奮戦記
【14.04.07】消費税増税を「正当化」するポスターのまやかし
政府は、消費税増税を「正当化」するポスターを全国で貼っています。それを見ると「4月から8%」「あなたの医療・年金・介護・子育てを守るため、消費税のご負担をお願いします。今回の消費税率引き上げ分は全て医療・年金などにあてられます」と書いています。
この内容は、まったくデタラメです。
政府は、消費税率を8%に引き上げることによって、2014年の消費税の増収を5兆円と見込んでいますが、社会保障にはいくら回るのでしょうか。
社会保障費4経費(国・地方)は、2013年度の32.9兆円から2014年度の36.6兆円に、3.7兆円増えるだけです。5兆円を国民から取り上げながら、3.7兆円しか使わないのですから、これだけでも「全額使う」はウソだということが分かります。
しかも、4経費の内容をよく見ると「社会保障の充実」に回るのはわずか0.5兆円だけです。家計には10分の1しか回りません。
10分の9は「消費税増税に伴う経費増」が0.23兆円(これは消費税を増税しなければ必要ない)、「年金の国庫負担2分の1」が2.95兆円(消費税増税以外の財源で確保すべきもの)。あとは「後代への負担の付け回しの軽減」(借金の穴埋め)に使われると説明しています。
つまり、これまでの社会保障財源の大部分を、消費税に置き換えるということになります。
みずほ総合研究所の「みずほ政策インサイト」というレポートは、こう書いています。――「お金には色がないため、消費税収が社会保障財源に充てられることで、これまで社会保障費に充てられてきた他の税収を社会保障以外の使途に振り向けることができる、消費税の目的税化は消費税率引き上げを容易にするレトリックにすぎない」と。
要するに、「社会保障に全額使う」と言えば、国民が受け入れやすくなるだろうというだけなのです。
実際に、年金は4月にまた給付が削減されます。医療も負担が増えます。介護もサービスが低下します。社会保障は切り捨てられているのが実態ではありませんか。
消費税増税分は、社会保障以外の使途に振り向けることができ、公共事業にも、軍事費にも、大企業減税にも使えることになるのです。
デタラメな政府のポスターに、騙されてはいけません。