奮戦記
【15.03.12】安倍総理は政党助成金と企業献金を「ベスト・ミックスにすべき」と言ったが、必要なのはそれらを廃止することではないか!
日本共産党の穀田恵二議員の予算委員会での質問は、企業・団体献金と政党助成金を同時に取り上げたのが良かったですね。問題の本質を鋭くえぐりました。
穀田さんは、まず、国から補助金を受けている企業からの政治献金についてとりあげました。
政治資金規正法では、国から補助金を受けた会社は、「給付金の交付の決定の通知を受けた日から同日後1年を経過する日までの間、政治活動に関する寄附をしてはならない」としています。安倍総理は、「これに反していないから違法ではない」と、何度も繰り返してきました。
しかし、第22条の3の2項では「国から資本金、基本金その他これらに準ずるものの全部又は一部の出資又は拠出を受けている会社その他の法人は、政治活動に関する寄附をしてはならない」としています。
国から便宜を受けている企業が政治献金をおこなえば、それは国民の税金の企業への還流になるからです。補助金を受けてから1年以内であろうが、1年を超えてであろうが「政治活動に関する寄附をしてはならない」としていることが重要です。1975年の改正で入った規程です。
補助金であろうと出資金であろうと公共事業であろうと、国の金を使って仕事をしている企業が政治献金をおこなうこと事態が問題なのです。これに対する高市総務大臣、安倍総理の答弁は、とぼけたものでした。
高市総務大臣は、八幡製鉄の政治献金に対する判決を「企業団体が政党に寄附をすることは不適切とは考えない」と言いました。しかし、穀田さんは、判決では「企業は国民の選挙権、参政権に直接影響を及ぼすことをやってはならない」としていると厳しく指摘しました。
そのうえで20年前に、リクルート事件や金丸事件など「政治とカネ」にまつわる事件が相次いだため、企業・団体献金を禁止すべきだという流れになり、政党助成金がつくられました。
ところが、2つの抜け道ができました。
1つは、政党と党の財布である政治資金団体が受け取ることは禁止されなかったのです。また、政治家個人へは禁止と言っていながら、政治家が支部の代表者となっているため、支部がトンネルとなりました。
2つ目は、政治資金パーティーです。ほとんどが企業団体です。小口に分けて20万円以下にすれば、企業名は出てきません。これは、企業団体献金の隠れ蓑となっているのです。
さらに、大臣規範もとりあげました。「パーティー開催の自粛」という項目があって「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する」としています。
ところが、19人中16人が、収入1000万円以上の「特定パーティー」を開いています。これを2013年中に5回も開いていたのが、なんと安倍総理、林農水大臣、塩崎厚労大臣でした。
大臣規範を守ることさえしていません。総理は「ルールに則り」と言いながら、「規範」 に違反していると。穀田さんは指摘しました。
抜け穴をふせぐには、企業・団体献金の禁止しかありません。
穀田さんは、最後に政党助成金をとりあげきました。これまでに、日本共産党以外の政党が6311億円の税金を山分けしてきたことを明らかにしました。各政党に上限もなく配分している問題も指摘しました。
安倍総理は、「ベスト・ミックスにしていかなければならない」と言いましたが、穀田さんは、「とんでもない。最悪のミックスだ」とズバリ指弾し、税金頼みになっているから、カネの感覚が麻痺して政治腐敗を生み出していると指摘しました。
そのうえで、次のように指摘しました。企業というのは、主権者ではありません。選挙権ももっていない企業が政党や政治家にカネを出し、政治に影響をあたえるということは、主権者である国民の基本的権利を侵すことにつながります。
企業献金は、ほんらい国民主権の原則と相いれないものなのです。企業・団体献金は、それが何らかの利得に結びつけば「賄賂」となり、そうでなければ企業・団体に損失を与える「背任」行為となるものです。
日本共産党は、政党助成金廃止法案を出しましたが、企業・団体献金禁止法案を提出すると宣言しました。