国会での活動
【政治経済キーワード】労働法制改悪
2003年5月16日
労働基準法と労働者派遣法の改悪案が国会で審議入りしています。いまある雇用のルールも壊してしまう労働者使い捨て法案です。
法案のおもな内容は、次の4点です。
- 契約社員など期間を限定した有期雇用契約の上限を、現行の1年から3年に延長します。正社員を減らして、低賃金で使い勝手の良い有期雇用を多数にしたいとの企業の要求に応えたものです。
- 派遣労働者の派遣期間の上限を、現行の1年から3年に延長します。また製造業務への派遣を解禁します。無権利で低賃金の派遣労働者をいっそう増やすものです。
- 裁量労働制の対象を拡大します。裁量労働制は、いくら働いても事前に決めた時間分しか残業代を認めない制度です。過労死の悲劇を多発させます。
- 使用者は解雇できるとの原則を明記し、解雇制限は例外扱いとします。正社員の解雇をやりやすくするものです。
これらの改悪は、長期雇用は基幹社員だけにして、あとは多数の契約社員や派遣、パートなどに置き換えようという、財界の描く21世紀戦略にそっています。「国際競争」を理由に、低コスト体制をつくりだし、高利潤をあげようという利潤至上主義の立場です。しかし、失業増大と所得の低下で消費がいっそう冷え込めば、結局は企業の経済活動にも打撃となります。
日本共産党は、空前のリストラと賃下げが横行し、国民の不安が広がる中で、労働のルールの確立を求め、具体的な対案を示してきました。私たちは、今回の労働法制の改悪に反対するとともに、不当な解雇の禁止、サービス残業の根絶、失業者への生活保障と仕事の確保、派遣労働者などの雇用と権利を守ることを求めています。安定した雇用は、国民の暮らしの土台であり、日本経済の再建に不可欠です。