奮戦記
【14.01.15】財界直結型の政治へ、一連の“人事”
最近の一連の“人事”をみていると、財界の意向を安倍内閣の政策に直接反映させようとする動きが、加速しているように思われます。
まず、財界総本山とも言われる日本経団連の次期会長が、住友化学の米倉氏から東レの榊原氏に替わります。榊原氏はこれまで、政府の産業競争力会議を財界代表として主導してきました。
安倍内閣との関係をより密にする狙いがあるものと思われます。
さらに、政府の経済財政諮問会議の民間議員の提言を強化するため、今日15日付けで内閣府に経済財政諮問会議民間議員室がつくられます。
そこに、三菱ケミカルホールディングス、東芝、日本総合研究所から社員各1人を迎えるそうです。アベノミクスの司令塔を、いっそう堅固な財界直結型にしていこうとしています。
甘利経済財政担当大臣は「岩盤を打ち破るような提言が必要だ。民間議員の考えが制約なく提案できるような環境をつくる」(「朝日」1月15日付)と、この体制を推進する姿勢を露骨に示しています。
そのうえ、安倍政権は特定秘密保護法の施行に向け、「情報保全諮問会議」の座長に読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆の渡辺恒雄氏を指名しました。
この会議は特定秘密保護法の運用基準を策定するさいに意見を聴取するものですが、渡辺氏を含めメンバーは7人で構成されます。
マスコミを取り込み、安倍内閣に対する批判を封じ込めようという意図が見えます。