国会での活動
国会での活動 − 国会質問、税制(庶民増税・徴税)
【14.11.12】麻生財務大臣が外形課税拡大を明言、公正な税務行政を行うよう要求
2014年11月12日、麻生太郎財務大臣は財務金融委員会で、法人税減税の財源として赤字企業にも課税する外形標準課税を拡大することについて、「必要と感じている」と明言しました。佐々木憲昭議員は「赤字の中小企業に増税し、黒字の大企業に減税をばらまくことになる」と批判しました。
麻生大臣は中小企業への影響について「慎重に検討しなければならない」と述べるだけで、赤字中小企業への増税を否定しませんでした。
佐々木議員は、トヨタ自動車が中間決算で過去最高の当期純利益2兆円を得る見通しに上方修正したことなどを挙げ、「法人税率を下げる理由はない」と主張。「課税ベースの拡大というなら、もうけている大手企業への優遇税制をただすべきだ。弱いところの負担を増やすやり方では、日本経済を土台から崩す」と強調しました。
また、佐々木議員は、業者への不当な税務行政が行われている例があるのではないかと提起しました。
税務調査は税額などを認定するために本人の同意に基づき帳簿などを調べるもの。行政指導は申告書の数字などの誤りを指摘して見直しを要請するものです。
佐々木議員は、行政指導だとして納税者を税務署に呼び出し、実質的に税務調査が行われている疑いがあり、その際に帳簿などの資料を持参させている例があるとただしました。国税庁の佐川宣寿次長は「税額などを認定するために書類を確認するのは一般的には調査に該当する」とし、行政指導ではないことを認めました。
佐々木議員が「行政指導で税務署に来るよういわれた納税者が他の要件などで行けなかった場合にペナルティーを科すのか」と問うと、佐川氏は「行政指導に応じないことをもってただちに調査を実施するということではない」と答えました。
佐々木議員は、税務調査を行う際には原則として事前通知を行うことが法定されたと強調。佐川次長は「調査手続きの透明性と納税者の予見可能性を高めるため」に事前通知が原則となっており、例外は違法行為を容易にするおそれがある場合などに限定されると説明しました。
佐々木議員は、答弁の内容を徹底して公正な税務行政を行うよう求めました。
佐々木議員の主張
今日の財務金融委員会で、法人税減税と外形標準課税について、麻生財務大臣に質問しました。
佐々木議員は、「昨日(11日)、麻生財務大臣と榊原経団連会長が会談し、赤字企業にも課税する外形標準課税を2015年度から拡大する認識で一致した」と伝えられているが、事実かとききました。麻生大臣は、その事実を認めましたが、ことは極めて重大です。
一方で、法人税減税について、宮沢経済産業大臣が経団連との会合で、法人実効税率の初年度の引き下げ幅について2.5%以上引き下げるよう求める考えを示したと報道されています。
仮に2.5%引き下げたら、財源はいくらかかるのでしょうか。財務省は、1%の引き下げで約4700億円、2.5%では約1兆2000億円の税収減となると説明しました。
他方で、赤字企業にも課税する「外形標準課税」を、来年度から2年程度かけて2倍にするという話もあります。
外形標準課税は、現在、資本金1億円超の企業が対象で、従業員に支払う給与総額や建物の賃料などに応じて課税しています。
今年度は、約6000億円の税収を見込んでいます。政府・与党は事業税に占める外形の割合を現在の4分の1から2分の1に倍増させ、税収を7000億円程度上積みしたいと考えているようです。
そうなると、赤字の中小企業に増税して、黒字の大企業に減税をバラ撒くということになるのです。とんでもない話ではありませんか。
何のために、法人税の減税をしなければならないのでしょうか。
先日、トヨタ自動車は中間決算を表明しました。今年度は通年で過去最高の売上26.5兆円、最高の当期純利益2兆円を得る見通しに上方修正したのです。その他の自動車会社も、好調な中間決算で5社が過去最高の利益を記録する見通しと言われています。
法人税率をさらに引き下げる理由は、まったくないのです。
その不当な大企業への減税の財源づくりのために、赤字の中小企業に課税強化となる外形標準課税を拡大・増税することなど、断じて許されません。