奮戦記
【14.10.28】倫理選挙特別委員会で小渕優子氏の政治資金について質問
今日は、倫理選挙特別委員会で、高市総務大臣に質問しました。
私が主張したのは、以下の通りです。
日本国憲法前文は、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」から始まり、国民主権をうたい、「国民の権利及び義務」として、第15条において「公務員を選定し、これを罷免することは、国民固有の権利である」と、国民の参政権を明記しています。
選挙というのは、国民の意思=民意を政治に反映される大事な機会であり、それを歪めることがあってはなりません。
総務省のホームページには、選挙についてこう書かれています。
「日本は国民が主権を持つ民主主義国家です。選挙は、私たち国民が政治に参加し、主権者としてその意思を政治に反映させることのできる最も重要かつ基本的な機会です」と。
また、「『人民の、人民による、人民のための政治(政府)』。民主主義の基本であるこの言葉は、私たちと政治との関係を象徴する言葉です。国民が正当に選挙を通して自分たちの代表者を選び、その代表者によって政治が行われます」。こう書かれています。
従って、「買収」「利益供与」「供応接待」などで選挙を歪めるということは、国民の権利を侵害することになります。この点は、総務大臣も認めました。
選挙犯罪の中で、最も悪質なものとされるのが買収罪です。。これに違反すれば、罰金・禁固刑に加えて、当選無効、5年間の公民権停止、累犯者には10年間の公民権停止、さらに連座制も適用されます。大変厳しい罰則がついているのです。
なぜ買収罪は、特別に悪質とされているのか、と聞きました。
総務大臣は、「買収行為は、本来選挙人の自由な意思の表明により行われるべき選挙を不法不正な利益の授受によって歪曲しようとするものである」と答えました。
政治家が国民に疑惑をもたれるということは、議会制民主主義を根底から覆すものとなります。だから政治資金規正法の目的のところで、「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため」政治資金の収支を公開することにしているのです。政治資金収支報告書は、そのためにあります。
そこで私は、小渕優子後援会の政治資金収支報告書に書かれている数字を、総務省に確認しました。
まず、収入についてです。
党費・会費、個人献金、企業団体献金、政治団体献金、政治資金パーティー収入、事業収入のそれぞれについて、2010年、11年、12年の3年間の合計金額は、
党費・会費:ゼロ。
個人献金:ゼロ。
企業団体献金:受け取れない。
政治団体献金:2502万円。
政治資金パーティー:4818万円。
事業収入:852万円。
ということが、確認できました。
政治資金パーティがいちばん大きい収入だということがわかります。
政治資金パーティ以外の事業収入の内訳はどうなっているでしょうか。
観劇会742万円。
野球観戦19万円。
国会見学91万円。
(小渕優子後援会について、2010〜12年の3年間の合計金額)
となっています。
その次に大きいのが政治団体からの献金です。この政治団体からの献金の内訳は
未来産業研究会から1500万円。
自民党群馬県第5選挙区支部から500万円。
自民党群馬県ふるさと振興支部から500万円。
(小渕優子後援会について、2010〜12年の3年間の合計金額)
3つの団体から2500万円も入っています。
では、支出はどうか。
小渕優子後援会の組織活動費のうち、大会費と行事費は、2010〜12年の3年間の合計額が3542万円です。
その内訳は、明治座への支払い:1693万円。東京ドームへの支払い:111万円です。
さらに、自民党群馬県ふるさと振興支部からも、明治座に払われており、その合計額は2010〜12年の3年間で、1692万円になっています。
この間、話題となっている観劇会について言えば、これらの数字が示しているように、小渕優子後援会と自民党群馬県ふるさと振興支部から、明治座へ3385万円支払ったことになっているのです。
ところが、観劇会としての収入は742万円しかありません。2643万円も差額があるのですから、きわめて大きな額です。
小渕優子後援会は、観劇会、野球観戦、国会見学以外にも、大会費、行事費の費目で、食事代やバス代が、多数支出されていると記載されています。
いったい、どこからそれを穴埋めしているのでしょうか。
収支報告書によれば、差額を補填している原資は、政治資金パーティー収入と、小渕氏の関連する政治団体からの寄付です。小渕氏の側が、それを認めた収支報告書を出しているということになります。
小渕氏が記者会見で、「参加者から実費は徴収している」「現在、参加者から確認中」と述べています。仮に、観劇会について実費負担が証明されたとしても、観劇会以外の後援会行事、全ての参加者負担が確認できるのでしょうか。
そして、集めたカネはどこに行ったのか、何に使ったのか、裏金に回ったのではないかという疑念が生じます。これは、収支報告書への記載ミスでは済まされない重大な問題です。
後援会は、企業・団体献金を受けられないことになっています。
しかし、後援会が催した政治資金パーティーのために発行したパーティー券を、企業・団体が購入すれば、事実上、企業・団体献金を受けたのと同じことになります。
一方、政党支部は、企業・団体献金を受け取ることができる仕組みになっていますから、企業・団体献金を受けた政党支部から後援会が献金をうけとれば、この仕組みを利用して、支部を経由して後援会が企業・団体献金を受けとる(迂回献金)こともできるのです。
結局、小渕優子後援会の収支報告書の記載を見れば、政治資金パーティー収入と関連団体からの寄附が行事の経費の穴埋めにつかわれていたということになります。
しかも、自民党群馬県ふるさと振興支部は、観劇会の収入の記載はなく、収入のほとんどが直接の企業・団体献金です。ですから、企業・団体から受けた資金をつかって、後援会員に観劇や飲食等を提供していたということになるのです。
小渕氏の場合、巨額のカネをつかって、選挙を歪める行為を行っていたということが、疑われているのです。それが問題の中心点です。だから、議員資格そのものが問われています。
そして、その原資が企業・団体からの資金であることも疑われています。政治をカネで買う企業・団体献金の害悪は明らかです。
今年9月、経団連が会員企業・団体に自発的な政治献金をよびかける方針を決めた際、自民党の谷垣禎一幹事長が「大変ありがたい」とこびへつらうような対応をしていることは、重大な問題です。この旧態依然とした自民党の金権体質が、厳しく問われているのです。