奮戦記
【14.06.05】「質問通告」「質問取り」について
「質問通告は与野党とも前日夕方が多く、政府の答弁準備は徹夜作業にになるケースもある」と報道されました(5月31日「MSN産経ニュース」)。
「質問通告」とは、国会の委員会審議などで、質問者が事前に質問の趣旨を通告することを言います。質問通告は、答弁の準備をさせることが目的です。しかしそれは、慣習としてやっているだけで、国会法にも規則にも規定はありません。
答弁をする側からいうと質問内容を聞き取りに来ることですから「質問取り」です。
私の場合は、可能な限り詳しく通告しています。特に数字を答弁させたいときは事前に通告しておかないと正確な答えは出てきません。ただし事前に知らせず、いきなり聞いた方が効果があることもあります。それは質問する側の作戦次第です。
報道では「自民党は5月30日、子育て中の女性官僚を国会内に招き、国会審議で質問する内容を政府側へ事前に伝える『質問通告』の期限を『2日前の午後6時が原則』とした与党の新ルールをめぐって意見交換した」と報道されました(同上)。
しかし実際には与党の都合で、前日の夕方の理事会で「明日、委員会を開き質疑を行う」ということを突然決める場合があります。これでは、与党みずから「原則」を壊していることになります。
大臣の答弁は、ほとんどを官僚が作成していますので、確かに霞ヶ関の官僚にとっては大変です。
本会議や予算委員会の場合、いつまでも質問通告をしてこない議員がいると、どの省庁が答弁書を作成するかはっきりしないまま、各省庁の官僚が夜遅くまで足止めされるからです。
大臣は、その準備された「答弁書」を朝早く起きて読み、官僚のレクチャーを受けて委員会の答弁席に立つのです。
私は、前日の「明るいうちに通告する」ことをモットーにしていますが、一日に2回、3回と質問が重なると、やむをえず通告が遅くなる場合があります。
質問者である議員の多くは、意図的に遅くまで通告を伸ばしているのではなく、ぎりぎりの時間まで、調査をし関係者の話を聞き、質問に反映させる努力をしている場合が多いのです。このような攻防は、議会ならではのことでしょう。