憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【04.01.15】道路公団 小泉改革のあきれたからくり名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2004年1月15日
小泉「改革」についての国民の批判は、次第に強まりつつあります。
たとえば、政府・与党が先月決めた「道路公団民営化」の基本的な枠組みは、多くの国民から「改革の名に値しない」という批判を呼びました。
高速道路は、「コストを大幅に削減する」としながらも、必要性も採算も度外視して9342キロのすべての建設を継続すると決めたからです。
そのために、巨額の国民負担・税金投入の仕掛けが持ち込まれようとしています。
たとえば「直轄高速道」方式というものが決められました。これは、国と地方の税金投入による高速道路建設です。そのため、年間6兆円にも膨れあがった道路特定財源が湯水のように投入されることになります。
また、40兆円にもおよぶ債務の返済も、具体的な展望がまったく出ていません。
新会社が、新たな借金をして高速道路建設をすすめる仕組みがつくられることになれば、将来、巨額の債務が国民に押しつけられる危険性が高まります。
しかも、藤井前総裁が明らかにした自民党大物政治家による不当な介入の疑惑にさえふたをしたままです。
道路公団をめぐる政官財の癒着、ファミリー企業や天下りの規制など、やる気さえあれば、すぐにでもできる改革には、まったく手をつけようとしていません。
これでは、「改革」の名にまったく値しないことは明らかではありませんか。
こうなると、「小泉改革」への幻想が国民のなかから消えるのも当然です。先月おこなわれた「日経電話世論調査」でも、小泉内閣の経済運営について、「どちらかといえば不満」と「不満」が、あわせ67%に達しているのです。
いま必要なことは、国民の立場からの抜本的な改革です。
第一は、これまでの高速道路整備計画を廃止するとともに、新たな建設についても凍結・見直しをおこなうことです。
第二に、料金収入のなかから債務の計画的な返済をすすめながら、料金引き下げと将来の無料化をめざすことです。
第三に、天下りの禁止、ファミリー企業の廃止をはじめ政官財の癒着にメスを入れることです。そして、道路公団の組織を、国民の管理・監視のもとで徹底的にスリム化することです。
ガソリン税などの道路特定財源を、道路以外には一切い使えないという仕組みは、日本だけのものです。浪費を生み出すこのような特異な構造にメスを入れるのも当然です。
この方向に踏み出すことこそ、ほんとうの改革ではないでしょうか。