収についても、三木参考人は、東京三菱銀行の頭取として、2002年11月、私の質問に対してこう答弁していました。
「私どもとしては、競売のみで解決するということをもちろん考えておるわけではございませんで、……可能であれば、双方の納得ができるような、そういった解決を私どもは望んでいるところでございます」。
しかし、実際にはどうでしょうか。貸し手としての責任を棚に上げ、まともな話し合いをせず、担保の自宅や不動産を問答無用のやり方で競売にかけるなど、血も涙もないやり方をする事例がたくさん見られます。
たとえば、バブル崩壊がはじまった時、変額保険という商品を銀行が大々的にすすめたことがあります。銀行融資と生保がセットになったのが、変額保険の特徴です。銀行は、相続税対策になると言ってその商品をすすめたのです。
そのとき銀行は、借入金と税金は、死亡時の保険金で全額払えると説明していました。ところがバブルが崩壊すると、死亡したときの保険金では、借金はとうてい払えない事例が続出しました。
ところが銀行は、まともな話し合いもなく、一方的に、賃貸マンション、自宅、変額保険金を差し押さえるという行動に出たのです。その被害にあった人は「このままでは、身ぐるみはがされることになり、家族ともども死を意味します」と訴えています。
私は、参考人質疑で5人の事例を紹介しながら、「自らの責任を棚上げして、国民を路頭に迷わせるようなやり方は、ただちに中止すべきだ」と、話し合いでの解決に徹するよう求めました。
これにたいして、三木氏は「競売のみが解決策とは考えない。話し合いを優先させる」と答えました。今後の厳しい監視が必要です。
これまでの銀行を見ると、バブル時代には不動産を担保にとって過剰なほどの融資をおこない、最近は、強引な回収に走っています。しかも、中小企業への貸し渋り・貸しはがしが、ますます厳しくなっています。
――「銀行は、晴れた日に傘をさし出すが、雨の日には傘を取り上げる」とよく言われますが、ほんとうにそうです。
このような銀行の体質を根本的に変えることが、いま、政治に問われているのです。