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第558号☆6月1日 国会は会期末に向けて緊迫しつつ…
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日本共産党 衆議院議員 佐々木憲昭の
*--*--*--* 憲 昭 e た よ り *--*--*--* 2014/6/1 第558号
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◇◆本人がつづる今週の一言◆◇
皆さん、こんばんは。佐々木憲昭です。
今日は暑かったですね。各地で35度以上の猛暑日となるなど、全国的に気温が高くなりました。群馬県館林市と岐阜県揖斐川町で36度3分、京都市で36度ちょうど、山梨県甲州市で35度8分、岡山県高梁市で35度1分、名古屋市では34度9分、東京都心で33度1分など、全国の気温の観測点の4割を超える400か所余りで30度以上の真夏日となりました。気温はすでに真夏ですね〜!
明日も暑くなりそうです。こまめに水分をとったり、適切に冷房を使ったりして熱中症に十分注意するよう気象庁が呼びかけています。
国会は、会期末(6月22日)に向けて緊迫しつつあります。
●議運における選挙制度をめぐる熱い議論
私が所属している議院運営委員会では、衆院選挙制度をめぐって「第三者機関」に“丸投げ”するかどうかで、熱い議論が続いています。
5月27日(火)の議運理事会で、私は以下の3点を指摘しました。
(1)いったい何を諮問するのか
――昨年6月、全党が「よりよい選挙制度を構築する観点から、…抜本的な見直しについて、各党間の協議を再開」と合意していた。それなのに、それを棚上げして「現行の小選挙区比例代表並立制を維持したうえでの衆議院議員の定数削減の問題」を諮問しようというのは、まったくスジが違うのではないか。
――日本の衆議院議員の定数は多くない。例えば、ヨーロッパと比べても、2分の1から3分の1(人口比)だ。これを、さらに削るなどありえない。国民に消費税増税などの痛みを押しつけ、そのうえ国民の声を切り捨てるものだ。こんなことを国会がやっていいのか。
(2)第三者機関の人選は誰がおこなうのか
――「第三者機関」のメンバーを、だれが、どのような権限で選ぶのか。議長は、マスコミで「私が選ぶ」などと発言しているようだが、そういうことなのか。それとも、議運として決めるのか。また、どのような基準で選ぶのか、明らかにしていただきたい。
(3)答申が出たらどう扱うのか
――自民党の石破幹事長は記者会見で「『第三者機関』の答申に拘束されるものではない」と言っている。そういうことなのか。
――それなら、答申が出たら、それを各党で検討したり、法案を出したり、賛否を明らかにすることになる。そうでないなら、議会制度の土台作りであり、国民・有権者の参政権にかかわる選挙制度の問題を、多数党が一方的に強行することになる。そんなことは絶対に許されない。
●人選をめぐる対立が浮上
さらに29日(木)にも議論がおこなわれました。
その日は、逢沢議運委員長から、たたき台として「野党5党案」(3月26日提示)が配布されました。これは、現行の小選挙区制を維持した上で定数削減をねらう内容のものです。議運委員長から若干の経過説明があり、これに対する各党の見解表明がありました。
自民、公明両党は「この案で基本はよい」と述べ、メンバーについても「議長にお任せしたい」と発言しました。民主、維新、みんな、結い、生活は、それぞれ「野党5党の一員なので、枠組みはこれでよいが、メンバーの人選について議長一任ではなく各党からの推薦枠を設けるなど、各党が納得するものにしてほしい」と述べました。
私は、「第三者機関」の設置に反対する日本共産党の立場を表明しました。
――選挙制度は国民主権・参政権にかかわる問題であり、議会作りの土台だ。全党で協議すべきなのに、その責任を放棄し「第三者機関」に預けるのは、政党・国会の責任を放棄するものであり、容認できない。実務者協議で、全党で合意した昨年6月の「確認事項」には『よりよい選挙制度を構築する観点から、現行並立制の功罪を広く評価・検証』と書いている。この『確認事項』に立ち戻って、検証作業を行い、よりよい選挙制度に向けた努力を続けるべきだ」と。
そのうえで、私はこう言いました。
(1) 第三者機関をつくるという8党の間で「人選」をめぐって大きく意見が分かれている。それをどうするつもりか。
(2) 5月20日の与野党国対委員長会談で、自民党の佐藤国対委員長は、「全党の意見を生かせるように配慮し、活発な議論を行えるように、議運委員長に申し入れる」と発言した。議院運営委員会には、社民党も新党改革もいない。「第三者機関」設置についてこれらの党の意見を聞く場をつくるべきだ。
(3) 出た答申を「尊重する」というが、それをもとに政党がそれぞれ見解を明らかにし、議会が決めるというなら、もとに戻ることになる。答申をそのまま強行すれば、政党と議会の役割を否定することになる。いずれにしても、「第三者機関」をつくること自体にムリがある。
逢沢委員長は、「いちばん大きな問題は人選をどうするかだ。各党の推薦ということになると、『第三者機関』の委員になった者は、政党の代弁者になる。そうなると10党で29回議論してきたことが別の場に持ち込まれることになる。議長もそれを心配している」と述べました。
逢沢委員良は「社民党からも意見開陳の場を求めてきている。議長は、共産、社民の意見を聞いているが、議運は議運として意見を聞く機会を設けたい」と述べました。
「第三者機関」設置についての協議は、持ち越されたかたちとなりました。
●財金委員会で異次元金融緩和の実態調査
財務金融委員会では、28日(水)に金融緩和の実態調査をおこないました。
全銀協が提出した資料では、銀行保有の国債を日銀が買い上げ、この一年間で銀行保有残高がマイナス33兆円となっています。その反面、日銀当座預金が47兆円も増え、預金残高も21兆円増えています。しかし、国内の貸し出しは12兆円しか伸びていません。日銀と銀行の間でお金がたまり、その先に流れていません。資金需要が低迷していることの表れです。
また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を訪ね、お話を聞きました。GPIFは、年金保険料として国民から預かった資金、129兆円の管理運用にあたっていますが、その運用は、国債から株式に軸足を移しつつあります。株価が下がれば年金基金が目減りするような、不安定な運用でよいのでしょうか?
基本ポートフォリオを見ると、国債を52%から半数以下に下げ、それに替わって株式の比率を、今の20%から24%まで高めようとしています。安部総理が先日、株価を上げるために年金基金の活用にふれましたが、国民の財産をアベノミクスのために利用しようというのは、とんでもないことです。
アメリカの公的年金基金はすべて国債で運用しており、目減りしたことは一度もありません。この例を見習うべきでしょう。
●財界の法人税引き下げ要求の厚顔無恥
財界団体の日本経団連と経済同友会は23日、法人実効税率を段階的に25%まで下げるよう自民党に申し入れました。
27日(火)には、日本経団連が、法人実効税率を現在の35.64%(東京都)から2015年度に10ポイント引き下げて25%にした場合の「経済効果」の試算をまとめました。
それによれば、法人税収は減税で約4.2兆円減少するが、その分を人や物に投資すれば税収押し上げ効果が生まれ、法人税、所得税、消費税などの税収が5年で約4.3兆円増えるため当初の減収を穴埋めできると言います。
しかし、経団連の言う通りになると思う人が、どれほどいるでしょうか。
第1に、法人税の減税分が賃上げに回ったり、需要が増える保障がありません。
現に今年の春闘で、一部企業で賃上げが行われたと言われますが、物価の上昇には追いついていません。しかも、消費税増税や社会保障の負担ばかり増えています。これでは、消費が大きく落ち込み、国内需要が低迷することになるのは目に見えています。これで、どうして設備投資が増えたり、「経済成長」につながるでしょうか。
第2に、内需低迷のもとで景気が悪化すれば、全体として税収が落ち込むことになります。「法人税を減税したら法人税収が増える」などという珍論もありますが、誰が信用するでしょうか。
増税で消費税収は増えても、景気低迷で税収全体が落ち込んだというのがこれまでの経験です。
第3に、そもそも、日本の法人税は政府税調の資料を見ても、決して高くはありません。社会保障負担と合わせれば、ヨーロッパに比べて日本企業の負担は高くないのです。
しかも、さまざまな優遇措置があるため、大企業になればなるほど法人税の実質負担は低いのです。そのことを棚に上げて「まだ足りない、もっと減税せよ」などという日本経団連の姿勢は、厚顔無恥もはなはだしいと言わなければなりません。
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