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奮戦記

【13.11.29】財務金融委員会で麻生財務大臣に質問

 11月29日、財務金融委員会で質問しました。私の主な主張点は、以下のとおりです。
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 アベノミクスの目標の一つに、「物価を2年間で2%上げる」というのがありますが、物価が上がるのが、どうして良いことなのでしょうか。
 日銀の「国民生活に関するアンケート調査」(9月)をみると、「物価上昇についての感想」という項目があります。それを見ると、物価上昇について「どちらかと言えば好ましいことだ」が3.9%、「どちらとも言えない」14.5%、「どちらかと言えば、困ったことだ」が80.9%、約8割、圧倒的に多くの方々が「困ったことだ」と答えているのです。物価上昇の印象は、はなはだ悪いのが国民感情です。

 では、実際にどの品目が上昇しているのでしょう。
 上昇しているのは、ガソリン、電気代、テレビ、ルームエアコン、自動車任意保険料、都市ガス代などが上位を占めています。国民生活に密接に関わる公共料金をはじめとする品目が急上昇しており、庶民生活を直撃しています。
 その原因は、円安のため輸入物価が上がったからです。安倍内閣と日銀が勧めている異次元の金融緩和と連動して、この間、円安が急速に進みました。

 安部内閣は、家計に冷水を浴びせる方向に向かって走っているのです。2年で2%に物価が上昇し、そのうえ消費税の増税が加わったらどうなるでしょうか。
 静岡大学名誉教授で、経済統計学者の土居英二氏は、こう分析しています。
 1ドル=79.3円が、1ドル=100円に上昇した場合の輸入物価上昇率は、為替レートと輸入物価指数の関係式から21.1%と算出されます。この輸入物価の上昇が物価にどう反映するか、総務省統計局の産業連関表を用いて分析しています。
 その結果、輸入物価上昇による消費者物価上昇率は2.6%となります。とりわけ、電気代、ガス代の上昇率が顕著です。

 

 これに消費税増税による物価押し上げもあります。
 土居教授の試算によると、平均家計で、消費税が8%になったら、円安による物価上昇分と合わせて年額18万8000円(月額1万5700円)の負担増になります。消費税が10%になると年額24万9000円(同2万800円)と巨額の負担増が家計を襲うことになるのです。

 年収別に見ると、低所得者ほど負担が重くなっています。年収200万円未満のワーキング・プアと言われる世帯では、消費税8%のときは6.1%(9万1000円)の負担増です。
 暮らしを維持するためには、この上昇分を超える賃金や年金の上昇によって所得を増やさなければなりません。
 私は、麻生大臣に、平均家計で年額18万8000円、月額1万5700円を超えるほどの所得増加の方策があるのか、あるなら具体的に示せとききました。
 ところが、麻生大臣の答弁は長々と要領を得ないもので、具体的な方策がないことが明らかとなりました。

 低所得者対策として1万円バラ撒いても、年金生活者に1万5000円をバラ撒いても、焼け石に水です。給与総額も減り続けています。
 どう考えても安倍内閣のやり方では、国民の暮らしが低下し、消費が落ち込むことは明らかです。
 株が上がったから消費が増えるとも言われますが、そもそも金融資産を保有していない世帯は31%もあり、株を持っていない人は全体の87.9%(証券業協会資料)。株式の大部分を保有しているのは、ごくごく一部の富裕層でしかありません。
 GDPの6割を占める家計消費が冷え込めば、「好循環」どころかデフレスパイラルの引き金を引くことになります。インフレとデフレが同時に進行する「スタグフレーション」になるのは、どこから見ても、明らかではないでしょうか。
 内閣参与の浜田教授でさえ、消費税増税をやめたほうが、所得を増やすことになると述べているのです。このさい消費税増税は、きっぱりと撤回すべきです。

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