アドレス(URL)を変更していますのでブックマークされている方は変更してください。
<< ホームへ戻る

奮戦記

【14.05.27】あつかましい財界の法人税引き下げ要求

 財界団体の日本経団連と経済同友会は23日、法人実効税率を段階的に25%まで下げるよう自民党に申し入れました。
 今日(27日)は、日本経団連が、法人実効税率を現在の35.64%(東京都)から2015年度に10%引き下げて25%にした場合の「経済効果」の試算をまとめました。

 それによれば、法人税収は減税で約4.2兆円減少するが、その分を人や物に投資すれば税収押し上げ効果が生まれ、法人税、所得税、消費税などの税収が5年で約4.3兆円増えるため当初の減収を穴埋めできると言います。
 しかし、経団連の言う通りになると思う人が、どれほどいるでしょうか。うまくいく保障などまったくありません。


 第1に、法人税の減税分が賃上げに回ったり、需要が増える保障がありません。
 現に今年の春闘で、一部企業で賃上げが行われたと言われますが、物価の上昇には追いついていません。しかも、消費税増税や社会保障の負担ばかり増えています。これでは、消費が大きく落ち込み、国内需要が低迷することになるのは目に見えています。これで、どうして設備投資が増えたり、「経済成長」につながるでしょうか。

 第2に、内需低迷のもとで景気が悪化すれば、全体として税収が落ち込むことになります。「法人税を減税したら法人税収が増える」などという珍論もありますが、誰が信用するでしょうか。
 増税で消費税収は増えても、景気低迷で税収全体が落ち込んだというのがこれまでの経験です。

 第3に、そもそも、日本の法人税は政府税調の資料を見ても、決して高くはありません。社会保障負担と合わせれば、ヨーロッパに比べて日本企業の負担は高くないのです。
 しかも、さまざまな優遇措置があるため、大企業になればなるほど法人税の実質負担は低いのです。そのことを棚に上げて「まだ足りない、もっと減税せよ」などという日本経団連の姿勢は、厚顔無恥もはなはだしいと言わなければなりません。
 

Share (facebook)

このページの先頭にもどる