奮戦記
【14.02.03】衆院予算委員会で安倍総理に質問しました
衆院予算委員会で、安倍総理に復興特別税について質問しました。質問の詳しい内容は
http://www.sasaki-kensho.jp/kokkai/140203-000000.html をご覧下さい。
政府は、東日本大震災からの復興のため財源を確保するということで、企業には2012年度から「復興特別法人税」、個人には2013年1月から「復興特別所得税」を課しています。
復興特別法人税が導入されたときは、まず実質5%の法人税減税(実効税率35%→30%、基本税率30%→25.5%)を恒久的に行ったうえ、3年間に限り同額の「復興特別法人税」を課すというものでした。
つまり、それ以前と比べて、企業には実質的な負担増はない、そういう仕組みだったのです。
負担を分かち合うと言うが、もともと企業の負担が実質的に増えるものではなかったわけです。
ところが、復興特別法人税を「3年後」に廃止するとしてたものを、安倍内閣は前倒しして「2年後」つまり今年の4月から廃止すると提案しています。つまり法人税の減税です。この減税が行われると、法人税の基本税率が25.5%になります。
復興特別法人税は、年間8000億円です。企業にとっては、年に8000億円の減税がおこなわれ、その水準が恒久的に続くことになるのです。
一方、個人には、復興特別所得税が課されています。これは、昨年1月から所得税納税額に2.1%を上乗せする増税で、25年間続きます。また、今年6月から個人住民税に年間1000円の上乗せがあります。住民税の方は10年間の増税です。
この個人の増税分は、25年のトータルで8.1兆円になります。
企業の場合、最初の2年間だけ同額の復興特別法人税を課すけれど、その後は、毎年8000億円の減税が恒久的に実行されます。増税が課される個人と同じ25年を並べてみると、企業には約20兆円の減税となります。
復興のため「みんなで分かち合う」と言いながら、25年をとってみると、企業には約20兆円の減税で、その減税を受けるのは、主として黒字の大企業なのです。赤字企業は7割(72%)を占めており、その多くは中小企業ですが、そこには減税が届きません。
復興のためという名目で、国民には8兆円の増税、大企業には20兆円の減税ですから、おかしいではないかとききました。
総理の答弁は、法人税の引き下げは当然だと言わんばかりで、呆れてしまいました。
政府税調の議論の中で、特別委員がこう発言しています。「もう復興ができたのならともかく、できていないのに、なぜ法人税だけを廃止するのか、どうしても皆さん納得できない……。まだ復興も終わっていないのに、復興特別法人税のみが3年から2年になることは、やはり納得できかねます……応援にはならず、かえって逆なでする…。私はこれについては反対です」。
昨年末の税調で、こんなまともな意見があったのに、安倍内閣はこれを無視したのです。
予算委員会の質問席で受け取った3枚の紙
今日、予算委員会の質問席で受け取った3枚の紙です。
席に座ると、最初に置かれるのが一番左の紙。ここには、質疑者の名前と質問の時間帯、持ち時間が書いてあります。
真ん中の紙は、終了時間が迫っているというお知らせです。「質疑持時間5分前です」と書かれています。そろそろ終了ですというお知らせです。
右の紙「質疑持時間終了いたしました」が来たら、すぐに質疑を終えなければなりません。
こういう紙を持ってくるのは、委員会の事務局である「委員部」の職員です。委員部というのは政府の職員ではなく、衆議院(議会)の職員です。