国会での活動
【政治経済キーワード】新規求人倍率
2001年10月6日
企業が人を求めるのが「求人」、人が職を求めるのが「求職」。「新規」というのは、その月に公共職業安定所で“新しく受け付けた”という意味。「新規求人数」を「新規求職者数」で割った割合が「新規求人倍率」である。
小泉総理は、「求職を上回る年間700万人の求人がある」と言った(ミスマッチを解消すれば片づくと言わんばかり)が、年間求人数は、かなりの部分がダブル・カウント(重複計算)されており実態を正確に反映していない。
なぜなら、統計上「新規の求人」として扱われるのは翌々月までで、その後は、また新たな求人として計上されるからである。企業が同じ求人をながいあいだ続けた場合、年に何度も計上されることになる。したがって、「年間の新規求人数」は実態よりも数が多く出る。
これにたいして「新規の求職者」は、失業給付を受けているあいだ(最大11カ月間)は、新たな求職者とみなされない。したがって、年間のダブル・カウントは少ない。
だから、実態を正確に見るためには、年間の合計で新規求人数と新規求職者数を比較するのは正確ではない。じっさいに、その月に「何人の求人があり、何人の求職がある」のか、これを比べるのが正確に実態を反映したものになる。これを「有効求人倍率」という。いまは0.6、つまり求職者が10人いても、求人は6人しかないのである。