アドレス(URL)を変更していますのでブックマークされている方は変更してください。
<< ホームへ戻る

奮戦記

【14.02.07】議員の定数削減は選挙制度改革に値しない

 今朝のニュースによると、与野党7党(自民、公明、民主、日本維新の会、みんな、結い、生活)の実務者が今日、衆院の定数削減に向けた選挙制度改革について協議するとされ、「定数削減に反対する共産、社民両党については枠組みから除いた」と書かれています。
 これは、どう考えても理屈が通りません。

 第1に、選挙制度というのは、議会制度の土台であり、すべての政党に関わる問題です。協議するなら全政党が参加しておこなわれるべきものです。これまでの選挙制度協議は、すべての政党が参加して行われてきました。特定の政党を協議から外すというやり方は、不当です。

 第2に、国民に消費税増税などの痛みを押しつけるのだから、国会議員も「身を削る」べきだとする発想が間違っています。私たちは、消費税増税そのものに反対であり、その立場からの「身を削る」論に与(くみ)するものではありません。どの点から見ても、比例定数の削減を持ち出すのは筋違いであり、極めて不当であると言わざるを得ません。国民に痛みを押しつけ、その声を議員削減で封じ込めるのと同じだからです。

 第3に、日本の国会議員の数は、国際的に見て多すぎることはありません。人口100万人当たりの国会議員(下院)で見ると、日本の国会議員(衆議院)は、3.7人です。これにたいして、ドイツは7.5人、フランスは9.1人、イタリアとイギリスは10.4人で、日本の2倍から3倍の数です。
 逆に、国会議員1人当たりの人口で見ると以下の表で明らかなように、日本は26.7万人となっています。国際的には、10万人に一人の国会議員がスタンダードです。

▼主要国下院の1議席当たり人口
イギリス:9.6万人
イタリア:9.7万人
フランス:10.9万人
カナダ:11.1万人
ドイツ:13.3万人
日本:26.7万人、
アメリカ:72.0万人(州議会など制度が違うので単純比較はできない)

 このように、日本の議員定数は、国際的にみても、歴史的にみても、少ないものであり、それを削減すれば、民意を国政に反映する手段を弱めることになり、国会による政府の監視機能の低下をまねくことは明白です。定数削減に合理的な根拠はまったく存在しません。

 議員は、主権者・国民の代表です。国際的に見ても少ない日本の議員定数を減らせば、「民意を反映するツール」はますます細くなり、民意の反映しない議会は、形だけの存在となりかねません。
 国民の増税を押しつけ、議会を形骸化させる議員定数削減は、絶対に認めるわけにはいきません。

 いま問題にすべきは、民意をゆがめる小選挙区制を維持したままの「改革」ではなく、小選挙区制を廃止し、民意を反映する制度に抜本的に改革することです。
 小選挙区によって、第1党の得票率は4割台にもかかわらず、7〜8割もの議席を占めるなど、得票率と獲得議席に著しい乖離を生み出し、議席に反映しない投票「死票」が過半数にのぼる事態をつくっています。

 このような現行制度の根本的な欠陥を克服するため、選挙制度の基本にたちかえり、民意を正確に議席に反映する制度に抜本的に改めることです。このような選挙制度の抜本的改革の議論を全党参加でおこなうべきです。

 これまで日本共産党は、以下の提案をしてきました。
?小選挙区制を廃止し、全国11ブロックの比例代表制に改革する。
?総定数480議席を維持し、全ての定数を現行の比例11ブロックに人口比例で配分する。(この結果、ブロック間の最大格差は1.03程度にとどまる)

 この改革は、「民意をゆがめる」小選挙区制の最大の弊害をとりのぞくとともに、投票価値の平等の点でも最も合理的な解決をはかることができるものです。

Share (facebook)

このページの先頭にもどる