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奮戦記

【14.03.25】財金委でTPPについて質問

 今日、開かれた財務金融委員会で質問しました。議題は、関税法案と国際開発協会(IDA)に対する出資に関する法案の審議です。

   私は、関税に深い関連のあるTPPについて、特にその秘密主義について追及しました。

 TPP交渉で、コメを含む「重要5品目」(586項目)について、日本がどのような交渉をやっているのか、政府にきいても内容を公開しません。今後の日本の行方を左右する重大問題なのに、何をやっているのか、さっぱり分からないのは重大な問題です。

 なぜ公開しないのかと聞くと、TPPの秘密保持契約があるからだというのが政府の答弁です。しかし、交渉内容を議会や関係者に明らかにし、その意見を聞きながら交渉するのが当然ではないでしょうか。
 秘密保持契約は、誰を縛るものなのでしょうか。直接交渉にあたっている政府と担当者を縛るものだというのが答弁です。

 私は、誰が交渉内容について知っているのかとききました。
 甘利大臣は、みずから交渉に当たっているから、当然、知っています。あとは、安倍総理、菅官房長官も責任ある立場だから、報告を聞いて全容を知っているはずです。
 副総理の麻生財務大臣はどうかときくと、「私はかなり知っている方だが、知ってるかどうかも言うことはできない」という驚くべき答弁でした。

 与党の幹部はどうでしょうか。自民党の石破幹事長は、甘利さんと同様に交渉の全内容と論点を知っているのかとききました。内閣府の答弁は「政府と与党の連携のあり方について相談をしている」という微妙な言い回しで答弁しました。

 次に、アメリカのばあい交渉の最終権限はどこにあるのか。議会か大統領かとききました。答弁は「憲法上、米国議会は外国との通商を規制する権限を有する」と答えました。
 議会は権限を持っているが、実際の交渉に当たっているのはUSTR(通商代表部)です。そうすると、議員は公聴会などを通じて、USTRに交渉内容について質すことができます。
 しかし日本では、ごく限られた人しか交渉内容を知ることができないのです。極めておかしなことになっています。

 私は、具体的にききました。「TPP協定条文は何章で成り立っているのか。私が得ている情報では29章となっており、いくつかの章でその内容について固まっており、それ以外は交渉中だと聞いているが事実か」と。
 これに対する答弁は「答えは控えさせていただきたい」というものでした。

 マレーシアの今年2月21日付の「サン・デイリー」紙によると、ムスタパ通商大臣は、TPP協定は29章あり、そのうち8章で交渉を完了し、残り21章は未解決問題を含んでいるので交渉中と報じています。
 また、アメリカ議会調査局は、昨年12月の報告書で協定条文は29章だと述べているのです。29章で議論されていることは、間違いありません。
 ところが、内閣府の答弁は「何章あるかは、日本政府としては公表をひかえている。他国についての情報は知っているが、コメントするのを差し控えたい」と、木で鼻をくくったような言い方でした。まことに異様な秘密主義です。

 TPP交渉参加国の対立の状況を調べてみると、「投資家と国家の紛争解決」すなわちISDS導入を目指すアメリカに対して、マレーシア、ベトナム、オーストラリアが反対しています。また、「国有企業改革の導入」を目指すアメリカに対して、マレーシア、ベトナムが反対しています。このような事実についても、日本は公表していないのです。

 マレーシアの通商大臣は、こう言っています。
 TPPの草案テキストについて、「詳細な精査と公開の討論ができるようにするため、政府が最終合意に署名する前に公表されることになる」。なぜならば、「今回は、TPP協定が全てのマレーシア人に影響を与え、多くの公共利益に関連するから公表が重要なのである」と。通商大臣が、このように署名する前に公表すると国民に対してはっきりと説明しているのです。
 日本も、TPP協定が全国民に影響を与え、多くの公共利益に関連するわけですから、今の段階で交渉中の協定文を公表すべきです。

 他の国では、当たり前のように公表されているのに、日本では秘密主義がまかり通り、論点も言えない、参加国の対立も言えない、議会にも国民にも隠したままで、何をやっているのか分からないという驚くべき状況です。あまりにも異常としか言いようがありません。

 このような状況にありながら、甘利大臣はTPP交渉をまとめようと、閣僚会合などの場で先導役となっています。開けてびっくり、日本経済や国民が重大な被害を受けることがあってはなりません。TPP交渉から直ちに脱退すべきです。

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