国会での活動
【政治経済キーワード】議院法制局
2003年3月7日
議院法制局は、議員の立法活動を補佐するために、衆参両院に設置されている組織です。国会法は、「議員の法制に関する立案に資するため、各議院に法制局を置く」(第131条)と法制局の目的を規定しています。法制局は、議員や委員会が新しい法律を提案しようとするときに、条文の作成に協力し、法律案として完成するまでサポートします。
内閣にも法制局が置かれていますが、こちらは、各省庁が作成し閣議にかけられる法律案などについて、現行法との整合性などを審査することや、憲法上・法律上の諸問題についての内閣の統一的な解釈を委員会で答弁することなどが仕事です。
元秘書官の公共事業に絡む口利きなど疑惑の渦中にある大島農水大臣が、大臣としての国会答弁用の想定問答を、衆議院法制局につくらせていたことが明らかになりました。
国会議員の活動を支える組織が答弁側の大臣を“補佐”するという事態は、議院法制局の職務の守備範囲を大きく踏み外すものです。しかも今回法制局が用意した想定問答は、大臣のカネをめぐる疑惑にかかわるものです。大島大臣と法制局との不明朗な関係が問われます。